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第三章「ヘンタイ博士登場」
★嫉妬と居留守
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「んんっ、あ、やめっ・・・ザク!」
それに伴い、だらしなく声を漏らしてしまう。死にそう。恥ずかしくて死にそう。何が悲しくて男とトイレで抜かなきゃいけないんだ。
「う、あ、やだ!ザク!っん、んんん!」
「今日はもうできあがってんなあ~やっぱあのエロメガネのせいか」
「...っふ!う、うう、ザっク...もうやめろほんとに!」
「ま、俺様もっ同じぐらいキてるから・・いいけど」
体全てすり抜けてきたザクはなぜか全裸だった。多分通り抜けれるのは体だけなんだろう...とか考えてる場合じゃない。奴のがもう爆発寸前だし、俺のもやばいしで・・・思考が停止してしまう。
「何ぼーっとしてんだ、襲うぞ」
「もっ...襲ってるだろ、けだもの!う、っく」
「ほおー?この状況でそんな口叩くなんて度胸あるな~」
ズボンをさらに下げられる。奴の長い爪が肌をかすり、びくりと反応してしまった。
「けけ、ほんと、敏感だなあ」
俺の反応を楽しみながらザクは肩を掴みぐいっと裏返してくる。ザクに背中を向ける姿勢になった。何がしたいのかわからないがなんとなく嫌な予感がする。
「やめっはなせ!ばか!」
「はいはい、気持ちよくしてやるから大人しくしてな」
片手で両腕を押さえつけられ、もう片方の腕で腰を掴まれる。
(やばい!絶対やばい!)
恐怖でガクガクと体が震え始めた。
「お前っ何を、むぐ!?」
「はーい舐めて」
突然入り込んできた奴の指を押し出そうと舌で押す。けれど逆に指で口の中を掻き混ぜられ、反抗できなくなった。
「んむっ、ううっ・・うーっ、ん、ぷはっ」
なんとか顔をそらし指を吐き出す。
「うわ、ぐちょぐちょ」
「っはあ...はあ...お前が突っ込む、からだろ・・・」
「まあ、これぐらい濡らしとけばいっか」
「えっ」
おもむろに俺の腰の下に手が伸びてきた。ザクの長い指が俺の下半身にのび…普段は排泄にしか使われないあの場所を探り当てられる。
ツウ・・・
その冷たい指がそえられ、ビクリと体が反応した。
「ちょっ…ま…っあああ!」
指が遠慮なくさしこまれ、その衝撃で思いっきり大きな声を出してしまう。
「ひっ、あ、うっやだっ・・・きもち、わるい・・・!」
「きっつ…」
耳元でザクが何かをいっているが今はそれ所ではなかった。拘束されてる腕をなんとか外そうと暴れる。
「っく…はな、せ!…うああっ……ゆび…ぬいて」
「んあ?でも、慣らさねーと辛いのはお前だと思うぜ?」
「なら、す…?」
クラクラしてきた。腕をのばせば壁に手がつくぐらいのこの狭い空間で男二人が立ってやることっていえばあれだろう。ずっと昔に働いていた店で散々見させられた…あの寒気しかしない行為。
(ザクと俺が、あれを・・・?!)
やっと状況を理解した俺は顔を真っ青にして抵抗する。男にやられるなんて、冗談じゃない!しかも悪魔に…こんな場所で!
「いやだっ!はな…っせ!!」
「おっとー…やっと理解したのか?けけ、遅すぎる、ぜっ」
最後の言葉と同時に俺のなかに入ってる指が一際深く突き刺さった。
「うあああっ!んっふうう…」
涙がポロポロと出てくる。ぐちゅぐちゅと粘着質な音が、狭い密室をうめていく。俺は恥ずかしさと息苦しさで目眩がした。目を閉じるとよりリアルに指の動きを感じてしまうので目を瞑る事もできない。
「もうやだ…やめろ…ザクっ…うっ」
俺の唾液のせいか、指が動いても痛くはなかった。でも、それよりも
「ザク…なんで…」
少しは、信じてやろうかななんて思った矢先にこれだ。こんなんじゃ、シータと変わらない。今度は助けてくれるやつが現れないだろうから余計ひどい。
「ううっ・・・ザクの、ばか、っ・・・」
「・・・」
「ザクなんて、きらいだ・・・っでていけ、ばか悪魔!」
「・・・」
「ハア、ハア・・・ザク?」
やけに静かになった背後が気になり、頭だけで振り返った。
「ザク?」
下を向いているせいで表情は全く読めなかったが、息を荒げて汗を垂らす姿を見る限り意外にも余裕はなさそうだった。
「…俺様だって、こんな風に襲うつもりはなかった」
俺の肩に額をのせて深いため息をつくザク。耳に息がふきかかり、ぶるっと体全体が震える。
「だけどな・・・帰ってきたらあんなんになってるし、しかもルト、結構気持ち良さそうにしてたし・・・」
「っき、気持ちよさそうにはしてない!」
「でも、逃げてなかったじゃねーか」
「それは包丁が怖くて…」
「包丁?」
「包丁で脅されてたんだよ、だから逃げたくても逃げられなくて・・・あんな事に・・・」
「…」
黙ってしまった。なにも聞こえなくなる。
「…おい、ザク?んっ、むむっ」
急に拘束されていた手が解放され、体を前向きにされる。そして何かを言う前に口を塞がれてしまった。舌が入り込んでくる。
「っっん…うう…ん」
(あ、ザクの舌、先の方が割れてる。今更だけど…本当に悪魔って舌が割けてるんだな…)
赤い前髪をかきあげ、眼帯のない方の瞳を見る。迷いのない目でこっちを見つめていることに気づき、ドキリとした。口付けながら、頭を優しく撫でてくる。
「…ひどくしてわるかったな」
「…!!」
ザクが申し訳なさそうな顔で見下ろしてくる。
「すこし、やりすぎた」
「っ…」
「…」
目の前でしゃがみこむザク。なんだか、すねてる子供みたいだ。
「…はあ、もういいよ。」
俺とラルクさんが同意の上であんな事をしていたと勘違いされていたのは納得いかないが、それで拗ねていたっていうのは・・・
(案外かわいい所あるじゃんか)
と内心笑ってしまった。
「!っルト…」
「っわ、わかったら・・・早くここから出ろ…その、処理を終わらせたいから!」
下半身はまだ疼いているままだ。ここまで来たらやり過ごすよりも出してしまったほうが早いだろう。
「俺もさっさと終わらして眠るから・・・って、ちょっとザク?」
ふと、俺の立ち上がったものが、座り込むザクの口元にあることに気づいた。そして、そのことにザクは俺よりも数秒早く気づき…
ぱくり
食べられた。いや、本気で食べられた訳じゃないんだけど。
「っ!!!なにやってっ」
離れろ!ばか!奴の髪を後ろに引っ張るが全くびくともしない。ぬるっとした暖かいものが俺のものに巻き付いてきた。
「ああんっ…っく…ちょっと、やめろよ…きたな、い」
先の方を軽く噛まれたり、裏すじをつつーっと舐められたり…その甘い快感に俺は声を我慢できなくなる。
「はあっ、ああっ、あ・・・あんっ、ハアっ」
さっきとは違う俺の様子に、ザクは口角を上げて小さく笑った。もっと奥まで飲み込んでくる。それから咥えたまま頭を上下し、限界に近い俺のものを強く吸い上げてきた。
「んううっ!?…ううう…あ、っふ…ザク……っもう…」
「いいぜ、んん、口に出せば」
「いっいやだ!は、はやくそとに…」
「おーーい、ルトー」
「!」
「ーっ!?」
俺とザクがもみ合ってると突然外から声が届いてきた。お互い体の動きを停止させ、外の様子をうかがう。
「ルトー!おーーい、いないのかー?」
(…この声…バン!?)
この声の響く感じ、どうやら教会の中まで入ってきてるようだ。ということは俺たちのいるトイレとの距離は数メートルってことになる。一気に背中を冷や汗が流れ出した。
(こんなとこ…見られたら…)
まず勘違いされるだろう。教会に住まわせていたのもそういうことかとあらぬ勘違いをされる。
(いやだ・・・!)
こんなことで、唯一といっていい…俺の友人をなくしたくない。
「むぐ」
絶対に声を出さないよう、自ら口を押さえる。
「んー、いないのか?おっかしいなーキッチンの電気ついてるし鍵も開いてるし、絶対いるはずだよな…」
ぶつぶつと呟いてる。よし!このまま静かにしてれば気づかれないぞと安心しかけた時だった。
くちゅ…
嫌な音が下の方から聞こえてくる。その音はザクの口の中から…そして、口にくわえられ繋がっている俺の下半身から出ていた。途端、血の気が引く。
くちゅ…くちゃ…
限界に近い俺のものに再度刺激が送られてくる。腰が解けそうな快感に、崩れ落ちそうになった。
「や、やめろっ」
なるべく小さな声で訴える。しかしザクはそれを無視してラストスパートと言わんばかりに頭を動かしてきた。
「っ…!…っん…んんん…!!!」
限界だった俺のものから勢いよく、白い液体がドクドクと流れ出した。必死に声を殺すが、押し寄せる快感に思考が停止してしまう。
「…っふ、う…っん」
舌を使い最後の最後まで絞り出される。その口端から自分のだと思われる白い液体がこぼれた。ザクの赤い舌がそれをなめとり、ゴクリと喉をならした。
(のののっ、飲んだ!?)
「!!!…っば、ばか!」
「しーっ」
「!」
「ん?なんかこっちから声が聞こえたような…」
なにも知らないバンがトイレの扉の前まで近づいてくる。俺は息を潜め、なるべく気配を消した。
(気づかれませんように・・・!!)
そんな必死の願いなど露知らず、ザクがまた俺のものをくわえた。
(まさか、まだやるつもりか?!もうでないって!)
そう、目で伝えてみる。
…にやり
笑われた。すんごい悪そうな顔で見上げてくるザクに、寒気がする。
(どうするつもりだ…てかバンに気づかれたらどうするんだ!)
俺の焦りに拍車をかけるように、ザクの長い指が俺の体を撫でていく。声が出そうになるのを必死に耐えバンの気配を探る。…まだすぐそこにいるようだ。
(早く帰ってくれ!頼むから!)
体を撫でていた指がおもむろに移動し、先程無遠慮にさしこまれた場所にもう一度さしてきた。涙がにじむ。二度目なのでなんなくそれを受け入れてしまった。
「う、う…っ…っっっ」
ぬちゃぬちゃっと音がするほどかき混ぜられ頭が沸騰する。
(お、音が聴かれる!)
泣きそうになる。いや、もう泣いてるけども。
「っっ…ん…!!」
すると、指がある部分にあたった。体が浮き上がるように揺れる。ザクの口の中にある俺のものが一回り大きくなり、射精する準備ができつつあった。
「っっ~~!!」
相変わらず口を休めず俺のを喉まで飲み込むザク。そして同時におかしいぐらいに気持ちいいその部分を押される。俺はなにがなんだかわからなくなってそのまま、また精を吐き出していた。
「あっ・・・んんんっーーー・・・!!」
今回は量を抑えることもできず、勢いよく出した。
ごくごく
ザクは喉をならし美味しそうに飲み込んでいく。やっと出し終えて口を離されたとき、奴の口と自分のものに白い糸がのびた。そのイヤらしい光景に眩暈を超えて、意識が遠のきかける。
(というか、やばい、本気で、意識が・・・薄れてきた・・・)
ザクが自分のものを掴み、上下させる。そしていくらか擦ったあと「うっ」と呻き俺の足元に熱い液体をかけてきた。
「っ…ん…」
(もう、だめ、だ・・・)
その熱い液体が何かを察する前に俺は意識を手放していた。
***
「死ね!!!!!!!」
「~♪」
静かな朝の教会に怒声が響き渡る。俺は叫びながら血管が切れるかと思った。それぐらい怒ってたというわけなんだが肝心のザクはとてもご機嫌で鼻歌を歌ってる始末。
「いいか!!!今度あんなことしてみろ、殺す、俺の持てる限りの技術と力を使って嬲り殺す!!!」
「っけけ、牧師が物騒なこと言うなよ~」
「悪魔にはこれぐらいでいいんだよ!!馬鹿ザク!!」
「あーあ、俺様もなんだか罵られ慣れてきたな~もう今じゃ、その言葉も愛らしいわ」
「~~~!!」
何を言っても無駄なようだ。精神面も無敵かよ...。コイツ相手では戦うほうが無駄だと悟る。
「はあ・・・」
昨日は意識を失ってしまってたからどうなったかはわからないが、ザクの話ではバンはあの後すぐに教会を出て行ったらしい。
(今度なにかおごってやらないとな...居留守しちゃった...)
そんな事を考えているとぺろりと頬を舐められた。
「うひゃっ」
「あーあ、寝てる姿もエロかったな~」
「!!」
今朝、目が覚めると俺はトイレの中ではなく自室のベッドにいた。起きて教会に向かうと人型のザクとでくわし、先ほどの会話につながるわけなんだが。
「...寝てる間、俺の体に変なことしてないだろうな」
「ばっちり洗っといたぜ★」
「~~っ!お前え!!」
「だって起きてあの状態のままだったら流石にレイプみてーじゃん」
「十分そうだ!馬鹿!死ね!」
「けけけ」
聞こえないと言わんばかりに耳を閉じる。それでも聞こえるように俺は耳を引っ張って口を近づけた。大きく息を吸って叫んでやろうとしたその時――
っちゅ
「んむぐ?!」
首をひねって正面を向いてきたザクに口を奪われる。舌の入ってこない・・・触れるだけのキスだった。
「っば、っば・・・」
ふと昨日の記憶が蘇り、顔が真っ赤になる。
「ほんと、かわいいな~」
「バカ悪魔め!!!!」
そして俺の悪魔はいたずらっぽく笑うのだった。
それに伴い、だらしなく声を漏らしてしまう。死にそう。恥ずかしくて死にそう。何が悲しくて男とトイレで抜かなきゃいけないんだ。
「う、あ、やだ!ザク!っん、んんん!」
「今日はもうできあがってんなあ~やっぱあのエロメガネのせいか」
「...っふ!う、うう、ザっク...もうやめろほんとに!」
「ま、俺様もっ同じぐらいキてるから・・いいけど」
体全てすり抜けてきたザクはなぜか全裸だった。多分通り抜けれるのは体だけなんだろう...とか考えてる場合じゃない。奴のがもう爆発寸前だし、俺のもやばいしで・・・思考が停止してしまう。
「何ぼーっとしてんだ、襲うぞ」
「もっ...襲ってるだろ、けだもの!う、っく」
「ほおー?この状況でそんな口叩くなんて度胸あるな~」
ズボンをさらに下げられる。奴の長い爪が肌をかすり、びくりと反応してしまった。
「けけ、ほんと、敏感だなあ」
俺の反応を楽しみながらザクは肩を掴みぐいっと裏返してくる。ザクに背中を向ける姿勢になった。何がしたいのかわからないがなんとなく嫌な予感がする。
「やめっはなせ!ばか!」
「はいはい、気持ちよくしてやるから大人しくしてな」
片手で両腕を押さえつけられ、もう片方の腕で腰を掴まれる。
(やばい!絶対やばい!)
恐怖でガクガクと体が震え始めた。
「お前っ何を、むぐ!?」
「はーい舐めて」
突然入り込んできた奴の指を押し出そうと舌で押す。けれど逆に指で口の中を掻き混ぜられ、反抗できなくなった。
「んむっ、ううっ・・うーっ、ん、ぷはっ」
なんとか顔をそらし指を吐き出す。
「うわ、ぐちょぐちょ」
「っはあ...はあ...お前が突っ込む、からだろ・・・」
「まあ、これぐらい濡らしとけばいっか」
「えっ」
おもむろに俺の腰の下に手が伸びてきた。ザクの長い指が俺の下半身にのび…普段は排泄にしか使われないあの場所を探り当てられる。
ツウ・・・
その冷たい指がそえられ、ビクリと体が反応した。
「ちょっ…ま…っあああ!」
指が遠慮なくさしこまれ、その衝撃で思いっきり大きな声を出してしまう。
「ひっ、あ、うっやだっ・・・きもち、わるい・・・!」
「きっつ…」
耳元でザクが何かをいっているが今はそれ所ではなかった。拘束されてる腕をなんとか外そうと暴れる。
「っく…はな、せ!…うああっ……ゆび…ぬいて」
「んあ?でも、慣らさねーと辛いのはお前だと思うぜ?」
「なら、す…?」
クラクラしてきた。腕をのばせば壁に手がつくぐらいのこの狭い空間で男二人が立ってやることっていえばあれだろう。ずっと昔に働いていた店で散々見させられた…あの寒気しかしない行為。
(ザクと俺が、あれを・・・?!)
やっと状況を理解した俺は顔を真っ青にして抵抗する。男にやられるなんて、冗談じゃない!しかも悪魔に…こんな場所で!
「いやだっ!はな…っせ!!」
「おっとー…やっと理解したのか?けけ、遅すぎる、ぜっ」
最後の言葉と同時に俺のなかに入ってる指が一際深く突き刺さった。
「うあああっ!んっふうう…」
涙がポロポロと出てくる。ぐちゅぐちゅと粘着質な音が、狭い密室をうめていく。俺は恥ずかしさと息苦しさで目眩がした。目を閉じるとよりリアルに指の動きを感じてしまうので目を瞑る事もできない。
「もうやだ…やめろ…ザクっ…うっ」
俺の唾液のせいか、指が動いても痛くはなかった。でも、それよりも
「ザク…なんで…」
少しは、信じてやろうかななんて思った矢先にこれだ。こんなんじゃ、シータと変わらない。今度は助けてくれるやつが現れないだろうから余計ひどい。
「ううっ・・・ザクの、ばか、っ・・・」
「・・・」
「ザクなんて、きらいだ・・・っでていけ、ばか悪魔!」
「・・・」
「ハア、ハア・・・ザク?」
やけに静かになった背後が気になり、頭だけで振り返った。
「ザク?」
下を向いているせいで表情は全く読めなかったが、息を荒げて汗を垂らす姿を見る限り意外にも余裕はなさそうだった。
「…俺様だって、こんな風に襲うつもりはなかった」
俺の肩に額をのせて深いため息をつくザク。耳に息がふきかかり、ぶるっと体全体が震える。
「だけどな・・・帰ってきたらあんなんになってるし、しかもルト、結構気持ち良さそうにしてたし・・・」
「っき、気持ちよさそうにはしてない!」
「でも、逃げてなかったじゃねーか」
「それは包丁が怖くて…」
「包丁?」
「包丁で脅されてたんだよ、だから逃げたくても逃げられなくて・・・あんな事に・・・」
「…」
黙ってしまった。なにも聞こえなくなる。
「…おい、ザク?んっ、むむっ」
急に拘束されていた手が解放され、体を前向きにされる。そして何かを言う前に口を塞がれてしまった。舌が入り込んでくる。
「っっん…うう…ん」
(あ、ザクの舌、先の方が割れてる。今更だけど…本当に悪魔って舌が割けてるんだな…)
赤い前髪をかきあげ、眼帯のない方の瞳を見る。迷いのない目でこっちを見つめていることに気づき、ドキリとした。口付けながら、頭を優しく撫でてくる。
「…ひどくしてわるかったな」
「…!!」
ザクが申し訳なさそうな顔で見下ろしてくる。
「すこし、やりすぎた」
「っ…」
「…」
目の前でしゃがみこむザク。なんだか、すねてる子供みたいだ。
「…はあ、もういいよ。」
俺とラルクさんが同意の上であんな事をしていたと勘違いされていたのは納得いかないが、それで拗ねていたっていうのは・・・
(案外かわいい所あるじゃんか)
と内心笑ってしまった。
「!っルト…」
「っわ、わかったら・・・早くここから出ろ…その、処理を終わらせたいから!」
下半身はまだ疼いているままだ。ここまで来たらやり過ごすよりも出してしまったほうが早いだろう。
「俺もさっさと終わらして眠るから・・・って、ちょっとザク?」
ふと、俺の立ち上がったものが、座り込むザクの口元にあることに気づいた。そして、そのことにザクは俺よりも数秒早く気づき…
ぱくり
食べられた。いや、本気で食べられた訳じゃないんだけど。
「っ!!!なにやってっ」
離れろ!ばか!奴の髪を後ろに引っ張るが全くびくともしない。ぬるっとした暖かいものが俺のものに巻き付いてきた。
「ああんっ…っく…ちょっと、やめろよ…きたな、い」
先の方を軽く噛まれたり、裏すじをつつーっと舐められたり…その甘い快感に俺は声を我慢できなくなる。
「はあっ、ああっ、あ・・・あんっ、ハアっ」
さっきとは違う俺の様子に、ザクは口角を上げて小さく笑った。もっと奥まで飲み込んでくる。それから咥えたまま頭を上下し、限界に近い俺のものを強く吸い上げてきた。
「んううっ!?…ううう…あ、っふ…ザク……っもう…」
「いいぜ、んん、口に出せば」
「いっいやだ!は、はやくそとに…」
「おーーい、ルトー」
「!」
「ーっ!?」
俺とザクがもみ合ってると突然外から声が届いてきた。お互い体の動きを停止させ、外の様子をうかがう。
「ルトー!おーーい、いないのかー?」
(…この声…バン!?)
この声の響く感じ、どうやら教会の中まで入ってきてるようだ。ということは俺たちのいるトイレとの距離は数メートルってことになる。一気に背中を冷や汗が流れ出した。
(こんなとこ…見られたら…)
まず勘違いされるだろう。教会に住まわせていたのもそういうことかとあらぬ勘違いをされる。
(いやだ・・・!)
こんなことで、唯一といっていい…俺の友人をなくしたくない。
「むぐ」
絶対に声を出さないよう、自ら口を押さえる。
「んー、いないのか?おっかしいなーキッチンの電気ついてるし鍵も開いてるし、絶対いるはずだよな…」
ぶつぶつと呟いてる。よし!このまま静かにしてれば気づかれないぞと安心しかけた時だった。
くちゅ…
嫌な音が下の方から聞こえてくる。その音はザクの口の中から…そして、口にくわえられ繋がっている俺の下半身から出ていた。途端、血の気が引く。
くちゅ…くちゃ…
限界に近い俺のものに再度刺激が送られてくる。腰が解けそうな快感に、崩れ落ちそうになった。
「や、やめろっ」
なるべく小さな声で訴える。しかしザクはそれを無視してラストスパートと言わんばかりに頭を動かしてきた。
「っ…!…っん…んんん…!!!」
限界だった俺のものから勢いよく、白い液体がドクドクと流れ出した。必死に声を殺すが、押し寄せる快感に思考が停止してしまう。
「…っふ、う…っん」
舌を使い最後の最後まで絞り出される。その口端から自分のだと思われる白い液体がこぼれた。ザクの赤い舌がそれをなめとり、ゴクリと喉をならした。
(のののっ、飲んだ!?)
「!!!…っば、ばか!」
「しーっ」
「!」
「ん?なんかこっちから声が聞こえたような…」
なにも知らないバンがトイレの扉の前まで近づいてくる。俺は息を潜め、なるべく気配を消した。
(気づかれませんように・・・!!)
そんな必死の願いなど露知らず、ザクがまた俺のものをくわえた。
(まさか、まだやるつもりか?!もうでないって!)
そう、目で伝えてみる。
…にやり
笑われた。すんごい悪そうな顔で見上げてくるザクに、寒気がする。
(どうするつもりだ…てかバンに気づかれたらどうするんだ!)
俺の焦りに拍車をかけるように、ザクの長い指が俺の体を撫でていく。声が出そうになるのを必死に耐えバンの気配を探る。…まだすぐそこにいるようだ。
(早く帰ってくれ!頼むから!)
体を撫でていた指がおもむろに移動し、先程無遠慮にさしこまれた場所にもう一度さしてきた。涙がにじむ。二度目なのでなんなくそれを受け入れてしまった。
「う、う…っ…っっっ」
ぬちゃぬちゃっと音がするほどかき混ぜられ頭が沸騰する。
(お、音が聴かれる!)
泣きそうになる。いや、もう泣いてるけども。
「っっ…ん…!!」
すると、指がある部分にあたった。体が浮き上がるように揺れる。ザクの口の中にある俺のものが一回り大きくなり、射精する準備ができつつあった。
「っっ~~!!」
相変わらず口を休めず俺のを喉まで飲み込むザク。そして同時におかしいぐらいに気持ちいいその部分を押される。俺はなにがなんだかわからなくなってそのまま、また精を吐き出していた。
「あっ・・・んんんっーーー・・・!!」
今回は量を抑えることもできず、勢いよく出した。
ごくごく
ザクは喉をならし美味しそうに飲み込んでいく。やっと出し終えて口を離されたとき、奴の口と自分のものに白い糸がのびた。そのイヤらしい光景に眩暈を超えて、意識が遠のきかける。
(というか、やばい、本気で、意識が・・・薄れてきた・・・)
ザクが自分のものを掴み、上下させる。そしていくらか擦ったあと「うっ」と呻き俺の足元に熱い液体をかけてきた。
「っ…ん…」
(もう、だめ、だ・・・)
その熱い液体が何かを察する前に俺は意識を手放していた。
***
「死ね!!!!!!!」
「~♪」
静かな朝の教会に怒声が響き渡る。俺は叫びながら血管が切れるかと思った。それぐらい怒ってたというわけなんだが肝心のザクはとてもご機嫌で鼻歌を歌ってる始末。
「いいか!!!今度あんなことしてみろ、殺す、俺の持てる限りの技術と力を使って嬲り殺す!!!」
「っけけ、牧師が物騒なこと言うなよ~」
「悪魔にはこれぐらいでいいんだよ!!馬鹿ザク!!」
「あーあ、俺様もなんだか罵られ慣れてきたな~もう今じゃ、その言葉も愛らしいわ」
「~~~!!」
何を言っても無駄なようだ。精神面も無敵かよ...。コイツ相手では戦うほうが無駄だと悟る。
「はあ・・・」
昨日は意識を失ってしまってたからどうなったかはわからないが、ザクの話ではバンはあの後すぐに教会を出て行ったらしい。
(今度なにかおごってやらないとな...居留守しちゃった...)
そんな事を考えているとぺろりと頬を舐められた。
「うひゃっ」
「あーあ、寝てる姿もエロかったな~」
「!!」
今朝、目が覚めると俺はトイレの中ではなく自室のベッドにいた。起きて教会に向かうと人型のザクとでくわし、先ほどの会話につながるわけなんだが。
「...寝てる間、俺の体に変なことしてないだろうな」
「ばっちり洗っといたぜ★」
「~~っ!お前え!!」
「だって起きてあの状態のままだったら流石にレイプみてーじゃん」
「十分そうだ!馬鹿!死ね!」
「けけけ」
聞こえないと言わんばかりに耳を閉じる。それでも聞こえるように俺は耳を引っ張って口を近づけた。大きく息を吸って叫んでやろうとしたその時――
っちゅ
「んむぐ?!」
首をひねって正面を向いてきたザクに口を奪われる。舌の入ってこない・・・触れるだけのキスだった。
「っば、っば・・・」
ふと昨日の記憶が蘇り、顔が真っ赤になる。
「ほんと、かわいいな~」
「バカ悪魔め!!!!」
そして俺の悪魔はいたずらっぽく笑うのだった。
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1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
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書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
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