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第二章「カラドリオス祭」
託されたもの
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「お前さん、チェロ、チェロなのか?」
「・・・」
チェロと呼ばれた男は、バンダナをずらしながら少し考え込み、頷いた。
(え?!お爺さんの孫ってデルタだったのか?でもチェロって・・・?)
驚いて反応できないでいるとデルタがこくりと頷いた。
「ああ。そうだ、だが、あんたは一体・・・」
「探していた、探していたんだ、チェロ。お前に一言、言いたくて」
「・・・」
デルタはお爺さんの言葉を静かに待っている。
「チェロ、すまなかった。」
「・・・。」
「お前を一人置いていき、理解してやれず...本当にすまないことをした。信じてやるんだったと・・・後から後悔した」
「・・・」
「・・・もし、もしよかったらこれを受け取ってくれないか?」
青い雫の形をしたペンダントを差し出す。
「・・・」
デルタは手を伸ばしかけ、何を思ったのか一度その動きを止めた。
(デルタ・・・?)
どうしたんだと見つめていると、苦々しい顔でデルタはまた動き始める。
ぎゅっ
ペンダントを両手でゆっくりと包み込んだ。
「受け取っとく」
それを見たお爺さんはしわくちゃに顔を歪めて微笑み、一筋の涙を流す。
「ああ・・・」
安心したような、泣きそうな声で息を吐く。
バサッ
カラドリオスが空に向けて大きく羽ばたいた。すると、つられてお爺さんの体が透明になっていき光に変わっていく。その光がカラドリオスについていくように流れていった。
(そうか、お爺さん、あなたはもう・・・)
それを見たデルタは、消えかかったお爺さんに駆け寄り、何かを伝えようとした。
「爺さん、俺はっ・・・!」
しかし、ほとんど透明になっているお爺さんに、その言葉が届いていたかはわからない。・・・ただ、眩しいぐらいの笑顔でお爺さんは頷いていた。
***
その後、デルタはまたいつもの熱い男に戻り、部下の黒づくめ達に指示をして、ゴロツキ達をどこかへ連れて行かせた。
「・・・今更だが、スネーカーの始末は俺に任せてくれるか?」
「ああ、頼んだ」
俺にはどうしようもない。ここはデルタに任せるのが適任だろう。
(しかし、気まずいな...)
二人きりになりたいとデルタに突然言われ、何故か俺たちは今、路地の少し入ったところにいるのだ。
「・・・」
「・・・」
俺たちは互いに黙り込み、路地に腰掛けたまま相手の出方を待った。先に折れたのはデルタだった。
「・・・爺さんと、ルトは知り合いなのか?」
「あ、えっと..」
昼間にお爺さんが教会に迷い込んできたこと、それから俺も一緒に孫を探しにきたこと・・・などを含めて順番に話していく。デルタが何の説明を求めてるのかわからなかったため、今俺がわかっていること全て話した。
「そうか」
「・・・?」
俺が話し終えるとデルタはおもむろにポケットに手を伸ばし、そこから煙草を取り出す。慣れた手つきで火をつけた。ゆらゆらと煙が空に消えていく。
「結論から言うと、俺はチェロじゃない」
「!!...」
なんとなくそんな気はしていたが、どうしてそんな嘘を?
「だが、無関係というわけでもない・・・俺の祖父がチェロという男だったんだ。一次改革の時、家族で一人だけこの街に残り貢献した男、そして俺が取り仕切ってるのマフィアの初代ボスにあたる男が・・・チェロだ。」
「!!」
でも待てよ、その話では色々矛盾がある。
(旧市街地の改革って十年前とかじゃなかったか?)
前にスネーカーの男が言っていた話を思い出し疑問に思う。
「それは二次改革っていって、あのじいさんが話してたのは50年ぐらい前の一次改革のことだ。そっちの方は暴動があったりで色々治安も悪くなったし死人も出た」
「そんな...!じゃああのお爺さんっていったい何歳なんだよ・・・?」
デルタの祖父が孫ってことは...100とか優に超えてる事になる。
(でも見た目はまだ50、とか60ぐらいに見えたような)
不思議に思ってるのは俺だけじゃないらしく、デルタも首を傾げていた。
「あの人が本当に俺の祖父の・・・チェロの爺さんだったとして、そんなのありえるのか?」
「・・・俺も信じられないけど、あのお爺さんはもう随分前に死んでいて・・・その亡霊だったんじゃないか。チェロさんに伝えられなかったことをずっと悔いていて・・・あんな不安定な姿になってまで街をさまよって...最終的に俺のもとに迷い込んできてしまった、とか」
「...そうか。やっぱそうなるよな」
デルタはそう言い深く頷いたあと、煙草をもう一度吸った。
「俺で、よかったのかな」
「ん?」
「チェロじゃない俺が・・・これを受け取っちまって」
ペンダントを掲げる。キラキラと光る青いしずく。中の白い石がまるで泳いでるかのように光り輝いていた本当に美しかった。
「祖父が話していた。俺たち一族は昔、親から子へ全てを継承させる証として、跡取りにこの雫石を渡す風習があったんだそうだ。だから、きっと・・・これを渡す意味には深い意味がある...俺が、容易に受け取っていいものじゃない」
ペンダントを苦しそうに握ってる。
「・・・デルタ」
俺は手を伸ばし、デルタの手をペンダントごと包み込んだ。
「?!」
「俺は、お前じゃなきゃダメだったと思うよ」
そこで一度息を吸い込み、ゆっくりと言葉を選んでいく。
「デルタの祖父は・・・チェロさんはさ、途絶えたはずの風習をわざわざお前に伝えたんだろ。それってお前に託したって事なんじゃないか。チェロさんに受け取れなかったものを、デルタに受け取ってほしかったんだよ」
「え・・・?」
「もしも、この先、お爺さんが来てもいいようにって・・・お前に全てを託したんだ。だってそれは、デルタにしかできないことだから」
「!!!」
ペンダントを見つめながら、お互い黙りこんだ。デルタの手がぎゅっと力強くペンダントを握りしめる。
「・・・」
「デルタ、お爺さんの、最後のあの笑顔が本物だって、お前にもわかってるんじゃないのか」
「ああ、わかってる・・・わかってるさ」
もう一度ペンダントを握り締め、そしてそれを自らの首にさげた。ペンダントが応えるようにキラリと光る。
「そうだな、これは・・・俺が受け継ぐべきものだ・・・他でもない、俺の」
その先は聞こえなかったが、俺は力強く頷いた。
「うん」
「・・・ありがとな、ルト」
はにかむようにデルタが笑いかけてくる。その笑顔は、今はもう空の遠くにいってしまったお爺さんにも届きそうなほど、眩しく輝いていた。
「俺は何もしてないよ」
「・・・いや、お前のおかげだ」
デルタはぼそりと小さく呟く。
「ん?悪い、よく聞こえなかったんだけど」
「...いや、なんでもねー!てかさ、ルト彼氏いるか?」
「はあ?なんで彼氏なんだよ!いるわけないだろっ」
「え~ほんとか~??」
さっきまでの落ち込みムードはどこへやら、一気にいつもの軽い感じに戻ってしまったデルタに呆れる。
(でも、こっちの方がいいか)
なんて思う俺はそろそろ毒され始めてるのかもしれない。
「じゃあさ、恋人いないんならさ、俺なんかどうよ?バンと恋人じゃねーなら遠慮もいらねーじゃんよ!」
「いや、遠慮しろよ!男の俺にそんな直球に告白するな!」
「そーだそーだ~ルトは俺様のだ!」
路地から顔を出したザクがこっちを恨めしそうに見ていた。いつの間に、というかいつからそこにいたんだか。
「誰がお前のだ!死ね!」
「けけ、つれねーとこがまたいいんだよな~」
「仕方ない・・・まずは恋人候補を一人ずつ仕留めるかア」
「おう俺様はいつだって相手になるぜ」
「へえ、すげえ自信じゃんよー?」
「いや!そういう戦いもいらないから!俺は帰る!!」
そう言って俺は路地から出ようとする。しかし、路地を抜けてすぐに人とぶつかりぺたんと尻餅をついた。
「いったた・・・す、すみませ...」
「ルト!!どこ行ってたんだ!」
「はっ・・・ば、バン?!」
俺とぶつかった相手は、狼の仮面をつけたままのバンだった。バンは俺を見つけた瞬間、汗だらけの顔をホッと歪ませる。
「よかった、無事で・・・ていうか!ルト!俺が少し目を離した隙に、まーた厄介事に巻き込まれたらしいじゃないか!!なんでまず俺に声をかけないんだよ!」
どこでそれを...と言おうとしたが、情報屋にそれは野暮だろう。
「...悪かったよ」
「ルト...」
「ごめんなさい、今度はちゃんと言う」
「はあ・・・よろしい。反省してるならいいさ、頼むからもうこんな危ない事はやめてくれよ」
「わかってる。ちゃんと報告してから巻き込まれに行くから」
「!!!反省してないなルトーー!こらっまて!!」
俺は急いで走り出した。バンが腕まくりをして追いかけてくる。
=がんばってルトにい~=
胸ポケットから顔を出したリリが楽しそうに俺を応援してくれた。
「!」
ふと上を見れば、空高く、白い翼を光らせて飛ぶ鳥が見えた。
けれどそれは、次の瞬間跡形もなく消えていて、光りながら舞う紙吹雪へと姿に変わっている。
俺に見守られながら・・・紙吹雪はゆらゆらと空を舞い、天高く飛び上がった。
空が白んじてきた、
そろそろ祭りも終わるだろう。
こうして、仲間に囲まれながらも、俺の初めてのカラドリオス祭は終わりを告げるのだった。
「・・・」
チェロと呼ばれた男は、バンダナをずらしながら少し考え込み、頷いた。
(え?!お爺さんの孫ってデルタだったのか?でもチェロって・・・?)
驚いて反応できないでいるとデルタがこくりと頷いた。
「ああ。そうだ、だが、あんたは一体・・・」
「探していた、探していたんだ、チェロ。お前に一言、言いたくて」
「・・・」
デルタはお爺さんの言葉を静かに待っている。
「チェロ、すまなかった。」
「・・・。」
「お前を一人置いていき、理解してやれず...本当にすまないことをした。信じてやるんだったと・・・後から後悔した」
「・・・」
「・・・もし、もしよかったらこれを受け取ってくれないか?」
青い雫の形をしたペンダントを差し出す。
「・・・」
デルタは手を伸ばしかけ、何を思ったのか一度その動きを止めた。
(デルタ・・・?)
どうしたんだと見つめていると、苦々しい顔でデルタはまた動き始める。
ぎゅっ
ペンダントを両手でゆっくりと包み込んだ。
「受け取っとく」
それを見たお爺さんはしわくちゃに顔を歪めて微笑み、一筋の涙を流す。
「ああ・・・」
安心したような、泣きそうな声で息を吐く。
バサッ
カラドリオスが空に向けて大きく羽ばたいた。すると、つられてお爺さんの体が透明になっていき光に変わっていく。その光がカラドリオスについていくように流れていった。
(そうか、お爺さん、あなたはもう・・・)
それを見たデルタは、消えかかったお爺さんに駆け寄り、何かを伝えようとした。
「爺さん、俺はっ・・・!」
しかし、ほとんど透明になっているお爺さんに、その言葉が届いていたかはわからない。・・・ただ、眩しいぐらいの笑顔でお爺さんは頷いていた。
***
その後、デルタはまたいつもの熱い男に戻り、部下の黒づくめ達に指示をして、ゴロツキ達をどこかへ連れて行かせた。
「・・・今更だが、スネーカーの始末は俺に任せてくれるか?」
「ああ、頼んだ」
俺にはどうしようもない。ここはデルタに任せるのが適任だろう。
(しかし、気まずいな...)
二人きりになりたいとデルタに突然言われ、何故か俺たちは今、路地の少し入ったところにいるのだ。
「・・・」
「・・・」
俺たちは互いに黙り込み、路地に腰掛けたまま相手の出方を待った。先に折れたのはデルタだった。
「・・・爺さんと、ルトは知り合いなのか?」
「あ、えっと..」
昼間にお爺さんが教会に迷い込んできたこと、それから俺も一緒に孫を探しにきたこと・・・などを含めて順番に話していく。デルタが何の説明を求めてるのかわからなかったため、今俺がわかっていること全て話した。
「そうか」
「・・・?」
俺が話し終えるとデルタはおもむろにポケットに手を伸ばし、そこから煙草を取り出す。慣れた手つきで火をつけた。ゆらゆらと煙が空に消えていく。
「結論から言うと、俺はチェロじゃない」
「!!...」
なんとなくそんな気はしていたが、どうしてそんな嘘を?
「だが、無関係というわけでもない・・・俺の祖父がチェロという男だったんだ。一次改革の時、家族で一人だけこの街に残り貢献した男、そして俺が取り仕切ってるのマフィアの初代ボスにあたる男が・・・チェロだ。」
「!!」
でも待てよ、その話では色々矛盾がある。
(旧市街地の改革って十年前とかじゃなかったか?)
前にスネーカーの男が言っていた話を思い出し疑問に思う。
「それは二次改革っていって、あのじいさんが話してたのは50年ぐらい前の一次改革のことだ。そっちの方は暴動があったりで色々治安も悪くなったし死人も出た」
「そんな...!じゃああのお爺さんっていったい何歳なんだよ・・・?」
デルタの祖父が孫ってことは...100とか優に超えてる事になる。
(でも見た目はまだ50、とか60ぐらいに見えたような)
不思議に思ってるのは俺だけじゃないらしく、デルタも首を傾げていた。
「あの人が本当に俺の祖父の・・・チェロの爺さんだったとして、そんなのありえるのか?」
「・・・俺も信じられないけど、あのお爺さんはもう随分前に死んでいて・・・その亡霊だったんじゃないか。チェロさんに伝えられなかったことをずっと悔いていて・・・あんな不安定な姿になってまで街をさまよって...最終的に俺のもとに迷い込んできてしまった、とか」
「...そうか。やっぱそうなるよな」
デルタはそう言い深く頷いたあと、煙草をもう一度吸った。
「俺で、よかったのかな」
「ん?」
「チェロじゃない俺が・・・これを受け取っちまって」
ペンダントを掲げる。キラキラと光る青いしずく。中の白い石がまるで泳いでるかのように光り輝いていた本当に美しかった。
「祖父が話していた。俺たち一族は昔、親から子へ全てを継承させる証として、跡取りにこの雫石を渡す風習があったんだそうだ。だから、きっと・・・これを渡す意味には深い意味がある...俺が、容易に受け取っていいものじゃない」
ペンダントを苦しそうに握ってる。
「・・・デルタ」
俺は手を伸ばし、デルタの手をペンダントごと包み込んだ。
「?!」
「俺は、お前じゃなきゃダメだったと思うよ」
そこで一度息を吸い込み、ゆっくりと言葉を選んでいく。
「デルタの祖父は・・・チェロさんはさ、途絶えたはずの風習をわざわざお前に伝えたんだろ。それってお前に託したって事なんじゃないか。チェロさんに受け取れなかったものを、デルタに受け取ってほしかったんだよ」
「え・・・?」
「もしも、この先、お爺さんが来てもいいようにって・・・お前に全てを託したんだ。だってそれは、デルタにしかできないことだから」
「!!!」
ペンダントを見つめながら、お互い黙りこんだ。デルタの手がぎゅっと力強くペンダントを握りしめる。
「・・・」
「デルタ、お爺さんの、最後のあの笑顔が本物だって、お前にもわかってるんじゃないのか」
「ああ、わかってる・・・わかってるさ」
もう一度ペンダントを握り締め、そしてそれを自らの首にさげた。ペンダントが応えるようにキラリと光る。
「そうだな、これは・・・俺が受け継ぐべきものだ・・・他でもない、俺の」
その先は聞こえなかったが、俺は力強く頷いた。
「うん」
「・・・ありがとな、ルト」
はにかむようにデルタが笑いかけてくる。その笑顔は、今はもう空の遠くにいってしまったお爺さんにも届きそうなほど、眩しく輝いていた。
「俺は何もしてないよ」
「・・・いや、お前のおかげだ」
デルタはぼそりと小さく呟く。
「ん?悪い、よく聞こえなかったんだけど」
「...いや、なんでもねー!てかさ、ルト彼氏いるか?」
「はあ?なんで彼氏なんだよ!いるわけないだろっ」
「え~ほんとか~??」
さっきまでの落ち込みムードはどこへやら、一気にいつもの軽い感じに戻ってしまったデルタに呆れる。
(でも、こっちの方がいいか)
なんて思う俺はそろそろ毒され始めてるのかもしれない。
「じゃあさ、恋人いないんならさ、俺なんかどうよ?バンと恋人じゃねーなら遠慮もいらねーじゃんよ!」
「いや、遠慮しろよ!男の俺にそんな直球に告白するな!」
「そーだそーだ~ルトは俺様のだ!」
路地から顔を出したザクがこっちを恨めしそうに見ていた。いつの間に、というかいつからそこにいたんだか。
「誰がお前のだ!死ね!」
「けけ、つれねーとこがまたいいんだよな~」
「仕方ない・・・まずは恋人候補を一人ずつ仕留めるかア」
「おう俺様はいつだって相手になるぜ」
「へえ、すげえ自信じゃんよー?」
「いや!そういう戦いもいらないから!俺は帰る!!」
そう言って俺は路地から出ようとする。しかし、路地を抜けてすぐに人とぶつかりぺたんと尻餅をついた。
「いったた・・・す、すみませ...」
「ルト!!どこ行ってたんだ!」
「はっ・・・ば、バン?!」
俺とぶつかった相手は、狼の仮面をつけたままのバンだった。バンは俺を見つけた瞬間、汗だらけの顔をホッと歪ませる。
「よかった、無事で・・・ていうか!ルト!俺が少し目を離した隙に、まーた厄介事に巻き込まれたらしいじゃないか!!なんでまず俺に声をかけないんだよ!」
どこでそれを...と言おうとしたが、情報屋にそれは野暮だろう。
「...悪かったよ」
「ルト...」
「ごめんなさい、今度はちゃんと言う」
「はあ・・・よろしい。反省してるならいいさ、頼むからもうこんな危ない事はやめてくれよ」
「わかってる。ちゃんと報告してから巻き込まれに行くから」
「!!!反省してないなルトーー!こらっまて!!」
俺は急いで走り出した。バンが腕まくりをして追いかけてくる。
=がんばってルトにい~=
胸ポケットから顔を出したリリが楽しそうに俺を応援してくれた。
「!」
ふと上を見れば、空高く、白い翼を光らせて飛ぶ鳥が見えた。
けれどそれは、次の瞬間跡形もなく消えていて、光りながら舞う紙吹雪へと姿に変わっている。
俺に見守られながら・・・紙吹雪はゆらゆらと空を舞い、天高く飛び上がった。
空が白んじてきた、
そろそろ祭りも終わるだろう。
こうして、仲間に囲まれながらも、俺の初めてのカラドリオス祭は終わりを告げるのだった。
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