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最終章 全員で一つの探索隊
第357話 迫る海
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間一髪、城から脱出した私たちだったが、同時に、左右の海が元に戻ろうとこちらに迫って来ていた。
「……クロムちゃん!」
「おう!」
「ラピスちゃん……ゴルドちゃん……ごめん!」
「え? うおおおお!? なんや!?」
「おい! また服か! ……でもしゃあねぇ!」
キセノンは突然、ゴルドとラピスを掴んで飛び立った。
「ほら、瑠璃! リン! 掴まれ!」
「う、うん!」
「早く行こう!」
クロムが私たちを掴むと、羽を広げて飛び出した。
巨大な壁は私たちを押しつぶすかのように迫って来ていて、気が付くと、ほぼ半分の位置まで来ていた。
「うおおおおおおおおお!! 踏ん張れ! 俺ならいけるぞ! うおおおおおおおおお!!」
クロムは悶絶しながらも、空に向かって羽を広げていた。
「頑張れ! クロムならいけるよ!」
「ロムロム! 前だけを見て!」
既にキセノンたちは水面下を出ていた……太陽がすでに上っているのか、明るいように見えた。
後ろを向くと、既に城は水没していて、海水が私たちの目と鼻の先まで来ていた。
水没するまで時間の問題……でも……クロムならいける! だってクロムは私だもん!
「うおおおおおおお! おりゃああああああああ!!」
クロムは……私たちを水面まで放り投げた。
「うわあああ!?」
「きゃああ!?」
空中に飛ばされた私たちは……そのまま海へとダイブした。
クロムの姿は……消えていた。
「……瑠璃ちゃん! ……リンちゃん!」
「だ、大丈夫かいな?」
「おい! クロムは!?」
3人も私たちと合流すべく、海へと入った。
クロムの姿は……見えない。
「クロム!」
「ロムロム!!」
「ど、どこや!?」
「返事しろ!」
「……まさか……海の中に?」
もしかして……水没した?
そんな……そんな……。
「……クロム!!」
私は声が枯れるほど叫んだ。
現実を受け入れられない……クロムが……海の中に……。
「そんな……そんな……」
私とリンを救うために……そこまで……。
「……ルリルリ」
リンが声を掛けてくれたが……今の私に返事をする気力はない。
だって……クロムは……。
「……クロムちゃん!」
「おう!」
「ラピスちゃん……ゴルドちゃん……ごめん!」
「え? うおおおお!? なんや!?」
「おい! また服か! ……でもしゃあねぇ!」
キセノンは突然、ゴルドとラピスを掴んで飛び立った。
「ほら、瑠璃! リン! 掴まれ!」
「う、うん!」
「早く行こう!」
クロムが私たちを掴むと、羽を広げて飛び出した。
巨大な壁は私たちを押しつぶすかのように迫って来ていて、気が付くと、ほぼ半分の位置まで来ていた。
「うおおおおおおおおお!! 踏ん張れ! 俺ならいけるぞ! うおおおおおおおおお!!」
クロムは悶絶しながらも、空に向かって羽を広げていた。
「頑張れ! クロムならいけるよ!」
「ロムロム! 前だけを見て!」
既にキセノンたちは水面下を出ていた……太陽がすでに上っているのか、明るいように見えた。
後ろを向くと、既に城は水没していて、海水が私たちの目と鼻の先まで来ていた。
水没するまで時間の問題……でも……クロムならいける! だってクロムは私だもん!
「うおおおおおおお! おりゃああああああああ!!」
クロムは……私たちを水面まで放り投げた。
「うわあああ!?」
「きゃああ!?」
空中に飛ばされた私たちは……そのまま海へとダイブした。
クロムの姿は……消えていた。
「……瑠璃ちゃん! ……リンちゃん!」
「だ、大丈夫かいな?」
「おい! クロムは!?」
3人も私たちと合流すべく、海へと入った。
クロムの姿は……見えない。
「クロム!」
「ロムロム!!」
「ど、どこや!?」
「返事しろ!」
「……まさか……海の中に?」
もしかして……水没した?
そんな……そんな……。
「……クロム!!」
私は声が枯れるほど叫んだ。
現実を受け入れられない……クロムが……海の中に……。
「そんな……そんな……」
私とリンを救うために……そこまで……。
「……ルリルリ」
リンが声を掛けてくれたが……今の私に返事をする気力はない。
だって……クロムは……。
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