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最終章 全員で一つの探索隊
第356話 栄光あれ
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「ね、ねぇ、みんな……あれ……」
リンが指を差した先……そこに、アルゴが倒れこんでいた。
私は思わず、アルゴに向かって走った。
「……大丈夫?」
その場に屈み……私は手を差し伸べた。
いくら敵とは言っても……殺す権限は私たちにはない。
善意で手を伸ばしたつもりだったのだが……彼女は、私の手を弾き返した。
「……いらぬ! 折角の善意を棒に振る馬鹿どもの助けなど!」
……ここでふと、私はこれまで気になっていた事を聞いた。
「……ねぇ、貴方は何故……ダンジョンを?」
そうだ、ここまでの大規模な事……もっと有効に使うことだってできるはずだ。
何故だろうか? リン達の世界には昔から存在していて……そして今、世界を重ね合わせて混乱に陥れて……そんなに長い時間を掛ける中で、なにか思い立ったりはしなかったのだろうか?
そんな質問をすると……彼女は腕を抑えながら立ち上がり……不気味な笑みを浮かべて立ち上がった。
「……そんなもの、ただ世界を支配するための手段だ、私は世界を統一できさえすればそれでいい……たとえどんなに時間が掛かろうと……回りくどかろうと……全てがラブカルドにさえなれば、それで良かった……」
「それが……貴方の全てだとでもいうの?」
「その通り……理解なんてできないだろう? それこそが真理だ……違う民族同士が分かり合う事なんて絶対にない……」
私は……否定したくでもできなかった。
彼女の言っていることに……理解ができなかったからだ。
「おい! お前! もう終わりだ! 大人しく俺たちの仲間になれよ!」
「……仲間?」
沈黙の中、クロムはアルゴに向かってそう叫んだ。
「そう! 仲間! 俺がお前に……この世界のピカピカ教えてやるよ!」
「何を言っている?」
「だって、お互いに戦って、勝敗が付いただろ? 全てが終われば仲間! 違うか?」
クロムは……笑顔でそう語り掛けるも……アルゴの表情は……険しくなる一方だった。
「仲間だと? ふざけるな! 私は……ラブカルドの意思を継ぐ……それ以外は考えておらぬ! 貴様ら探索者風情の仲間など……こっちから願い下げだ……」
アルゴはそう言うと……よろけながら玉座に向かい……座り込んだ。
「貴様らの戦いに対しては誉め言葉を送ってやる……だが……お前らもここで終わりだ」
「……なんだって?」
一体何を言っているのであろうか? もう瀕死で、勝負はついた……なのに、まだ勝ち筋があるとでも?
そんなことを考えていると……奴は何やら呪詛を唱え始めた。
小声で何を言っているのかわからなかったが……何か嫌な予感はしていた。
「……まずい」
「……キセノン?」
「あの呪文……ここを……崩壊させる気!」
「……えぇ!?」
ま、まずい! 早く逃げなきゃ!
「……『ディスペル』!」
奴が呪文を唱えると……地震のように城が揺れ始めた。
キセノンは出口を蹴り飛ばし、道を作った。
「……みんな! 早く出口へ!」
「クソ……早く行くぜ!」
「しゃ、しゃあない! はよう逃げな!」
わ、私も逃げなきゃ……で、でも……。
「ルリルリ! 早く!」
「で、でも……アルゴは……」
アルゴはその場から動くことなく……不気味に笑い続けていた。
「もうバリ時間が無いよ! 早くしないと!」
「……くっ」
私はリンに引っ張られ、出口へと走った。
「ふふふふふ……ラブカルドに……栄光あれええええええええええええ!!」
……部屋を後にする中、後ろからそんな声が鳴り響いた。
リンが指を差した先……そこに、アルゴが倒れこんでいた。
私は思わず、アルゴに向かって走った。
「……大丈夫?」
その場に屈み……私は手を差し伸べた。
いくら敵とは言っても……殺す権限は私たちにはない。
善意で手を伸ばしたつもりだったのだが……彼女は、私の手を弾き返した。
「……いらぬ! 折角の善意を棒に振る馬鹿どもの助けなど!」
……ここでふと、私はこれまで気になっていた事を聞いた。
「……ねぇ、貴方は何故……ダンジョンを?」
そうだ、ここまでの大規模な事……もっと有効に使うことだってできるはずだ。
何故だろうか? リン達の世界には昔から存在していて……そして今、世界を重ね合わせて混乱に陥れて……そんなに長い時間を掛ける中で、なにか思い立ったりはしなかったのだろうか?
そんな質問をすると……彼女は腕を抑えながら立ち上がり……不気味な笑みを浮かべて立ち上がった。
「……そんなもの、ただ世界を支配するための手段だ、私は世界を統一できさえすればそれでいい……たとえどんなに時間が掛かろうと……回りくどかろうと……全てがラブカルドにさえなれば、それで良かった……」
「それが……貴方の全てだとでもいうの?」
「その通り……理解なんてできないだろう? それこそが真理だ……違う民族同士が分かり合う事なんて絶対にない……」
私は……否定したくでもできなかった。
彼女の言っていることに……理解ができなかったからだ。
「おい! お前! もう終わりだ! 大人しく俺たちの仲間になれよ!」
「……仲間?」
沈黙の中、クロムはアルゴに向かってそう叫んだ。
「そう! 仲間! 俺がお前に……この世界のピカピカ教えてやるよ!」
「何を言っている?」
「だって、お互いに戦って、勝敗が付いただろ? 全てが終われば仲間! 違うか?」
クロムは……笑顔でそう語り掛けるも……アルゴの表情は……険しくなる一方だった。
「仲間だと? ふざけるな! 私は……ラブカルドの意思を継ぐ……それ以外は考えておらぬ! 貴様ら探索者風情の仲間など……こっちから願い下げだ……」
アルゴはそう言うと……よろけながら玉座に向かい……座り込んだ。
「貴様らの戦いに対しては誉め言葉を送ってやる……だが……お前らもここで終わりだ」
「……なんだって?」
一体何を言っているのであろうか? もう瀕死で、勝負はついた……なのに、まだ勝ち筋があるとでも?
そんなことを考えていると……奴は何やら呪詛を唱え始めた。
小声で何を言っているのかわからなかったが……何か嫌な予感はしていた。
「……まずい」
「……キセノン?」
「あの呪文……ここを……崩壊させる気!」
「……えぇ!?」
ま、まずい! 早く逃げなきゃ!
「……『ディスペル』!」
奴が呪文を唱えると……地震のように城が揺れ始めた。
キセノンは出口を蹴り飛ばし、道を作った。
「……みんな! 早く出口へ!」
「クソ……早く行くぜ!」
「しゃ、しゃあない! はよう逃げな!」
わ、私も逃げなきゃ……で、でも……。
「ルリルリ! 早く!」
「で、でも……アルゴは……」
アルゴはその場から動くことなく……不気味に笑い続けていた。
「もうバリ時間が無いよ! 早くしないと!」
「……くっ」
私はリンに引っ張られ、出口へと走った。
「ふふふふふ……ラブカルドに……栄光あれええええええええええええ!!」
……部屋を後にする中、後ろからそんな声が鳴り響いた。
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