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最終章 全員で一つの探索隊

第354話 「諦めない!」

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「中々健闘しているようだが……無駄な抵抗だ、大人しく諦めろ……その方が楽しく暮らせる、お前らに不利益などはないと言っているのだぞ? なのになぜ抵抗する?」

 諦める……だって?
 私はその言葉を聞き……何かに突き動かされたかのように、奴に向かって歩き出した。

「私たちは……諦めない! 絶対にだ!!」
「何故だ? 何故お前らは差別や迫害が蔓延る世界を望む? 誰も異世界の民など認めない、異世界の奴らも奴らだ、奴らは生き残るために盗みを働き、時に人も殺す……こんな奴らと共存できるとでも?」
「確かに、共存を望まない人だっている! それは仕方がない事……でも! お互いに認められるようにすれば、完全な共存は無理でも、理解はしあえるかもしれない!」

 そうだ、完全な共存は無理かもしれない、一つ屋根の下に暮らしている私たちは特殊な事例だ。
 でも、認められるようにお互いに努力すれば、共存は無理でも、理解はしあえるかもしれない。

「ははは! 馬鹿な奴だ……理解はしあえる? 笑わせてくれる! 努力したところで、全員が理解するとでも?」
「バリ捻くれてるよ……貴方」
「何?」
「別に……全員が理解しなくても、アタシは構わない!」

 リンは奴に目掛けて啖呵を切った。

「アタシは……ルリルリやハクハク……そして親衛隊の皆……理解してくれる人が1人でもいてくれたら、それでいい!」
「ウチもや! みんながいてくれたらそれでええ!」
「最初から全員が理解してくれるとは思わねぇさ!」
「1人から……2人……そうやって……少しずつ……増やしていく……全員は……無理でも……多かったら……それでいい!」

 みんなの言う通り……今は1人でも2人でもいい、全員は無理でも、少しずつ増やしていけばいい。
 私も……みんなが理解されるように頑張る!

「そうか……ならば、その希望もここでおしまいだ……貴様らはここで海の藻屑となれ!!」

 奴は気合を入れ、拳に黒い光が溜まっているのが分かった。
 どうやらあの一撃で私たちをやる気らしい……ど、どうすれば……
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