現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた

最終章 全員で一つの探索隊

第333話 狙撃

　飛び始めて早数十分……ようやく海が見えてきた。
　時間の割にはあっという間だったかな……。

『おおおお！　アレが目的の灯台かな？』

　リンの目には灯台が見えているらしい……流石は驚異的な視力……。

『ほな、はよう行きましょ』
『うん……』

　……私は先ほどの慧ちゃんの占いの結果が気がかりだった。
　……突破として、予想もしない強敵が現れるかもしれない……そう思うと、ついつい周りを警戒してしまう……。

『瑠璃ちゃん……心配……しなくても……私達なら……大丈夫だよ』
『……キセノン』

　キセノンは私の考えを読むと……優しい声で励ましてくれた。
　そうだね……私達なら……きっと……。

『……ッ！？　おい！　下からなんか攻撃来てるぞ！』
『え！？』

　突然、クロムが大声を上げ、横に大きく動いた。
　私たちが飛んでいた場所……そこには、巨大な光の玉が通過していった。

『つ、続けざまに来てない！？　バリ危ないよ！！』

　リンの目には、次の攻撃が見えているようだ……確かに、これは危険だ！　早く避けなきゃ……。

『リン！　攻撃の出どころ、分かる？』
『うーんと……あそこの大きい建物だね！』

　リンの視線の先……そこは……巨大なビルだった。
　あそこ……もしかして、市役所？　比較的高台に立っているように見えるし……。

『どうしよう……このまま向かう？』
『わ、罠だったらどうすんだよ！』
『う、うーん……』

　ゴルドの言い分はもっともだ、罠だったら……。

『せ、せやけど、このまま進んでてもやられるだけやで！』
『そ、そうだね……このままだと、狙撃されるのも時間の問題だよ！』
『私も……先に……アレ……なんとか……した方が……良いと思う』

　そうだ、どっちみち、アレを何とかしないと先に進めない……。

『よっしゃ！　なら早く何とかしようぜ！　あそこに向かえばいいんだろ？』
『う、うん……』
『よーし！　俺たちは無敵だ！　きっと勝てるぜ！　行こう！！』

　クロムは全速力で、市役所へと降下していった。