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第12章 戦いの結末は、探索者たちが決める!

第317話 会見を終えて

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「よし、ここまででいいだろう、配信は止めたか?」
「はい、止めました! 同接者5万人、成功ですね、陛下」
「うむ!」

 配信は約30分、少々短いが、呼びかけとしては長い方であろう……同接者5万人か、ネット配信は観ない方だが、かなり多いというのは分かる。
 ふと携帯を開いてみると、ネットニュースで大見出し記事となっていた。

『速報 自称サンルート人の国王が声明発表「日本人として戦え」』

 記事には配信画面に映っていたダイヤさんと、モザイク処理されている私たちが映し出されていた。

『自称サンルート人の指導者、『ダイヤ・サンルート』を名乗る人物が、協力者と思われるサンルート人と日本人と共にインターネット上で声明発表した、指導者を名乗る人物は「現在、日本は危機的状況、日本国旗を掲げ、日本人として戦え」などと発表しました、政府関係者によりますと、「この人物がサンルートの指導者かどうかはわからない」と……』

 ……記事内は、まだ明確にされていない部分が多いようだ。
 まぁ無理もないか……。

『これが害獣の長か』
『指導者なら害獣どもを全員引き取れや、迷惑してんだよこっちは』

 ……コメント欄では案の定、差別的なことを書く奴もいたけど。

『今ヤバい状況なのによくそんなこと言えるよな』
『この期に及んで差別的なこと書いてる奴一回冷静になれよ』

 とまぁ、擁護してくれるコメントもぼちぼち見られた。

「よし! みんな!」

 スマホを閉じ、私はみんなに集合を掛けた。

「今から私たちが向かう場所……」
「……犬吠埼灯台に行くんだね、瑠璃ちゃん」

 叔母さんが説明しようとした私を遮り、私の手を掴んできた。

「……叔母さん」

 私は叔母さんの気持ちを察していた。
 今から敵の本丸に行く、私が叔母さんの立場だったら、恐らく同じ気持ちになるだろう。

「……みんな、よく聞いて……絶対に……『全員で帰ってくること』! これを約束してほしいね!」

 叔母さんはリン達に向かって、そう呼び掛けた。
 叔母さんの言葉を聞くと、真っ先にゴルドが飛び込んだ。

「琥珀さん!」
「ご、ゴルド?」
「ワシ……絶対に戻ってきます! 琥珀さんのため……みんなのため……サンルートの……いや、日本の同胞のために!」
「……ゴルド」

 叔母さんはゴルドを受け止めると、安心させるように頭を撫でた。
 もう、子どもじゃないんだから……。
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