374 / 424
第12章 戦いの結末は、探索者たちが決める!
第314話 王の呼びかけ
しおりを挟む
「聞こえるか!! サンルートの民よ!! 余はサンルートの……『元国王』!! ダイヤ・サンルートである!!」
ダイヤさんの声は、休憩室の中に大きく響いた。
その声は普段聞いていた落ち着いた声とは違い、威厳のある……まるで、猛獣の雄叫びを聞いているような感覚だった。
「サンルートの民よ!! よく聞け!! 今、この地は……滅亡の危機に晒されておる!! 海底帝国ラブカルドが……この地の中心部に攻めてきているのだ!! ……全てのサンルートの民よ、サンルートの歴史を思い出せ!! 我々サンルートの先祖は、民族が一丸となって、ラブカルドを制した!! 今その歴史が、再び繰り返そうとしておるのだ!!」
……そういえば、そんな歴史があるって聞いたな。
「そなたらはまだ混乱しているのであろう……突如別の土地に転移し、そこの民に罵詈雑言を言われ、軽蔑の目を向けられた……だが、もう時間は戻らぬ……サンルートは、もうここには存在していない!!」
……サンルートは存在しない、か。
ふと、リン達を見ると、悲しい目をしていた……だが同時に、何かを決意したような顔をしていた。
「だが……ただ消えたわけではない! サンルートは……『日本』へと生まれ変わったのだ!! これからそなたらは……『日本の一員』として、これから生きよ!! ……もちろん、困難はあるだろう、認めてもらうのには時間が掛かるだろう!! だが、何もせず、ましてや今を生きる日本の民に迷惑を掛けたのならば……その時は、必ず神からの神罰が来ると思え!!」
ダイヤさんはカメラに向かって、今まで見せたことのない険しい顔で訴えた。
す、凄い……なんか、言葉が出ないよ、私。
「余も、最初は認めてもらえなかった……余は今、日本の商店の運営を任されておるが……日本の民からは、罵声を浴びせられ、時には石を投げられることもあった……だが、同時に、感謝の言葉を述べてくれる民、支援をしてくださる民もいた……余は思った、『今は蔑まされていても、民の為に何かをやれば認めてもらえる』と……」
……そっか、確かに最初から上手く行くなんてことはない。
私も、異世界を認めてもらえるのには時間が掛かった……でも今は、みんなから認められた。
時間は掛かるかもしれない、でも、いつかは認められるかもしれない……か。
ダイヤさんの声は、休憩室の中に大きく響いた。
その声は普段聞いていた落ち着いた声とは違い、威厳のある……まるで、猛獣の雄叫びを聞いているような感覚だった。
「サンルートの民よ!! よく聞け!! 今、この地は……滅亡の危機に晒されておる!! 海底帝国ラブカルドが……この地の中心部に攻めてきているのだ!! ……全てのサンルートの民よ、サンルートの歴史を思い出せ!! 我々サンルートの先祖は、民族が一丸となって、ラブカルドを制した!! 今その歴史が、再び繰り返そうとしておるのだ!!」
……そういえば、そんな歴史があるって聞いたな。
「そなたらはまだ混乱しているのであろう……突如別の土地に転移し、そこの民に罵詈雑言を言われ、軽蔑の目を向けられた……だが、もう時間は戻らぬ……サンルートは、もうここには存在していない!!」
……サンルートは存在しない、か。
ふと、リン達を見ると、悲しい目をしていた……だが同時に、何かを決意したような顔をしていた。
「だが……ただ消えたわけではない! サンルートは……『日本』へと生まれ変わったのだ!! これからそなたらは……『日本の一員』として、これから生きよ!! ……もちろん、困難はあるだろう、認めてもらうのには時間が掛かるだろう!! だが、何もせず、ましてや今を生きる日本の民に迷惑を掛けたのならば……その時は、必ず神からの神罰が来ると思え!!」
ダイヤさんはカメラに向かって、今まで見せたことのない険しい顔で訴えた。
す、凄い……なんか、言葉が出ないよ、私。
「余も、最初は認めてもらえなかった……余は今、日本の商店の運営を任されておるが……日本の民からは、罵声を浴びせられ、時には石を投げられることもあった……だが、同時に、感謝の言葉を述べてくれる民、支援をしてくださる民もいた……余は思った、『今は蔑まされていても、民の為に何かをやれば認めてもらえる』と……」
……そっか、確かに最初から上手く行くなんてことはない。
私も、異世界を認めてもらえるのには時間が掛かった……でも今は、みんなから認められた。
時間は掛かるかもしれない、でも、いつかは認められるかもしれない……か。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI


とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる