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第12章 戦いの結末は、探索者たちが決める!
第300話 クロム
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「そんなわけだ、ま、オレが言いたいのは、とりあえず……あの女を殺してやりたいってだけだ」
「殺したい? アンタ……何を言って……」
「おい、その『アンタ』って言い方やめろ、そんな呼び方すんじゃねぇ」
「じゃあ何て呼べばいいのよ……」
この子、私の分身って言ったよね? 私ってこんな図々しい一面あるんだ……なんか恥ずかしい。
「とりあえずなんか名前を付けろ、なんでもいい」
う、うーん……そうだなぁ……確か、今まであった異世界の人……アリスさん以外はみんな鉱石の名前みたいだよね。
だったら……。
「……『クロム』って呼んでいい?」
クロム……レアメタルの一種だ。
せっかく名前を付けるなら、言いやすくてかっこいい名前の方がいいだろう。
「クロムか……流石はオレ、良い名前つけるねぇ」
「自画自賛?」
「まぁいい、とりあえずオレの事はクロムって呼べ」
少女……クロムは名前に納得すると、再び胡坐をかいた。
「……で、オレの要求はただ1つ……あの女を連れてこい」
「……それは却下」
「何故だ?」
「何故って……」
何故も何も、連れてきたら母さんはこいつに殺される。
「何度も言うが、オレはお前だ。オレの考えはお前の考え、わかるか?」
「……私の考え? 私が……母さんを手に掛けたいって言うの?」
「あぁ……心の中ではそう思ってんだろ? あいつはお前をくらーい物置に閉じ込めた……やりがいのあることをやらせてもらえなかった……考えを否定された……挙句、大人になっても付きまとわれて、連れ出そうとした……」
「……」
「そんなクソみたいな奴……殺しちまった方が早いだろ? なぁ? オレ、間違ったこと言ってるか? あの女は今おねんね中だが、目が覚めたら再びお前の壁となる……そんなクソみたいな壁は、ぶっ壊すに限るんだよ」
否定したかった……でも、今の私にはできなかった。
私は……心の底で、母さんを恨んでいる、殺したいと思っている。
母さんが再び目を開けたら……また何かを言ってきて、連れ出そうとするかもしれないと思っている……。
私は……私は……。
「……違う……そんなの、バリ違うよ!!」
突然、リンの怒号が地下室に響き渡った。
「殺したい? アンタ……何を言って……」
「おい、その『アンタ』って言い方やめろ、そんな呼び方すんじゃねぇ」
「じゃあ何て呼べばいいのよ……」
この子、私の分身って言ったよね? 私ってこんな図々しい一面あるんだ……なんか恥ずかしい。
「とりあえずなんか名前を付けろ、なんでもいい」
う、うーん……そうだなぁ……確か、今まであった異世界の人……アリスさん以外はみんな鉱石の名前みたいだよね。
だったら……。
「……『クロム』って呼んでいい?」
クロム……レアメタルの一種だ。
せっかく名前を付けるなら、言いやすくてかっこいい名前の方がいいだろう。
「クロムか……流石はオレ、良い名前つけるねぇ」
「自画自賛?」
「まぁいい、とりあえずオレの事はクロムって呼べ」
少女……クロムは名前に納得すると、再び胡坐をかいた。
「……で、オレの要求はただ1つ……あの女を連れてこい」
「……それは却下」
「何故だ?」
「何故って……」
何故も何も、連れてきたら母さんはこいつに殺される。
「何度も言うが、オレはお前だ。オレの考えはお前の考え、わかるか?」
「……私の考え? 私が……母さんを手に掛けたいって言うの?」
「あぁ……心の中ではそう思ってんだろ? あいつはお前をくらーい物置に閉じ込めた……やりがいのあることをやらせてもらえなかった……考えを否定された……挙句、大人になっても付きまとわれて、連れ出そうとした……」
「……」
「そんなクソみたいな奴……殺しちまった方が早いだろ? なぁ? オレ、間違ったこと言ってるか? あの女は今おねんね中だが、目が覚めたら再びお前の壁となる……そんなクソみたいな壁は、ぶっ壊すに限るんだよ」
否定したかった……でも、今の私にはできなかった。
私は……心の底で、母さんを恨んでいる、殺したいと思っている。
母さんが再び目を開けたら……また何かを言ってきて、連れ出そうとするかもしれないと思っている……。
私は……私は……。
「……違う……そんなの、バリ違うよ!!」
突然、リンの怒号が地下室に響き渡った。
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