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第12章 戦いの結末は、探索者たちが決める!
第299話 もう一人の瑠璃
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「俺は……『お前』だよ、瑠璃」
「……私? っていうか……なんで私の名前を?」
「……知りたいか? なら、こっちに来い」
女の子は降り片手を伸ばし、こちらに誘い込んできた。
「だ、ダメだよルリルリ! 何されるか分からないじゃない!」
リンは、檻に向かう私を制止するように、私の腕を掴んだ。
確かに危険だ……でも。
『キセノンたちはお前の為に命張ったんだ! それに報いるためにも行ってこい!!』
『ゴルド殿の言う通りだ……余たちのためにも……行ってくれ』
このために犠牲になったキセノンやアリスさん、ダイヤさんの為にも……行かなければならない……そう考えた。
私は一歩ずつ、少女に向かって歩き出した。
少女の目と鼻の先に着き……私は息を飲んだ。
すると少女は、檻から手を伸ばし、私の胸ぐらを掴んだ。
そのまま引き寄せられ、私は鉄格子に叩きつけられた。
「ルリルリ!?」
「だ、大丈夫……リンはそのままいて」
リンがこちらに向かおうとするも、私は制止させた。
少々怖いが……ここは私がやらなきゃ。
「ふふふ……流石はもう一人の俺……少しは肝が据わってるな」
「言っている意味がよくわからないけど……もしも私がアンタだって言うなら……分身はアンタだよ」
「……言うねぇ」
私たちはお互いに譲らず、睨みつけ合った。
私は正直……怖くて目が少々泳いでいたけど。
しばらくして、少女は私を離した。
「……俺はな、お前の憎しみを吸収して、それを実体化させたような生命体だ」
「……どういうこと?」
「オレは海底の深くで作られたんだよ、そして、お前の憎しみを食べろと命令された」
「……誰に?」
「分かってんだろ? ……ラブカルドだよ」
ラブカルド……海底帝国ラブカルドか。
「それで……キセノンたちに体を与えられたの?」
「あぁ……あいつらに『人化の魔法』を掛けられて、こんな姿になった」
「……人化の魔法?」
言葉から察するに、その名の通り、人の姿にする魔法という事だろうか?
「……アタシは反対したんだよ、ルリルリ」
「リンは知ってたの?」
「うん、ノンノンが『人化の魔法を使って話をできるようにする』って提案して……」
「なるほど……」
「でも、その魔法を使うのは、バリ体力を使うし、相当な魔法の使い手じゃないとできない……」
確かに、キセノンたち3人はその弊害からか、かなり疲弊していた。
特にアリスさんはほとんど瀕死の状態だった。
「でもそこまでしても話が通じるとは……」
「アタシもそう思って反対したんだけど、3人がやるって言うから……」
「……」
まぁ、何もしないよりかはマシだけど、それでも……なんかなぁ。
「……私? っていうか……なんで私の名前を?」
「……知りたいか? なら、こっちに来い」
女の子は降り片手を伸ばし、こちらに誘い込んできた。
「だ、ダメだよルリルリ! 何されるか分からないじゃない!」
リンは、檻に向かう私を制止するように、私の腕を掴んだ。
確かに危険だ……でも。
『キセノンたちはお前の為に命張ったんだ! それに報いるためにも行ってこい!!』
『ゴルド殿の言う通りだ……余たちのためにも……行ってくれ』
このために犠牲になったキセノンやアリスさん、ダイヤさんの為にも……行かなければならない……そう考えた。
私は一歩ずつ、少女に向かって歩き出した。
少女の目と鼻の先に着き……私は息を飲んだ。
すると少女は、檻から手を伸ばし、私の胸ぐらを掴んだ。
そのまま引き寄せられ、私は鉄格子に叩きつけられた。
「ルリルリ!?」
「だ、大丈夫……リンはそのままいて」
リンがこちらに向かおうとするも、私は制止させた。
少々怖いが……ここは私がやらなきゃ。
「ふふふ……流石はもう一人の俺……少しは肝が据わってるな」
「言っている意味がよくわからないけど……もしも私がアンタだって言うなら……分身はアンタだよ」
「……言うねぇ」
私たちはお互いに譲らず、睨みつけ合った。
私は正直……怖くて目が少々泳いでいたけど。
しばらくして、少女は私を離した。
「……俺はな、お前の憎しみを吸収して、それを実体化させたような生命体だ」
「……どういうこと?」
「オレは海底の深くで作られたんだよ、そして、お前の憎しみを食べろと命令された」
「……誰に?」
「分かってんだろ? ……ラブカルドだよ」
ラブカルド……海底帝国ラブカルドか。
「それで……キセノンたちに体を与えられたの?」
「あぁ……あいつらに『人化の魔法』を掛けられて、こんな姿になった」
「……人化の魔法?」
言葉から察するに、その名の通り、人の姿にする魔法という事だろうか?
「……アタシは反対したんだよ、ルリルリ」
「リンは知ってたの?」
「うん、ノンノンが『人化の魔法を使って話をできるようにする』って提案して……」
「なるほど……」
「でも、その魔法を使うのは、バリ体力を使うし、相当な魔法の使い手じゃないとできない……」
確かに、キセノンたち3人はその弊害からか、かなり疲弊していた。
特にアリスさんはほとんど瀕死の状態だった。
「でもそこまでしても話が通じるとは……」
「アタシもそう思って反対したんだけど、3人がやるって言うから……」
「……」
まぁ、何もしないよりかはマシだけど、それでも……なんかなぁ。
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