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第11章 探索者、オンステージ!
第287話 憎い
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「ぐわあああああああああ!! く、苦しい……」
猛獣が瑠璃の腕輪に嚙みつき、苦しみだした。
「瑠璃ちゃん!」
「るり姉!!」
琥珀と翡翠は、苦しむ瑠璃に声を掛けるも、瑠璃は苦しみのあまり、その声が聞こえなかった。
『ジグザク……猛獣ロード……キマイラ……シーカー!!』
腕輪から、そんな不気味な音声が流れ、瑠璃はの体は暗闇に包まれた。
暗闇が辺りを覆い、安全地帯にいた面々は、辺りが見えなくなっていた。
「るり姉……どこ?」
「瑠璃ちゃん! 大丈夫かい!?」
「ルリルリ!」
「瑠璃はん!」
「瑠璃!」
「瑠璃……ちゃん!」
探索者たちは、瑠璃の叫ぶも、応答はなかった。
しかし、彼女の姿は、すぐに拝むことができた。
暗闇が晴れ、瑠璃の姿が露わになるも……その姿は、先程までの姿とはまるで違っていた。
「る……瑠璃さん……」
「なんだ……あの姿……」
「あれが……瑠璃殿?」
「まるで……猛獣みたいです」
瑠璃は、探索者の赤き鎧に、動物の毛皮を巻き付けたかのような姿をしていた。
顔を隠すマスクも、イノシシのような牙と獲物を狙うかのような鋭い目をしていた。
「……憎い」
猛獣と化した瑠璃は、ただ一言、そう呟いた。
「る、瑠璃? だ、大丈夫ですか?」
瑠璃の母、亜子は、実の娘の変わり果てた姿に、驚きを隠せなかった。
亜子は、瑠璃に声を掛けるも、瑠璃は思わぬ形で答えた。
瑠璃は刀を上げた。
「あ、あぶない!! 転生!」
リンは危険を察し、桃色の戦士、エルフシーカーに変身した。
猛獣となった瑠璃は、刀を思い切り振り下ろした。
「きゃああああああ!!」
「ぐわあああああ!!」
斬撃がリンと亜子に命中してしまった。
「はぁ……はぁ……憎い……憎い!!」
瑠璃は、我を忘れ、刀を振り回し始めた。
その姿はまるで、見えない何かと戦っているようだった。
「瑠璃殿すまぬ! 『バインドマキシマム!!』」
ダイヤが杖を振ると、地面がから輝く鎖が生え、瑠璃を巻き付けた。
「……2人とも!」
「大丈夫かいな!?」
キセノンとラピスがその隙にリンと亜子を連れ出した。
「リンちゃん……大丈夫?」
「あ、アタシは大丈夫……それよりもルリルリのお母さんが……」
亜子の足からは緋色の鮮血が流れ出ていて、その怪我の重さを物語っていた。
猛獣が瑠璃の腕輪に嚙みつき、苦しみだした。
「瑠璃ちゃん!」
「るり姉!!」
琥珀と翡翠は、苦しむ瑠璃に声を掛けるも、瑠璃は苦しみのあまり、その声が聞こえなかった。
『ジグザク……猛獣ロード……キマイラ……シーカー!!』
腕輪から、そんな不気味な音声が流れ、瑠璃はの体は暗闇に包まれた。
暗闇が辺りを覆い、安全地帯にいた面々は、辺りが見えなくなっていた。
「るり姉……どこ?」
「瑠璃ちゃん! 大丈夫かい!?」
「ルリルリ!」
「瑠璃はん!」
「瑠璃!」
「瑠璃……ちゃん!」
探索者たちは、瑠璃の叫ぶも、応答はなかった。
しかし、彼女の姿は、すぐに拝むことができた。
暗闇が晴れ、瑠璃の姿が露わになるも……その姿は、先程までの姿とはまるで違っていた。
「る……瑠璃さん……」
「なんだ……あの姿……」
「あれが……瑠璃殿?」
「まるで……猛獣みたいです」
瑠璃は、探索者の赤き鎧に、動物の毛皮を巻き付けたかのような姿をしていた。
顔を隠すマスクも、イノシシのような牙と獲物を狙うかのような鋭い目をしていた。
「……憎い」
猛獣と化した瑠璃は、ただ一言、そう呟いた。
「る、瑠璃? だ、大丈夫ですか?」
瑠璃の母、亜子は、実の娘の変わり果てた姿に、驚きを隠せなかった。
亜子は、瑠璃に声を掛けるも、瑠璃は思わぬ形で答えた。
瑠璃は刀を上げた。
「あ、あぶない!! 転生!」
リンは危険を察し、桃色の戦士、エルフシーカーに変身した。
猛獣となった瑠璃は、刀を思い切り振り下ろした。
「きゃああああああ!!」
「ぐわあああああ!!」
斬撃がリンと亜子に命中してしまった。
「はぁ……はぁ……憎い……憎い!!」
瑠璃は、我を忘れ、刀を振り回し始めた。
その姿はまるで、見えない何かと戦っているようだった。
「瑠璃殿すまぬ! 『バインドマキシマム!!』」
ダイヤが杖を振ると、地面がから輝く鎖が生え、瑠璃を巻き付けた。
「……2人とも!」
「大丈夫かいな!?」
キセノンとラピスがその隙にリンと亜子を連れ出した。
「リンちゃん……大丈夫?」
「あ、アタシは大丈夫……それよりもルリルリのお母さんが……」
亜子の足からは緋色の鮮血が流れ出ていて、その怪我の重さを物語っていた。
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