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第11章 探索者、オンステージ!
第284話 母の行動
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「……ね? 凄いでしょ?」
「それは……本当に凄いね!」
私は2人から、ブレイクダンスの世界大会について聞いた。
2人がそんな凄い大会で優勝できたなんて……まぁ、あのダンスの技術なら当然とも言えるかも。
「あ、ああああああ、あの! み、みみみみみ、美月さん、蛍さん! お、お2人の戦いぶり、とても良かったです!」
「ほんと?」
「は、はははははは、はい! お2人の事がより一層好きになりました!」
「あはは、ありがと」
……ん? より一層?
「あぁ、瑠璃はん、この子、この2人の大ファンなんやて」
「へー……」
なんか、慧ちゃん、見たことないくらい興奮してる気がする。
「……ところで、あのルリルリのお母さん……さっきから向こうで座り込んでるけど、どうする?」
「いや、どうするって……」
母さんは談笑する私たちから離れるように、遠くで黄昏ていた。
なんだろう、話し掛けちゃいけない雰囲気を漂わせている……。
「ちょっと姉さん! 瑠璃ちゃんたちに助けてもらったんでしょ? 何か言う言葉は無いのかい?」
気まずい雰囲気の中、叔母さんが大声で母さんを呼びつけた。
いやいや、いくらなんでもそれは……。
「叔母さん、今はそっとしておいてあげなよ」
「いやいや! 散々瑠璃ちゃんを邪険に扱っていたくせに、いざ助けてもらったらあれってのは、ちょっと私は納得いかないよ」
「いいよ別に、お礼を言われたくて助けてわけじゃないしさ」
「う、うーん……でもねぇ」
叔母さんの気持ちはとても嬉しいけど、母さんにも母さんなりの気持ちというのがあるわけだし、いくら憎たらしくても尊重してあげたほうがいいと私は思う。
ましてや、あの人が「ありがとう」なんて言葉を言うなんてほぼあり得ないしさ。
……と、最初はそう考えていた……のだが。
「……え?」
母さんが立ち上がり、真剣な表情で、私たちの方へ向かって来た。
な、何を言うつもりなのだろうか……。
「……瑠璃、それに琥珀」
「……はい?」
……息を飲み、母さんの言葉を受け入れる準備を整えた私たちは、きっと何かくだらない事を言うのだろうと最初は思った。
だが、彼女は予想外の行動に出た。
「……え?」
「それは……本当に凄いね!」
私は2人から、ブレイクダンスの世界大会について聞いた。
2人がそんな凄い大会で優勝できたなんて……まぁ、あのダンスの技術なら当然とも言えるかも。
「あ、ああああああ、あの! み、みみみみみ、美月さん、蛍さん! お、お2人の戦いぶり、とても良かったです!」
「ほんと?」
「は、はははははは、はい! お2人の事がより一層好きになりました!」
「あはは、ありがと」
……ん? より一層?
「あぁ、瑠璃はん、この子、この2人の大ファンなんやて」
「へー……」
なんか、慧ちゃん、見たことないくらい興奮してる気がする。
「……ところで、あのルリルリのお母さん……さっきから向こうで座り込んでるけど、どうする?」
「いや、どうするって……」
母さんは談笑する私たちから離れるように、遠くで黄昏ていた。
なんだろう、話し掛けちゃいけない雰囲気を漂わせている……。
「ちょっと姉さん! 瑠璃ちゃんたちに助けてもらったんでしょ? 何か言う言葉は無いのかい?」
気まずい雰囲気の中、叔母さんが大声で母さんを呼びつけた。
いやいや、いくらなんでもそれは……。
「叔母さん、今はそっとしておいてあげなよ」
「いやいや! 散々瑠璃ちゃんを邪険に扱っていたくせに、いざ助けてもらったらあれってのは、ちょっと私は納得いかないよ」
「いいよ別に、お礼を言われたくて助けてわけじゃないしさ」
「う、うーん……でもねぇ」
叔母さんの気持ちはとても嬉しいけど、母さんにも母さんなりの気持ちというのがあるわけだし、いくら憎たらしくても尊重してあげたほうがいいと私は思う。
ましてや、あの人が「ありがとう」なんて言葉を言うなんてほぼあり得ないしさ。
……と、最初はそう考えていた……のだが。
「……え?」
母さんが立ち上がり、真剣な表情で、私たちの方へ向かって来た。
な、何を言うつもりなのだろうか……。
「……瑠璃、それに琥珀」
「……はい?」
……息を飲み、母さんの言葉を受け入れる準備を整えた私たちは、きっと何かくだらない事を言うのだろうと最初は思った。
だが、彼女は予想外の行動に出た。
「……え?」
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