現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた

立風館幻夢/夜野一海

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第11章 探索者、オンステージ!

第278話 母の前で名乗り

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「それじゃ、行くよ!」

 私たちは「転生」と掛け声を叫び、色とりどりの装甲を身に纏った。

『転生! 天下御免の探索者! ヒューマンシーカー!!』
『転生! ダンジョン探索は気力だ! ヴァンパイアシーカー!』
『転生! よっしゃ射抜いてラッキー! エルフシーカー!』
『転生! 踊るぜー止めてみな! サキュバスシーカー!』
『転生! でっかくなっても全力全開! ドワーフシーカー!』

 やかましい音声と共に、私たちは変身をした。
 よし、ここは気合を入れるためにも、名乗りを言いますか! 久々だしね!

「異界の探索者! ヒューマンシーカー、瑠璃!」
「射抜く探索者! エルフシーカー、リン!」
「美しき探索者! サキュバスシーカー、ラピス!」
「剛力の探索者! ドワーフシーカー、ゴルド!」
「鍛える探索者……ヴァンパイアシーカー……キセノン」
「「「「「ダンジョンを迅速にデリート!!」」」」」
「ダンジョン探索隊……「「「「アナザーワールズ!!」」」」」

 よし、決まった……。

「な、なんですって? 瑠璃、なんてはしたない……」
「今なんて言った!? はしたないって言ったよね! ルリルリに向かって!!」
「あ、いや……」

 リンは母さんの言葉が癪に障ったらしい……ここは止めないと。

「ほらリン、そういうのは安全地帯に行ってからでいいから、行くよ!」
「うん、わかった……いい? 仮にもお母さんなら、ルリルリのやってることは尊重して! わかった!?」
「あ、はい……」

 ……リン、なんでそんなに母さんに厳しいんだろうと思ったけど、よく考えたら、リンのお母さんって、娘の重いとか知らずに色々やったんだよね……友達を殺したりとか……だからそういうのに厳しいのかな?
 そんなことを考えつつも、私は母さんの腕を掴んで安全地帯へと誘導を始めた。

「ところで、ここのダンジョンモンスターだけど、あいつらってなんなの?」
「ここの……モンスターの名前……リーパー……」
「リーパー?」

 確か収穫者とか、死神って意味だっけ?

「あいつら結構手ごわいで、あの鎌でやられたら一瞬で致命傷や」
「ただし防御は紙同然だ、少し攻撃加えりゃ消える」
「へぇー……」

 私は歩きながら、ここのモンスター……リーパーについての情報交換を行った。



「ほら見て! あそこ! 安全地帯だよ!」

 リンが指を差した先、そこは廃墟のような西洋風のお城だった。
 なんか、周りがお墓なのも相まって、本当にお化け屋敷のようだった。
 だが、そんなテーマパークにあるようなものとは違い、そう簡単には通してくれないようだった。

「あかんな、安全地帯の前を陣取ってもうてる……」
「ここは……戦う……しか……ない」
「あんな奴ら、すぐにでも蹴散らしてやるよ!」

 みんなの言う通り、ここはやるしかないね!

「母さんはあそこに隠れてて!」

 私は後ろにあった大きい墓石を指差してそう叫んだが、母は混乱しているのか、向かおうとはしなかった。

「で、でも……」
「早くして!!」
「あ、はい……」

 母が隠れたのを確認した私たちは、武器を構え、戦闘態勢に入った。

「よし、さぁ、かかってこい!! 私たちが相手だ! 行くよ!!」
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