現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた

立風館幻夢/夜野一海

文字の大きさ
上 下
327 / 424
第11章 探索者、オンステージ!

第276話 異世界人と母

しおりを挟む
「はぁ……はぁ……」

 私たちは走っていた……墓場を。
 骸骨の群れはしつこく私たちを追いかけ、鎌を構えて今にも一刀両断しそうな勢いだった。
 段々と、私が引っ張っている母の足が鈍くなっていった。

「きゃぁ!?」
「うわ!?」

 母が倒れるのと同時に、私もバランスを崩し、倒れた。
 ま、まずい……このままじゃ……やられる……。

「た、助けて……」

 母は命乞いをするように、私に近づいてきた。
 どうしよう……この体勢じゃ、まともに攻撃できない……でも、どうにかして、応戦しないと……。
 私は刀を構え、攻撃の準備を整えた。
 今はダメージを食らってもいい、とにかく、母さんを守らないと……。

「こ、こい! 私は相手だ!」

 骸骨は私たちに狙いを定め、鎌を振り下ろす。
 な、何とかして奴らに致命傷を……。

「……瑠璃はん!!」
「……瑠璃ちゃん!!」

 こ、この声は……。

「ラピス! キセノン!」
「今助けるで! おりゃああああああ!!」

 骸骨たちの後ろからラピスとキセノンが飛んできて、そのまま奴らに飛び蹴りを食らわせた。
 骸骨はそのまま崩れ落ち……煙となって消えた。

「……おまたせ……瑠璃ちゃん」
「大丈夫やったか?」
「ちょっと……大丈夫じゃない、かも」

 私は抱き着いてきている母親に目を向けた。
 2人はそれを見て察したのか、母の肩を叩いた。

「あの、大丈夫ですか?」
「もう……大丈夫……助け……来た」

 母は震えた体をゆっくりと起こし、ラピスとキセノンの方へと振り向いた。

「な、なんですか貴方達!?」
「いや、そんな怖がらんでも……ってあんたは!」
「この間……いかいや……来てた……」

 ……え? ラピスとキセノン、母さんを知っている?

「おーい! ルリルリ! 大丈夫―?」
「瑠璃! 助けに来たぜ!」
「リン! ゴルド!」

 どういうことか考えている中、リンとゴルドもこちらに走りこんできた。

「な、なんですか!? こ、今度はピンクと黄色の!?」
「あー! この人!!」
「琥珀さんを怒らせた女じゃねぇか!」

 ……え? リンとゴルドも知ってるの? ていうか叔母さんを怒らせたってどういう事?
 私たちは一度変身を解除し、顔を合わせた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

処理中です...