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第10章 営・業・再・開

第260話 親衛隊の新たな加入者

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「店長、今日はキセノンさんにドローンの受注の話をしに来たんでしょう?」
「おぉ! そうだったね! キセノン殿! ドローンはどこまで完成したかね?」
「うん……ちょっと待って……」

 キセノンは再び売り場を離れ、何かを取りに再び地下室へと向かった。
 しばらくして、キセノンは大量の発泡スチロールの箱を持ってきた。
 その圧倒的な量に、ダイヤは期待以上だと言うように拍手をした。

「おお……すごいな」
「まだ……下に……ある」
「うむ! 素晴らしい!! 素晴らしいぞキセノン殿! ジルコ! 早速転移魔法で運んでくれたまえ!」
「はい」

 ジルコは大量の発泡スチロールを持ち……転移魔法でそれを移送していった。

「そうだよ! ノン姉ちゃんはとーっても凄いんだよ!!」
「君もそう思うか!」
「うん! アタシ、ノン姉ちゃん大好き! ノン姉ちゃんを全力で応援したかったから、親衛隊ができた時とっても嬉しかった!」
「……親衛隊? それはなんだい?」

 親衛隊という聞いたことも無い言葉に、ダイヤは食いついた。

「ねぇ、ラピスさん、ずっと気になってたんだけど……そのケースに入ってるの、何?」
「ボクも気になっていました、ラピスさん、これは何ですか?」
「あぁ、これはな……さっき碧はんが言うてた親衛隊の通信デバイス……らしいで」
「し、親衛隊?」
「……ちんぷんかんぷんですね」
「……せや! 折角やし、2人も貰ったらええやん! ええやろ? キセノンはん」
「うん……余ってるから……あげる」

 キセノンは、ケースからガラケーを2つ取り出し、蛍と美月に差し出した。
 蛍と美月は流されるまま、それを手に取った。

「……で、親衛隊って何ですか?」
「あぁ、そういえばそれを説明せんとあかんな、親衛隊って言うのはな……」

 ラピスは親衛隊……正式名称「ダンジョン探索親衛隊」がどういうものなのかを蛍と美月に説明した。
 説明を聞いた2人は、納得の表情を浮かべた。

「ってことは、これを持ったってことは、私たちもその一員ってこと!?」
「まぁ、そういうことになるわな」
「やったぁ! お姉ちゃん! これで瑠璃さんやラピスさんを応援できるよ!!」
「蛍、興奮しすぎだよ……まぁ、嬉しいのはボクも同じだけどね」

 2人は携帯画面を見て、歓喜に満ちていた。

「り、りりりりりりり、リンさん! わ、わわわわ、私……」
「どうしたの? ミドミド」
「え、えーっと……えっと……」

 「親衛隊に入りたい」その一言が言えず、慧は戸惑ってしまった。
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