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第10章 営・業・再・開
第257話 ダンサーのファン
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「あれ……こ、この人たち……ど、どこかで」
「みどりちゃん? 知ってる人?」
「あ……この人たち、『Moon&Firefly』だ!! ほ、ほんものぉ!? ど、どうしよう……こ、こここここ、心の準備が……こんなの、占いの結果になかった……どうしよう、どうしよう……」
慧は美月と蛍を見るや否や、感激のあまり口を抑え興奮で四方八方に振り向いた。
「お、おい慧?」
「なんかみどちゃん、いつもと違う……」
銀次と碧は、普段の慧とは違う姿に、困惑してしまった。
「ねぇお姉ちゃん聞いた? この子私たちのファンだって!」
「ふふふ、嬉しいね」
美月と蛍は、慧と目線を合わせ、まっすぐ見つめた。
「落ち着いて、お名前教えて」
「あ、や、八木山……慧です!」
「慧ちゃんって言うんだ! いい名前だね!」
「そ、そそそそそそそそ、そんな……お二人の方がむしろ、あいや、えっと……」
「あはは、この子凄い緊張してるよ、お姉ちゃん」
「こら、蛍、笑わないの」
慧は歓喜のあまり、呂律が回らないでいた。
「なぁ、翡翠、この人たち……有名な人?」
「さぁ? 私は知らない……」
「ふ、2人とも『ムンファイ』もしらないの!? 巷では超有名なダンスユニットだよぉ!? 知らないって本当!? 嘘!?」
「いや、そこまで驚く?」
「慧ちゃん……なんか怖い」
銀次と翡翠は、慧の余りの熱狂ぶりにドン引きした。
蛍と美月は翠の肩に触れ、笑顔を見せた。
「ここまで熱狂的なファン、初めてだよ!」
「嬉しいね、どこでボクたちを知ったの?」
「ど、動画サイトです! た、たまたまダンス動画見てたらムンファイのチャンネルを見つけて、そ、それで、色んな動画見て……あ、好きな動画は『Moon&Firefly流ジャンプスタイルの踊り方』と『NATSUASOBIのイドラ踊ってみた』です! ほ、他にも踊ってみた動画全部好きで、特にシャッフルダンスの動画とか……」
「あはは、ほんとに私たちのこと好きなんだね」
「ここまで熱狂的だととても嬉しいよ」
蛍と美月は、熱く語る慧の言葉を、真摯に聞いていた。
そんな中、再びいかいやの扉が開いた。
「いらっしゃい……あら?」
琥珀は、そのお客の姿に、驚きの表情を浮かべた。
そのお客は、先程まで入店してきた子どもたちとは、かなり違った風貌をしていたからだった。
リンは、その人物の姿を見て、歓喜の表情を浮かべた。
「ひょ、ひょっとして……リスリス!?」
「こんにちは! お久しぶりです!」
入店してきた客は……猫の魔法使い、アリスだった。
「みどりちゃん? 知ってる人?」
「あ……この人たち、『Moon&Firefly』だ!! ほ、ほんものぉ!? ど、どうしよう……こ、こここここ、心の準備が……こんなの、占いの結果になかった……どうしよう、どうしよう……」
慧は美月と蛍を見るや否や、感激のあまり口を抑え興奮で四方八方に振り向いた。
「お、おい慧?」
「なんかみどちゃん、いつもと違う……」
銀次と碧は、普段の慧とは違う姿に、困惑してしまった。
「ねぇお姉ちゃん聞いた? この子私たちのファンだって!」
「ふふふ、嬉しいね」
美月と蛍は、慧と目線を合わせ、まっすぐ見つめた。
「落ち着いて、お名前教えて」
「あ、や、八木山……慧です!」
「慧ちゃんって言うんだ! いい名前だね!」
「そ、そそそそそそそそ、そんな……お二人の方がむしろ、あいや、えっと……」
「あはは、この子凄い緊張してるよ、お姉ちゃん」
「こら、蛍、笑わないの」
慧は歓喜のあまり、呂律が回らないでいた。
「なぁ、翡翠、この人たち……有名な人?」
「さぁ? 私は知らない……」
「ふ、2人とも『ムンファイ』もしらないの!? 巷では超有名なダンスユニットだよぉ!? 知らないって本当!? 嘘!?」
「いや、そこまで驚く?」
「慧ちゃん……なんか怖い」
銀次と翡翠は、慧の余りの熱狂ぶりにドン引きした。
蛍と美月は翠の肩に触れ、笑顔を見せた。
「ここまで熱狂的なファン、初めてだよ!」
「嬉しいね、どこでボクたちを知ったの?」
「ど、動画サイトです! た、たまたまダンス動画見てたらムンファイのチャンネルを見つけて、そ、それで、色んな動画見て……あ、好きな動画は『Moon&Firefly流ジャンプスタイルの踊り方』と『NATSUASOBIのイドラ踊ってみた』です! ほ、他にも踊ってみた動画全部好きで、特にシャッフルダンスの動画とか……」
「あはは、ほんとに私たちのこと好きなんだね」
「ここまで熱狂的だととても嬉しいよ」
蛍と美月は、熱く語る慧の言葉を、真摯に聞いていた。
そんな中、再びいかいやの扉が開いた。
「いらっしゃい……あら?」
琥珀は、そのお客の姿に、驚きの表情を浮かべた。
そのお客は、先程まで入店してきた子どもたちとは、かなり違った風貌をしていたからだった。
リンは、その人物の姿を見て、歓喜の表情を浮かべた。
「ひょ、ひょっとして……リスリス!?」
「こんにちは! お久しぶりです!」
入店してきた客は……猫の魔法使い、アリスだった。
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