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第10章 営・業・再・開
第249話 「もう遅い」けど、そうもいかない
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「教授、論文です」
「やぁ猪飼くん! 待っていたよ!! 早速見せてくれ!!」
数日後、完成した論文を教授に見せた。
みんなから得た情報、ダンジョンについて探索で得た情報を事細かに記し、ついでにダンジョンによって得る今後の経済発展についての考案も記した。
それを見た教授はと言うと……。
「素晴らしい……素晴らしいよ猪飼くん!」
「はぁ……そうですか」
絶賛する教授であったが、私はどこか冷めていた。
以前まで私を馬鹿にしていた教授だったが、今は一転して私を大絶賛、研究室のメンバーも前は私の事を邪険に扱っていたのに、今や英雄扱い……まるで追放された冒険者が、メンバー復帰して大絶賛される異世界小説のようだ。
大体そういう小説だと、「もう遅い」とかなんとか言って、ヒロイン又はヒーローたちと独立するものだけど、ここは大学院……そうもいかないのである。
「早速学会で発表しよう! そうと決まれば練習しようじゃないか!」
「は、はぁ……」
「いやぁ、この研究室の将来は明るいねぇ! はっはっは!!」
教授は高笑いしつつ、私を称えた。
☆
その頃、いかいや。
「ハクハク、おはよー!」
「ゴホゴホ……おはよう、リンちゃん」
居間で異世界からの民が談笑する中、未だ体調が万全ではない琥珀が入ってきた。
「琥珀さん、体調……まだ良くないですか?」
「いやいや、これでも9割方回復した方さ、ラピスちゃんとキセノンちゃんのおかげでね」
「いやいや、ウチらはそないなこと……」
「ただ……琥珀ちゃんに……元気になって……欲しかっただけ……」
ラピスとキセノンは、琥珀の言葉に、謙遜の気持ちを露わにした。
「そうそう! 聞いてくれよ! 今朝通帳アプリ開いたら、なんか見覚えのないお金が振り込まれたんだけど……振込主がスーパーの会社らしくて……何か知ってるかい?」
「あ……それは……」
キセノンは、その振り込まれたお金について、説明をした。
キセノンの説明聞き、琥珀は驚きの表情を浮かべた。
「まぁ、それは凄いじゃないかい! それは歴史的瞬間だよ! キセノンちゃん!」
「そう……かな? なんか……恥ずかしい」
キセノンは、さらに謙遜の気持ちを露わにし、顔を赤くした。
「にしてもびっくりしたよ……間違って振り込まれたのかと思っちゃったねぇ」
「まぁびっくりしますわなぁ、突然大金が入ってたらウチもビビりますわ」
「ほんと、こんなに沢山お金貰っちゃって……キセノンちゃん、いいのかい?」
「うん……私……お金……いらない……琥珀ちゃん……使って」
「そうかい、じゃあ、今後の店の立て直しに向けて、どーんと使っちゃおうかね! みんな、何か提案してくおくれよ!」
琥珀が提案を促すと、4人は各々意見を出した。
営業再開を目前として盛り上がる中……店の扉のノック音が響き渡った。
「やぁ猪飼くん! 待っていたよ!! 早速見せてくれ!!」
数日後、完成した論文を教授に見せた。
みんなから得た情報、ダンジョンについて探索で得た情報を事細かに記し、ついでにダンジョンによって得る今後の経済発展についての考案も記した。
それを見た教授はと言うと……。
「素晴らしい……素晴らしいよ猪飼くん!」
「はぁ……そうですか」
絶賛する教授であったが、私はどこか冷めていた。
以前まで私を馬鹿にしていた教授だったが、今は一転して私を大絶賛、研究室のメンバーも前は私の事を邪険に扱っていたのに、今や英雄扱い……まるで追放された冒険者が、メンバー復帰して大絶賛される異世界小説のようだ。
大体そういう小説だと、「もう遅い」とかなんとか言って、ヒロイン又はヒーローたちと独立するものだけど、ここは大学院……そうもいかないのである。
「早速学会で発表しよう! そうと決まれば練習しようじゃないか!」
「は、はぁ……」
「いやぁ、この研究室の将来は明るいねぇ! はっはっは!!」
教授は高笑いしつつ、私を称えた。
☆
その頃、いかいや。
「ハクハク、おはよー!」
「ゴホゴホ……おはよう、リンちゃん」
居間で異世界からの民が談笑する中、未だ体調が万全ではない琥珀が入ってきた。
「琥珀さん、体調……まだ良くないですか?」
「いやいや、これでも9割方回復した方さ、ラピスちゃんとキセノンちゃんのおかげでね」
「いやいや、ウチらはそないなこと……」
「ただ……琥珀ちゃんに……元気になって……欲しかっただけ……」
ラピスとキセノンは、琥珀の言葉に、謙遜の気持ちを露わにした。
「そうそう! 聞いてくれよ! 今朝通帳アプリ開いたら、なんか見覚えのないお金が振り込まれたんだけど……振込主がスーパーの会社らしくて……何か知ってるかい?」
「あ……それは……」
キセノンは、その振り込まれたお金について、説明をした。
キセノンの説明聞き、琥珀は驚きの表情を浮かべた。
「まぁ、それは凄いじゃないかい! それは歴史的瞬間だよ! キセノンちゃん!」
「そう……かな? なんか……恥ずかしい」
キセノンは、さらに謙遜の気持ちを露わにし、顔を赤くした。
「にしてもびっくりしたよ……間違って振り込まれたのかと思っちゃったねぇ」
「まぁびっくりしますわなぁ、突然大金が入ってたらウチもビビりますわ」
「ほんと、こんなに沢山お金貰っちゃって……キセノンちゃん、いいのかい?」
「うん……私……お金……いらない……琥珀ちゃん……使って」
「そうかい、じゃあ、今後の店の立て直しに向けて、どーんと使っちゃおうかね! みんな、何か提案してくおくれよ!」
琥珀が提案を促すと、4人は各々意見を出した。
営業再開を目前として盛り上がる中……店の扉のノック音が響き渡った。
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