現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた

立風館幻夢/夜野一海

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第10章 営・業・再・開

第234話 占い好き

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「ねぇ、リン、ラピス……なんで恋人繋ぎなの?」
「別にいいじゃん! ねぇラピラピ?」
「せやせや、それとも……嫌なんか?」
「い、嫌じゃないけどさ」

 かれこれ数分くらいこの状態だ、季節的に涼しくなっては来たけど、暑苦しい……。
 しばらく歩いていると、土手のところまで来ていた。

「……あれ? ねぇルリルリ、あれ……」
「え、どこ?」

 リンは向こうを指差すも、私には遠すぎて見えなかった。

「ねぇねぇ、挨拶しようよ挨拶!」
「あ、挨拶ってちょっと!」
「ちょお、ウチも手ぇ繋いどるんやが!?」

 リンに流され、私とラピスは土手を降りて行った。

「うぉうぉうぉ!? もうちょっとゆっくり!」
「ほらほらあそこ!」
「……え?」

 リンの指差した先……そこにいたのは。

「おーい!! ヒスヒス! アオアオ!」
「あ、リン姉!」
「リン姉ちゃん! それに瑠璃姉ちゃんにラピ姉ちゃん!」

 翡翠ちゃんと碧ちゃん……そして、もう一人女の子がいた。
 リンとラピスは私から離れ、翡翠ちゃんと碧ちゃんに挨拶をした。

「え、だ、誰? こ、この人たち? 翡翠ちゃんと碧ちゃんの、し、知り合い?」
「そうだよ!」
「ダンジョン探索してるの!」
「だ、ダンジョン?」

 もう一人の女の子は、顔を知れない私たちを警戒しているようだった。
 私はその女の子に近づき、目線を合わせた。

「初めましてかな? 私は瑠璃、猪飼瑠璃、貴方は?」
「わ、私は……え、えーっと……や、やややや、やぎや……」
「山羊屋?」

 女の子は緊張しているのか、呂律が回っていない様子だった。

「あ、るり姉! その子は『八木山慧《やぎやま みどり》』ちゃん! この子凄いんだよ!」
「そうそう! アタシの空手の大会の結果についてピッタシ当てたんだから!」
「そ、そそそそそ、そんな……」

 ピッタシ当てた? どういうことだろう?

「やややややや、やっぱり占い……当たってた……今日、初めての人と3人も会う……」
「占い?」
「あ、あああああ、あの、わ、私、その……うううううう、占いが大好きで……」
「へぇー」

 なるほど、占いが好きなんだね、碧ちゃんの口ぶりからするに、結構的中率が高いのかな?
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