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第9章 サンルートの王、参上!
第220話 瑠璃の言葉を聞いて
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「余や部下たちがここまでこれたのは、君のおかげなんだよ、瑠璃殿! ……余は店長になるにあたって、不安なことが沢山あったのだ……あの社長の言いなりになっている余を見て、部下は不満が募っているのではないか? ほとんど日本人が働いていない中、日本の国民は我々を受け入れてくれるのか? とね」
「……」
そういえば、老人に変身したダイヤさん、こんなこと言ってたよな……。
『……我が同胞は日本人から白い目で見られておる……恐らく、ダンジョン探索をしている者も同じような目で見られているであろう……どうすればよいのであろうかえ?』
あの時の私は「もしもその立場だったら日本人のために働きたい」って答えたっけ?
「なんとか参考になることを知ろうと思って老人に扮し、日本の民の声を聞こうと思った……そして君に助けられた、君の言葉を余は部下たちに伝えた……『余たちは他の同胞の行いにより、白い目で見られるかもしれない、差別されるかもしれない……だが、恨むのではなく、彼らのために働こう! そうすればいつか認められるかもしれない!』とね」
「は、はぁ……」
私、そんな大層なこと言ったわけじゃないんだけどね……。
「そして……そろそろ、余は次の段階に進もうと思うのだ」
「次の段階?」
「あぁ……最近、『害獣』という不名誉な蔑称で呼ばれているほど、我が同胞たちは犯罪に手を染めてしまっているのは知っているな?」
「はい……」
「サンルート人の名誉が傷つけられている以上、『元サンルート国王』である余が黙って見ているわけにもいかぬ! 余はこれから、日本にいるサンルート人に伝えたいのだ……『この世界に来てしまった以上、どうにもならぬ、現実を受け入れ前進せよ!』とな」
「……」
現実を受け入れる……か。
ダイヤさんは、自分がもうサンルート国王ではないことを受け入れ、スーパー店長として新たな人生を歩んでいる……だが、多くのサンルート人はそうではない。
ダイヤさんの言葉を聞けば……犯罪に手を染めているサンルート人も目を覚ますかもしれない……か。
「しかし、課題も山ずみだ……この国で生きていくにあたり、放浪している同胞はどのような仕事に着けばよいのか、食べ物も食べられない、寝る場所も困っている同胞をどこに集めればよいのか……」
「確かに……」
それは確かに問題だ、リン達は叔母さんの好意で居候させてもらえているけど……他の人はそうではない。
彼らを受け入れてくれる場所……あるのかな?
『2人ともー!! 離島の人たち連れてきたよー!!』
私が考える中、リンの声が海辺から聞こえてきた。
蜂の姿になったリンが、背中に沢山の一般人を抱え、飛んでいた。
「リン! そのまま安全地帯を探して運んで!」
『うん! それじゃあね!!』
リンはそのまま、向こうの方へと飛んでいった。
「それでは、余たちは先へと進もう!」
「はい!」
私とダイヤさんは、リンを見届け、一般人がもういないことを確認し……先へと進んだ。
「……」
そういえば、老人に変身したダイヤさん、こんなこと言ってたよな……。
『……我が同胞は日本人から白い目で見られておる……恐らく、ダンジョン探索をしている者も同じような目で見られているであろう……どうすればよいのであろうかえ?』
あの時の私は「もしもその立場だったら日本人のために働きたい」って答えたっけ?
「なんとか参考になることを知ろうと思って老人に扮し、日本の民の声を聞こうと思った……そして君に助けられた、君の言葉を余は部下たちに伝えた……『余たちは他の同胞の行いにより、白い目で見られるかもしれない、差別されるかもしれない……だが、恨むのではなく、彼らのために働こう! そうすればいつか認められるかもしれない!』とね」
「は、はぁ……」
私、そんな大層なこと言ったわけじゃないんだけどね……。
「そして……そろそろ、余は次の段階に進もうと思うのだ」
「次の段階?」
「あぁ……最近、『害獣』という不名誉な蔑称で呼ばれているほど、我が同胞たちは犯罪に手を染めてしまっているのは知っているな?」
「はい……」
「サンルート人の名誉が傷つけられている以上、『元サンルート国王』である余が黙って見ているわけにもいかぬ! 余はこれから、日本にいるサンルート人に伝えたいのだ……『この世界に来てしまった以上、どうにもならぬ、現実を受け入れ前進せよ!』とな」
「……」
現実を受け入れる……か。
ダイヤさんは、自分がもうサンルート国王ではないことを受け入れ、スーパー店長として新たな人生を歩んでいる……だが、多くのサンルート人はそうではない。
ダイヤさんの言葉を聞けば……犯罪に手を染めているサンルート人も目を覚ますかもしれない……か。
「しかし、課題も山ずみだ……この国で生きていくにあたり、放浪している同胞はどのような仕事に着けばよいのか、食べ物も食べられない、寝る場所も困っている同胞をどこに集めればよいのか……」
「確かに……」
それは確かに問題だ、リン達は叔母さんの好意で居候させてもらえているけど……他の人はそうではない。
彼らを受け入れてくれる場所……あるのかな?
『2人ともー!! 離島の人たち連れてきたよー!!』
私が考える中、リンの声が海辺から聞こえてきた。
蜂の姿になったリンが、背中に沢山の一般人を抱え、飛んでいた。
「リン! そのまま安全地帯を探して運んで!」
『うん! それじゃあね!!』
リンはそのまま、向こうの方へと飛んでいった。
「それでは、余たちは先へと進もう!」
「はい!」
私とダイヤさんは、リンを見届け、一般人がもういないことを確認し……先へと進んだ。
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