現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた

立風館幻夢/夜野一海

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第9章 サンルートの王、参上!

第216話 サンルート1番

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 走りながら、私はゴルド、ラピス、キセノンに連絡をした。
 ダイヤさんと一緒にいることを伝えると……。

『お、おい! それは本当なのか!?』
『嘘やろ!? ほんまか!?』
『それは……驚く』

 3人は予想通り、驚愕の声を上げた。
 まぁ、当然だよね……。

「とにかく、早く来て! 私たちは最奥を目指してるから!」

 私が3人にそう伝え、前を見ると……キラーシャークの物と思われる、巨大な刃物が海面上に複数現れていた。

「よし! 3人で迎え撃つぞ!」
「うん! ルリルリは前で対抗して! 私とダイダイが遠くで援護するから!」
「うん!」

 リンの指示を聞いて間もなく、海面上から全身刃物の怪物が地面に着地してきた。
 私は刀を構え、戦闘にいた奴に向かって振るった。
 先程の反省を踏まえ、全身刃物である奴のがら空きな部分を狙った……そう、奴は脇腹の部分、剣道で言えば胴の部分には、刃物が一切ついていなかったのだ。
 私が一刀両断するように、剣を横に振るうと……私の予想は的中したのか、奴は呻き声を上げ……煙になった。

「……よし、このまま!」

 私は流れを掴み、次々とキラーシャークの群れを切り刻んでいった。
 弱点さえわかればこっちのものだ、リンとダイヤさんの前には一体も通さない……そんな気持ちで攻撃を繰り返す。

「瑠璃殿! 攻撃にあたらないようにな! 『メテオレイン、マキシマム!』」
「……え?」

 後ろからダイヤさんの声を聞き、私は咄嗟に後ろへと下がった。
 すると、デビルシャークの群れの頭上から、岩石の雨が降り注ぎ……奴らは煙となって消えた。
 す、すごい……なんて力だ。

「さすがダイダイ! サンルート1の魔法使いって言われるだけあるね!」
「褒めても何も出ないぞ! リン殿!」

 なるほど、国王が国一番の魔法使い……尚且つ国の民族の長の血を引き継いでいるならば、国民はついていかない理由は無いね。

「瑠璃殿! まだ全滅したわけではないぞ!」
「は、はい!」

 私は再び構え、次の攻撃に備える。
 すると、煙の中からキラーシャークの群れが飛び出してきた。
 奴らの目はまるで獲物を捕らえようとする猛獣のようだった。

「絶対に2人には近づけさせないよ! とりゃああああ!!」

 私は刀を振り回し、奴らを切り刻んでいった。
 遠くにいる敵は、リンとダイヤさんが遠距離攻撃で倒していった。
 そんなこんなで鮫どもを殲滅していき……いつの間にか、キラーシャークの姿は無くなっていた。

「流石であるな! 2人とも! 余はついていくのに必死だったぞ!」
「そんなー褒めても何も出ないよー」

 ついていくのに必死だった? 本気で言ってる? かなり余裕そうに見えたんだけど?

「それでは皆の衆! 先へと進もうではないか!」

 ダイヤさんは杖を大きく掲げ、ツアーガイドのように先頭に立った。

「さ、行こ! ルリルリ! 先へ行こう!!」
「う、うん」

 リンもダイヤさんに乗せられたのか、かなりノリノリだ。
 まぁ、早く進んで、スーパーにいるお客さんを早く助けないとね。
 私たちは、前へと進み始めた。
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