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第9章 サンルートの王、参上!

第213話 海岸ダンジョン

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「すまないね、先方が『家まで来て謝罪しに来い!』って言うもんだから、『瞬間移動』して謝りに行ってきたんだ!」
「はぁ……はぁ……全く……自分含めて2人以上の……瞬間移動は……キツイですって……」

……ん? ちょっと待って、聞き間違いかな?

「あの、今瞬間移動って……」
「あぁそうとも! この子……私の側近でこのスーパーの『副店長』のジルコの力さ!」

 えぇ!? こ、この女の子が……副店長!?

「あ! アタシ聞いたことあります! 確か陛下の側近の方って、『サンルート1の瞬間移動魔法の使い手』だって……」
「そ! それがこの子なのさ!」

 瞬間移動の使い手!? サンルート1の!?
 リンが知っているという事は、相当な人なのだろう……人は見かけによらないな……。
 ……で、そんなことより、気になることがあるんだ。

「あの、陛下が店長とか、私の言葉が参考になったとか……一体どういう事なんですか?」
「おおっと、そうだったね……少し話が長くなるかもだが、いいかい?」
「はぁ……」

 陛下は、事情を説明する……と思った、その時、私たちの足元に巨大な魔法陣が現れた。
 その魔法陣は、このスーパー全体を包み込んでいるように見えた。

「だ、ダンジョン!?」

 魔法陣は光を放ち……建物ごと、私たちを包み込んだ。



 ……目を覚ますと、そこは、広大なビーチに見えた。
 所々にヤシの木が生え、空は明るく、雲一つない快晴……足元を見ると、優しい波が私に打ち付けられていた……と、ここで違和感が一つ。

「……太陽が、無い」

 そうだ、空は明るいのに、太陽が見当たらないのだ。
 ヤシの木もよく見ると……影が無い、故に光がどこから放たれているのかもわからなかった。
 やはりダンジョン……異様な光景だ。

「ルリルリ!」
「リン!」

 私が状況を確認する中、リンが後ろから走ってきた。
 陛下と側近の副店長……確かジルコさんだっけ? その人も一緒だった。

「店長……」
「今は陛下で良い!」
「あぁ、陛下! まずはお客様の救出ですね?」
「もちろんだ! その後は店にいた配下を搔き集めて最奥を目指せ! 余もお客様の救出をしながら向かう! 『インベントリ、オープンアップ!』」
「はい! 『インベントリ、オープンアップ!』」

 2人が何やら呪文を唱えると魔法陣が現れ、その中から手を突っ込んで……陛下は大きめの杖、ジルコさんは剣を取り出した。
 そういえばこの魔法、ラピスとキセノンも使ってたな……。
 ジルコさんは、剣を構えると、指を鳴らしてどこかへと消えた。
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