上 下
226 / 424
第8章 立ち上がライズ! ドワーフじゃーないと!

第189話 お姫様

しおりを挟む
「ラピス! 行くよ!」
「はいよ!」

 私とラピスは、地表スレスレまで降りてきたワイバーンを踏み台にし、空高く飛び上がった。
 上空で構えを取り、近づいてきたワイバーンどもを切り刻み、奴らを煙にした。
 私はそのまま受け身の体勢を取り、地表に降り立つ準備をするが……ラピスは違かった。

「ただでは降りへんで!」

 ラピスはそのままワイバーンの背中に掴まり、なんとか操作しようとしがみ付いた。
 まるでその姿は暴れ馬を制御しようとする騎手のようだった。
 そんな姿を見届けつつ、私は地表へと着地した。
 ラピスはワイバーンを何とか制御し、他のワイバーンに激突しようとしていた……って危ない!

「ラピス!」
「ルリルリ! 心配しなくていいよ!」
「……え?」

 心配しなくていいってこれは心配になるでしょ!
 そう言い返したかったが、ラピスはワイバーンと激突する瞬間、ハリウッド映画のカーアクションのように、操縦席から降りた。
 ワイバーンはそのまま同士討ちし、煙となって消えた。

「ラピス! 危ない!」

 私は咄嗟にラピスを受け止める体勢に出た。
 ラピスはそのまま自由落下を続け……私の腕の中に降り立った。

「ふぅ……おおきに、瑠璃はん」
「あ、うん……」

 この体勢……お姫様抱っこだ……ラピスが……私のお姫様……。
 私はそのまま、お姫様を脚から降ろしていった。

「すごーい! ラピラピかっこよかったよ!」
「おおきに、リンはん」

 私たちは勝者を称えるかのように抱きしめ合った。
 上空を見ると、ワイバーン共の姿は一体も見えなかった。

「よし、それじゃ、ゴルド達を追いかけよう! 銀次くんも心配だし!」
「もちろん! 行こう!」
「せやな! はよ行こうや!」

 私たちは、ゴルド達の元へと走り出した。
 銀次くん……足、大丈夫だろうか?
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【本編完結】暁の騎士と宵闇の賢者

BL / 連載中 24h.ポイント:6,554pt お気に入り:877

魔力無し転生者の最強異世界物語 ~なぜ、こうなる!!~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:56pt お気に入り:3,114

妃は陛下の幸せを望む。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:839

快感射精クラブ

BL / 完結 24h.ポイント:56pt お気に入り:67

わたくしの許婚が王女ですって?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:7

妹の婚約者の義妹が私を糾弾してきた話

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:5

ピンクスライムさんは○○○が欲しい

BL / 完結 24h.ポイント:92pt お気に入り:800

処理中です...