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第8章 立ち上がライズ! ドワーフじゃーないと!

第184話 病院ダンジョン

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 ……言葉が出ない私をよそに、一つの影が私を押しのけてきた。
その影は……。

「……ゴルド?」

 ゴルドは私を押しのけ、銀次くんの胸ぐらを掴んでいた。

「馬鹿野郎! そんなこと言うんじゃねぇ!!」

 ゴルドは血相を変え、銀次くんに怒鳴りつけていた。

「ちょ、ちょっとゴルド! 落ち着いて!」
「そ、そうだよゴル爺! 流石に手を出すのはマズいって!」
「うるせぇ! ワシはな、こういう奴が大嫌いなんだ! 一度言ってやらねぇとダメなんだよ!!」

 私とリンが止めに入るも、ゴルドは掴むのを辞めなかった。
 ゴルド……なんか様子がおかしい……。

「いいか! テメェは……」

 ゴルドが銀次くんに何かを言おうとした……その時だった。

「な、なんだい!?」

 叔母さんが突然大声を上げた。
 叔母さんの声に私たちも反応し、下を見ると……。

「るり姉! これって……あの地震の時の……」
「翡翠ちゃん! こっち!」
「ノン姉ちゃん……」
「大丈夫……落ち着いて」

 私たちはお互いに寄り添い、ダンジョンに備えた。



「こ……ここは?」

 目を開け、周りを確認すると、そこは……背の高い岩石に覆われた荒地だった。
 まるで谷の底にいるような、もしくは山の奥深くにいるような……そんな感覚だ。

「みんな、いる?」
「うん! アタシはここ!」
「ウチはここやで!」

 リンとラピスは、看護師さんと叔母さんを守るように寄り添っていた。

「な、なにここ……なんなの?」
「落ち着け!」

 銀次くんは状況が理解できないのか、周りをキョロキョロとしていた。
 ゴルドはそんな銀次くんを宥めるように声を掛ける。
 そ、そういえばキセノンと碧ちゃんは……。

「みんなー!!」
「あ、碧ちゃん!?」

 碧ちゃんとキセノンは、高く聳え立つ岩石の上に立っていた。
 私たちの元へと向かうため、キセノンが碧ちゃんを抱え、私たちの元へと降り立ってきた。

「なんだいここは……いつの間にこんな……」
「落ち着いてハクハク、ここはあのバリ大きい塔の中だよ!」
「あぁ、あの塔の中かい……随分と……なんかまるで……別の世界に来たみたいだねぇ」

 そういえば叔母さん、ダンジョンの中に入るのは初めてか。

「琥珀さん! ここはワシらにお任せください! 行くぜ! みんな!」

 ゴルド、叔母さんに良い所見せられるチャンスだと思ったのか、メチャクチャ気合が入ってる……まぁ、さっさと片付けるか。
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