現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた

立風館幻夢/夜野一海

文字の大きさ
上 下
219 / 424
第8章 立ち上がライズ! ドワーフじゃーないと!

第182話 103号室

しおりを挟む
「おお……日本の病院……大きい……興味深い物……たくさん……」

 お見舞いの記帳をし、私たちは病棟の中へと入っていった。
 キセノンは病院の中が気になるのか、辺りをキョロキョロと見ている。
 どうやら医療器具やら、日本の医学に興味があるらしい……「できれば医学の本とか持ち帰りたい」とか言っていた

 ちなみに、リン達は向こうからしたら得体のしれない人たちなので突っぱねられると思われたが、私たちが一緒だった影響か、通らせてくれた。
 なので……。

「リン、ラピス、キセノン。離れちゃダメだよ」

 私はリン、ラピスと手を繋ぎ、キセノンは興奮を抑えつつ、私の体に抱き着いていた。

「わかってるよ!」
「こらこらリンはん、病院の中やで、静かにせんと」
「あ、ごめん……」

 離れ離れになると追い出されかねないので、私たちは離れないように一緒にくっついている。
 ゴルドは叔母さんと手を繋いでいる……なんかちょっと嬉しそう。
 ……でも、なんでリン達は私にだけ引っ付いているんだ? 碧ちゃんとか翡翠ちゃんと手を繋げばいいのに……まぁいいけど。

「ほら、ここだよ、103号室」

 叔母さんが病室の番号を指差し、立ち止まった。
 ……ちなみに、多くの病院では「4」という数字が使われていないらしい、103の次は105号室だ、「死」を連想させるとか何とかで飛ばされているらしい。
 部屋の扉をノックし、私たちは病室の中へと入った。

「銀次くん、見舞いに来たよ」
「あ、駄菓子屋のおばちゃん……それに……瑠璃お姉ちゃん?」
「そう、久しぶりだね、銀次くん」

 病室に入ると、銀次君は、上半身だけ起き、辛そうな目で私たちを見つめた。

「銀次くん! 見舞いに来たよ!」
「銀ちゃん! 元気?」
「……翡翠に碧」

 銀次くんは翡翠ちゃんと碧ちゃんを見ると、少し嬉しそうな顔をした。

「よぉ、足の具合はどうだ?」
「あぁ、あの時のおじちゃん……」
「おう、ゴルドってもんだ、で、どうなんだ?」
「……良くなってない」

 ゴルドの質問に、銀次くんは暗い表情を浮かべていた。

「そういえばお前、両親は来たのか?」
「最初の頃は来てた……でも、仕事で最近来てない」
「……そうなのか」

 なんだ、ゴルド、やっぱり心配してるじゃん。
 ……にしても銀次くんのご両親、最近来てないのか……そりゃこんな暗くもなる。
 ここはお見舞いの品で元気になってもらおう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

処理中です...