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第7章 吸血鬼、日々鍛えてますから!
第164話 「楽しい」という気持ち
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「お姉ちゃん、さっきもかっこよかった!!」
「ありがとう……」
暗闇の中、キセノンは碧と手をつなぎ、安全地帯へと歩いていた。
コボルトが現れると、手を解き、キセノンは己の拳で殲滅していった。
碧はその様子を見て、自然とキセノンに見とれていた。
「ほんと……それに比べてアタシは……」
「……」
碧は自分の不甲斐なさを痛感したのか……下を向いてしまった。
「ねぇお姉ちゃん、お姉ちゃんはなんでそんなに強いの?」
「……うーん……なんでだろう?」
「し、質問してるのはこっちだよぉ……」
なぜそこまで強いのか……キセノンは自分自身でもわからなかった。
しかし、彼女の中では、ある意味答えが分かっていた。
「私……日々鍛えるのが……楽しい……それ以外……考えてない」
「……楽しい?」
「うん……楽しい……だから……やる……碧ちゃん……そうじゃない?」
「……」
碧は、「楽しい」という言葉が、心のどこかで引っかかった。
自分は何のために空手をやっていたのか、何のために強くなっていったのか……そんな考えが頭に過った。
「碧ちゃん……もしかして……楽しくない?」
「……うん、楽しくない……かも」
「どうして?」
「どうしてって言われても……」
碧は、答えに行き詰ってしまった。
なぜ、自分は空手をやっているのか、楽しくないのなら、その理由は何なのか……。
「碧ちゃん……私に……空手を教えてるとき……すごく楽しそう……だったよ?」
「そ、そう?」
「うん……私が……技を極めた時……すごく嬉しそうだった」
「……」
碧は、ダンジョンに入ってしまう前、キセノンに買宛を教えている時の事を思い出した。
『そうそう! 凄い凄い!』
『……本当?』
『うん! お姉ちゃん凄いね!』
キセノンが空手の基礎的な動きをマスターした時、碧は昔の自分と重ねていたのだった。
そんな初々しい気持ち……碧はそれを失っていたのだ。
「アタシが空手の試合で負け続きだって話、したでしょ?」
「うん……それは……聞いた」
「なんかさ、こうやって負け続けていると……なんのために空手を続けていたのか、何のために練習していたのか、分からなくなっちゃったんだ」
「自分を……見失っちゃった……ていうこと?」
「そうなのかな?」
キセノンはそれとなく碧を分析した。
「ありがとう……」
暗闇の中、キセノンは碧と手をつなぎ、安全地帯へと歩いていた。
コボルトが現れると、手を解き、キセノンは己の拳で殲滅していった。
碧はその様子を見て、自然とキセノンに見とれていた。
「ほんと……それに比べてアタシは……」
「……」
碧は自分の不甲斐なさを痛感したのか……下を向いてしまった。
「ねぇお姉ちゃん、お姉ちゃんはなんでそんなに強いの?」
「……うーん……なんでだろう?」
「し、質問してるのはこっちだよぉ……」
なぜそこまで強いのか……キセノンは自分自身でもわからなかった。
しかし、彼女の中では、ある意味答えが分かっていた。
「私……日々鍛えるのが……楽しい……それ以外……考えてない」
「……楽しい?」
「うん……楽しい……だから……やる……碧ちゃん……そうじゃない?」
「……」
碧は、「楽しい」という言葉が、心のどこかで引っかかった。
自分は何のために空手をやっていたのか、何のために強くなっていったのか……そんな考えが頭に過った。
「碧ちゃん……もしかして……楽しくない?」
「……うん、楽しくない……かも」
「どうして?」
「どうしてって言われても……」
碧は、答えに行き詰ってしまった。
なぜ、自分は空手をやっているのか、楽しくないのなら、その理由は何なのか……。
「碧ちゃん……私に……空手を教えてるとき……すごく楽しそう……だったよ?」
「そ、そう?」
「うん……私が……技を極めた時……すごく嬉しそうだった」
「……」
碧は、ダンジョンに入ってしまう前、キセノンに買宛を教えている時の事を思い出した。
『そうそう! 凄い凄い!』
『……本当?』
『うん! お姉ちゃん凄いね!』
キセノンが空手の基礎的な動きをマスターした時、碧は昔の自分と重ねていたのだった。
そんな初々しい気持ち……碧はそれを失っていたのだ。
「アタシが空手の試合で負け続きだって話、したでしょ?」
「うん……それは……聞いた」
「なんかさ、こうやって負け続けていると……なんのために空手を続けていたのか、何のために練習していたのか、分からなくなっちゃったんだ」
「自分を……見失っちゃった……ていうこと?」
「そうなのかな?」
キセノンはそれとなく碧を分析した。
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