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第7章 吸血鬼、日々鍛えてますから!
第160話 救援要請
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「さぁ、着きましたよ」
「あぁ、もう到着かい、ありがとうねぇ」
私は公園の入り口前でご老人を下ろした。
ご老人は地面に足を着くや否や、曲げた腰をさらに下げ、私にお礼を言った。
「ありがとうねぇ……やっぱり日本の人は優しいねぇ」
「いえいえ、当然のことをしたまでですよ、腰を上げてください……」
この人の腰がさらに折れると絶対に危ない……私は思わず、老人の背中を摩ってしまった。
「あぁすまんねぇ……でも、本当に……良いこと知れたよ」
「……え?」
私……何かためになること言ったかな?
……そんなことを考えていると、突然、腕輪から着信音が鳴った……キセノンからだ。
「どうしたの? キセノン」
『ダンジョン……出た……土手の方……私……一般人と……一緒』
「わ、わかった!」
いけない、早く行かなきゃ!
「す、すみません、今ちょっと緊急事態で、これで……あれ?」
ご老人は……姿を消していた。
どこ行ったんだろう……公園の中に入ったのかな? ならいいんだけど……とりあえず、キセノンの元へ向かわなきゃ!
私は土手へと走り始めた。
☆
「……いやはや、日本の人は本当に優しいねぇ」
瑠璃が助けた老人は公園の奥へと向かった。
公衆便所の後ろに入り、立ち止まった。
……そこには、息切れ状態のサンルート人の人間の女がいた。
「はぁはぁ……全く……冷え冷えでしたよ、こっちの気持ちも考えてくださいよ……」
「……でも、いい運動になったろえ?」
老人は、その人間に面識があるのか、笑顔で話し掛けた。
「……いい加減、その腹立つ口調はやめてくださいよ、あと変装も解いてください……『ダイヤ陛下』」
「……はいはい」
老人は指を鳴らし……ローブ姿から、白い燕尾服のような身に纏い、猫の右耳、兎の左耳を付けた人間に変貌した。
「全く、なんですか……いきなり『日本の人と接触したい』とか……」
「……そろそろ、『次の計画のために』接触しておくべきだったではないか」
「まぁ……そうですけど」
老人だった女……ダイヤの言葉に人間の女は、どこか納得していた。
「にしても、いつも申し訳ないな『ジルコ』、私の勝手な事に付き合わせてしまって」
「全くです……警備するこっちにの身にもなってください、見慣れない土地で隠れられる場所がよくわからないし……」
「ふふふ……」
2人は……他愛のない会話を続けていた。
「……それでは、戻ろうか、『我々の拠点』に」
「はい、じゃあ行きますよ」
人間の女……ジルコが指を鳴らすと、2人は透明になった。
「あぁ、もう到着かい、ありがとうねぇ」
私は公園の入り口前でご老人を下ろした。
ご老人は地面に足を着くや否や、曲げた腰をさらに下げ、私にお礼を言った。
「ありがとうねぇ……やっぱり日本の人は優しいねぇ」
「いえいえ、当然のことをしたまでですよ、腰を上げてください……」
この人の腰がさらに折れると絶対に危ない……私は思わず、老人の背中を摩ってしまった。
「あぁすまんねぇ……でも、本当に……良いこと知れたよ」
「……え?」
私……何かためになること言ったかな?
……そんなことを考えていると、突然、腕輪から着信音が鳴った……キセノンからだ。
「どうしたの? キセノン」
『ダンジョン……出た……土手の方……私……一般人と……一緒』
「わ、わかった!」
いけない、早く行かなきゃ!
「す、すみません、今ちょっと緊急事態で、これで……あれ?」
ご老人は……姿を消していた。
どこ行ったんだろう……公園の中に入ったのかな? ならいいんだけど……とりあえず、キセノンの元へ向かわなきゃ!
私は土手へと走り始めた。
☆
「……いやはや、日本の人は本当に優しいねぇ」
瑠璃が助けた老人は公園の奥へと向かった。
公衆便所の後ろに入り、立ち止まった。
……そこには、息切れ状態のサンルート人の人間の女がいた。
「はぁはぁ……全く……冷え冷えでしたよ、こっちの気持ちも考えてくださいよ……」
「……でも、いい運動になったろえ?」
老人は、その人間に面識があるのか、笑顔で話し掛けた。
「……いい加減、その腹立つ口調はやめてくださいよ、あと変装も解いてください……『ダイヤ陛下』」
「……はいはい」
老人は指を鳴らし……ローブ姿から、白い燕尾服のような身に纏い、猫の右耳、兎の左耳を付けた人間に変貌した。
「全く、なんですか……いきなり『日本の人と接触したい』とか……」
「……そろそろ、『次の計画のために』接触しておくべきだったではないか」
「まぁ……そうですけど」
老人だった女……ダイヤの言葉に人間の女は、どこか納得していた。
「にしても、いつも申し訳ないな『ジルコ』、私の勝手な事に付き合わせてしまって」
「全くです……警備するこっちにの身にもなってください、見慣れない土地で隠れられる場所がよくわからないし……」
「ふふふ……」
2人は……他愛のない会話を続けていた。
「……それでは、戻ろうか、『我々の拠点』に」
「はい、じゃあ行きますよ」
人間の女……ジルコが指を鳴らすと、2人は透明になった。
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