現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた

立風館幻夢/夜野一海

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第7章 吸血鬼、日々鍛えてますから!

第153話 海底帝国とは

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「うーん……海底帝国か」

 私は大学院の自分のデスクで、考え事をしていた。
 ……この間、キセノンが言っていたこと……。

『この世界に……『海底帝国』って……存在……しない?』

 なんなんだ……海底帝国って言うのは……。
 ムー大陸とかそういう話をしているかと思ったんだけど、どうやらみんなの世界には、そういう国があったらしい……。

「なんなの……海底帝国って……」



「……『海底帝国』って……存在……しない?」

 ……ダンジョンからの帰り道、私はキセノンの言葉の意味が分からなかった。

「海底……帝国? 海の底の帝国ってこと?」
「うん……私たちの……世界……『海底帝国ラブカルド』って国……あった」

 かいていていこく……ラブカルド?

「それって、どういう国なの?」
「簡単に……言えば……侵略国家」
「し、侵略……」

 これまた物騒な言葉がキセノンから発せられた。

「……で……地下室……籠って……地図帳見たり……地球儀見たり……大百科見たり……したけど……この星……そういう……海の底の国……なかった」
「あー、だから、私に確認してほしかったってこと?」
「うん……存在……しない?」
「うーん、そういうのは、伝説とかでは聞いたことあるけど、実際に存在したなんてことは聞いたことないなぁ、ごめんね、キセノン」
「うん……ありがとう」

 キセノンは……険しい表情で考え始めた。

「どうしたの? なんか深刻そうだけど」
「うん……実はね……海底帝国……かつて……世界中を侵略して……統一国家……作ろうとしてた……」
「へ、へぇー……」

 凄いな……なんて恐ろしいんだ……。

「大体……数千から数万年前……世界中の……指導者……その国家……抑えつけた」
「おぉ、それは凄いね」
「うん……でも……その後……その国……どうなったか……不明」
「なるほど」

 皆の世界にはそういう過去があったんだな……なんて壮大な物語なんだろうか。

「それで……その……海底帝国……もしかしたら……この世界……来てる……かも……それが……心配」
「……」

 確かに、もしもそういう国がこの世界に来ているとするならば……心配だ。
 うーん……海底帝国ラブカルド……研究し甲斐がありそうだ。

「ルリルリ! ノンノン! 早く来なよ!」

 ……遠くで追いかけっこをしていたリンが、私たちを呼んでいる……行かなきゃな

「行こ、キセノン」
「うん……」

 私たちは3人の元へと急いだ。
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