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第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!

サキュバスの過去 その12 ~ポーションと恋~

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「……なんとかしたいわぁ」

 ウチは家に帰った時に考えた。
 普段から、3人はあんな風にヘロヘロになっとるんやろか?
 せやったら、いずれどこかで限界が来てまう。
 どうにか……いい方法は……。

「ただいまー! ラピス!」

 ……しばらく考えていると、オトンの声が聞こえた。
 玄関で出迎えると……薬瓶を片手に、靴を脱いでいた。

「はぁ……ほんま疲れた、連日探索者の女性の相手は無理やわ……」
「ほんまお疲れさん」

 オトンは見るからにヘロヘロやった。
 ちょうど、今日のパーティメンバーのようやった。

「探索者相手はほんまに疲れるで、今日も『ポーション』があったから何とかなったけどな」

 なるほど、この薬瓶はポーションやったんやな。
 ……ん? ポーション?
 そういえば……学問の稽古する時、基礎だけやけど、それの勉強したっけなぁ。
 一応、薬にできる植物やら計算式はうろ覚えやけど覚えとる……。
 ……せや。

「なぁオトン」
「おう、どないしたんや?」
「ウチに……ポーションの学問、今一度教えてくれまへんか?」
「あ、あぁ! いいとも!」

 オトンは嬉しそうな顔でポーションについて一通り教えてくれた



 オトンから学問を今一度教わったウチは、早速素材集めに出掛けた。
 険しい山道、潮風漂う海辺、果ては住宅地まで……。
 あちらこちらで素材を集めたウチは、早速自室で鉄窯、試験管、その他諸々を揃え、調合を開始した。

 傷を癒す薬、高熱を抑える薬、腹痛を治す薬、疲れを一時的に癒す薬……。
 そんで、それらを新たに覚えた「収納魔法」に仕舞い、再びダンジョンへと入る。
 ダンジョンを潜り、しばらくすると、メンバーに疲労と怪我が目立ってくる……そこで、ウチの出番や。

「ほな、一旦安全地帯行きましょか、薬、調合しときましたわ」
「おぉ! 凄いじゃないか! ラピス!」

 薬を見せると、3人はとても喜んでくれた。

「ラピス、本当に素晴らしいよ! ありがとう!」
「お、おおきに……」

 アンはんはウチを褒め称え、頭を撫でた……ウチもうそういう年齢とちゃうんやけどな……。
 褒められるのは悪い気はせぇへん、むしろ……とても嬉しい。
 特に、アンはんに褒められるのは、とても嬉しかった。
 もっと……もっと……アンはんに褒められたい。
 ウチは自然とそう考えるようになった。
 せやから、ポーション作りは勿論、戦い面も頑張った。
 パーティでダンジョン探索が終わったら、また一人でダンジョンに潜り、モンスターと戦った。
 すると、自然と強いモンスターとも対等で戦えるようになっていった。

「凄いじゃないか! 強くなったな、ラピス!」
「お、おおきに!」

 次のダンジョン探索の時……アンはんにまた褒められた、めちゃくちゃ嬉しい。
 アンはんはウチに探索者の道を切り開いてくれた恩人であり、戦いを教えてくれた師匠であり……ウチのもう一人のオカンと言ってもええかもしれへん。
 いや、寧ろ……。

「どうした? ラピス」
「い、いえ! なんでも!」

 あかんあかん、今は探索探索……。
 ウチは気持ちを切り替え、メンバーと前へと進んだ。
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