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第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!
サキュバスの過去 その2 ~ご挨拶~
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「ほな、行くで、ラピス」
「今日はご挨拶の日やけん、無礼の無いようにな」
ご挨拶……ウチは後100年近くでようやっと成人になる。
その前に、これからお世話になる女将さんの元へご挨拶へ向かうことになった。
お昼に、オトンとオカンと手をつないで外に出た。
「あら、お2人さん、元気どすか?」
「あらどうもこんにちは、ほら、ラピスも挨拶せぇや」
「こ、こんにちは……」
家を出ると、隣の部屋のサキュバスがあいさつしてきた。
「今日はどうしたんどす? えらく姿が決まってるやないですか」
「あぁ、今日はこの子のご挨拶の日なんですわ」
「あらら、ラピスちゃんも見ないうちに大きくなりましたなぁ」
「そうなんですよ、この間なんか……」
オカンとオトンがご近所さんと立ち話を始めてしまった、こうなると長い……。
「あらら、ラピスちゃんこれからご挨拶ですか?」
「そうなんですよ、びっくりでしょう? あんなに小さかったあの子が……」
……同じ集合住宅に住む違うご近所さんがどこからか現れ、会話に参戦してしまった。
全く……今日はご挨拶の日とちゃうんかい……。
「おおっと、話が長引いてもうた……ほな、ウチらはこれで」
「気を付けなはれや!」
「頑張るんやで、ラピスちゃん!」
ウチはそれとなく頷き、オトンとオカンに連れられ、ご挨拶へと向かった。
☆
「……というわけで、これからよろしくお願いいたします」
「この子は少々緊張しやすいのですが、踊りの稽古は一級品です、学力もかなり高く、きっとお客様を楽しませることができますよ」
「ほう、そうなんか……それは楽しみにしとるけんね」
女将さんの第一印象は……怖かった。
彼女は歴代の男の国王、王子、皇太子、そして外国の要人のお忍びの相手を歴任した経験もある大ベテランらしい。
上品で面白い会話能力、美しく多くを魅了する踊り、そして男の夜の相手……全サキュバスの英雄みたいな存在や、ウチも名前だけは聞いたことがあった。
そんな凄い相手の下に就けるというのは、かなり運がいい方やった。
「ほな、アンタも挨拶せぇや」
「あ、えっと……ラピスと申します! よ、よろしくお願いいたします!」
ウチは緊張しつつも、頭を深く下げた
ここからウチの新たなる人生が始まる……あと100年近く頑張れば、晴れて真のサキュバスになれる……そう思ったんやけど、ウチのある行いが原因で、それが水の泡になってもうた。
「今日はご挨拶の日やけん、無礼の無いようにな」
ご挨拶……ウチは後100年近くでようやっと成人になる。
その前に、これからお世話になる女将さんの元へご挨拶へ向かうことになった。
お昼に、オトンとオカンと手をつないで外に出た。
「あら、お2人さん、元気どすか?」
「あらどうもこんにちは、ほら、ラピスも挨拶せぇや」
「こ、こんにちは……」
家を出ると、隣の部屋のサキュバスがあいさつしてきた。
「今日はどうしたんどす? えらく姿が決まってるやないですか」
「あぁ、今日はこの子のご挨拶の日なんですわ」
「あらら、ラピスちゃんも見ないうちに大きくなりましたなぁ」
「そうなんですよ、この間なんか……」
オカンとオトンがご近所さんと立ち話を始めてしまった、こうなると長い……。
「あらら、ラピスちゃんこれからご挨拶ですか?」
「そうなんですよ、びっくりでしょう? あんなに小さかったあの子が……」
……同じ集合住宅に住む違うご近所さんがどこからか現れ、会話に参戦してしまった。
全く……今日はご挨拶の日とちゃうんかい……。
「おおっと、話が長引いてもうた……ほな、ウチらはこれで」
「気を付けなはれや!」
「頑張るんやで、ラピスちゃん!」
ウチはそれとなく頷き、オトンとオカンに連れられ、ご挨拶へと向かった。
☆
「……というわけで、これからよろしくお願いいたします」
「この子は少々緊張しやすいのですが、踊りの稽古は一級品です、学力もかなり高く、きっとお客様を楽しませることができますよ」
「ほう、そうなんか……それは楽しみにしとるけんね」
女将さんの第一印象は……怖かった。
彼女は歴代の男の国王、王子、皇太子、そして外国の要人のお忍びの相手を歴任した経験もある大ベテランらしい。
上品で面白い会話能力、美しく多くを魅了する踊り、そして男の夜の相手……全サキュバスの英雄みたいな存在や、ウチも名前だけは聞いたことがあった。
そんな凄い相手の下に就けるというのは、かなり運がいい方やった。
「ほな、アンタも挨拶せぇや」
「あ、えっと……ラピスと申します! よ、よろしくお願いいたします!」
ウチは緊張しつつも、頭を深く下げた
ここからウチの新たなる人生が始まる……あと100年近く頑張れば、晴れて真のサキュバスになれる……そう思ったんやけど、ウチのある行いが原因で、それが水の泡になってもうた。
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