現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた

立風館幻夢/夜野一海

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第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!

第148話 巨大な蜘蛛

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「ゴルド、キセノン……大丈夫?」

 私が徐に声を掛けると、私の意思とは反対に、体が動いた。

『うん……私は……大丈夫……ゴルドちゃんは……大丈夫?』
『おう、なんか変な感じがするが、大丈夫だぜ』
「よし、じゃあ行こう!」

 私は体を動かし、向こうに見える巨大な蜘蛛の元へ向かう。
 巨大になったおかげで、一歩一歩が大きく、木々をなぎ倒しつつ、数十歩で奴の元へ着いた。
 奴も私たちに気付いたのか巣から離れ、私たちと戦う準備を整えてきた。
 奴は私たちに向かって糸を吐き、動きを封じようとした。

『させっかよ! おらぁ!!』

 ゴルドが咄嗟に背中に抱えていた巨大な斧を取り出し、その糸を切り裂いた。

『このまま切り刻んでやるぜ!』

 ゴルドに体の主導権が移り、斧で巨大な蜘蛛に攻撃を仕掛ける。
 しかし、奴も馬鹿ではなかった、奴は巨大な体からは想像もつかないくらい早い動きで、攻撃を避けてしまった。
 斧が地面にぶっ刺さり、取れなくなってしまった。
 その隙を見て、奴は巨大な蜘蛛の糸の塊を飛ばしてきて、私たちに攻撃を仕掛けてきた。

「いった!!」
『いってー……』
『結構……キツイ……かも……』

 奴は続けざまに糸を飛ばしまくっている。
 ゴルドは斧を抜こうとするも、びくともしなかった。

『まずい! どうすれば……』
『……任せて』

 キセノンに体の主導権が移り、刺さった斧を放置し、糸攻撃素早く避け、蜘蛛に向かって体を動かす。
 キセノンはその重々しい体を身軽に動かし、思い切りジャンプした。

「うおおおお!? キセノン!? 何するつもり!?」
『……決める!』

 キセノンはそのまま飛び蹴りをし、ハンコの如く奴を押印した。
 奴には致命傷だったのか、脚が数本折れてしまったようだ。

「よし、このまま決めちゃいますか!」

 私は地面に刺しっぱなしだった斧を抜き取り、刀を持つように構えた。

「行くよ! おらああああああ!!」

 私はそのまま斧を振り下ろし、奴を一刀両断した。
 奴に攻撃が命中し……そのまま煙となって消えてしまった。

「よし! 倒せた!」
『……やったね』
『ワシ、あんま活躍できなかった……』
「別にゴルドも活躍出来てたよ!」
『うん……ゴルドちゃん……よくやったよ……』
『そ、そうかよ!』

 ゴルドは若干照れているようだった。

「すっごおおおおおい!! バリ凄いよみんな!!」
「かっこよかったでー!」

 地面で待機していたリンとラピスが、こちらに向かって歓声を上げた。

「それじゃ、戻ろう」
『おう』
『うん……』

 敵が消滅したのを確認した私たちは、元の姿に戻った。
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