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第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!

第136話 サキュバスの意見と前進

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「それじゃ行くよ! お姉ちゃん!」
「うん! せーの、ワンツースリーフォー……」

 美月ちゃんが数字を数え始めると、2人は息ぴったりに舞い始めた。
 ダンスはよくわかないけど……なんというか、シャッフルダンスとか、それに近い気がする。
 私たち3人は、2人の踊りに見とれていた。

「それじゃ、フィニッシュキメるよ! 蛍!」
「うん!」

 美月ちゃんが蛍ちゃんに声を掛けると、2人はそれぞれ別の方向から走り始め……新体操選手の如くバク転をした。
 2人はお互いの体で、空中にXの字を描き、そのまま着地をして……ポーズを決めた。
 す、すごい身体能力……私は思わず、手を叩いてしまった。

「お、おぉ……」
「凄い……バリ凄いね!!」

 私とリンは2人を称えるように手を叩く。
 ……一方ラピスは。

「……なかなかやるようやけど……ウチからしたらまだまだや」

 ……結構辛口な意見を言った。

「……ええか? アンタらはあそこの動きがちょっと硬いねん、それにな……」

 ラピスは2人に近づき……踊りの指導を行う。
 どうやらラピスは踊りに関しては相当な自信とプライドがあるらしい。

「そうですか……ボクらもまだまだですね」
「うーん……言われてみればそうかも」

 2人はラピスの意見に納得したのか……少し落ち込んだ様子だった。
 ラピスはそんな2人を見て……笑顔で語りかけた。

「落ち込むことはないねん、アンタらならもっと高みを目指せるはずや」
「そ、そうですか……わかりました!」
「私たち! 頑張る!」
「せやせや、その気持ち、忘れるんやないで!」

 ラピス、すっかり元気を取り戻したようだ。
 ダンスの指導ができたのが嬉しいのか、なんとなく嬉しそうに見える。

「それじゃ、ルリルリ! ラピラピ! バリ早くダンジョンをなんとかしようよ!」
「せやな! 早いとこ何とかせぇへんと……なんか気合入ってきたで!!」

 ラピス、完全に調子を取り戻したようだね。
 私も負けてられないかも。

「うん! 行こう! 美月ちゃん、蛍ちゃん! この空間……ダンジョンは私たちが何とかするから、絶対にここから出ちゃだめだよ!」
「はい! 気を付けてくださいね、みなさん!」
「うん! 瑠璃さん! 頑張ってね!」

 2人の激励を受け、私たちは安全地帯を出た。
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