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第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!

第117話 吸血鬼の様子

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「ふぁー……おはよう、叔母さん」
「ハクハク……おはよう」
「琥珀はん、おはようございます」

 朝起きて、居間に入るとゴルドと叔母さんが既に朝食の用意をしていた。

「あら、みんなおはよう……キセノンちゃんはどうしたんだい?」
「あぁ、結局部屋に戻ってこなかったよ、ずっと地下室にいるみたい……ふぁー……」

 キセノンは部屋に戻ってくることはなく、まだ地下室にいるようだった。
 ……掃除でそこまで時間掛かるかな……まさか。

「……地下室で寝ちゃってるのかな?」
「いやいや、ノンノンに限ってそれはバリ有り得ないって」
「せやせや、多分まだ掃除の真っ只中やろ」

 2人はキセノンに相当な信頼を寄せているようだ。

「まぁでも、飯が冷めちまうからな、呼んできてやった方がいいんじゃねぇか?」
「……だね、私、呼んでくるよ」

 ゴルドの言い分はもっともだ、早く呼ばないと冷めてしまう。
 冷めたご飯ほど不味いものはないからね。

「じゃ、アタシも!」
「ウチも行くで」
「じゃ、行こうか、叔母さんも来る?」
「まぁ、地下室がどうなったのか気になるかねぇ」
「じゃ、私も行きますよ! 琥珀さん」

 全員、一緒に行くみたいだ。
 ……まぁ、みんなで行ったほうがいいか、仮にキセノンに何かあったら大変だし。
 私たちは食事を置いて、地下室へと向かった。



「キセノン! いる!?」

 地下室の扉をノックし、キセノンを呼び掛けるも、答えが無い。
 ……やっぱり不安だ。

「行こう、みんな」
「そんなに心配しなくてもいいんじゃない?」
「いやいや、リン。貴方は心配しなさすぎよ……」

 私と叔母さんが扉を開け、みんなで階段を下がっていく……と、階段を下る中、かすかに音が響いているのが分かった。

『我ら! ジョッカー! 電撃隊!』

 ……あれ? なんで特撮の音声が……? しかもこれ……昭和の……しかも初期のやつじゃない?

「なんや? この音、瑠璃はん、何かわかる?」
「うん……分かるよ、これは……」

 ……まさか。
 とにかく、今はキセノンだ。
 私たちは下まで降り、部屋の中を見た……

「キセノン! ……ってなにこれ!?」
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