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第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!

第114話 吸血鬼の気になる部屋

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「ごちそうさま! ハクハク!」
「はいはい、お粗末様」

 家に帰った後、叔母さんは夕食を作って待ってくれていた。
 手を洗って、うがいして、私たちは早速食卓に着いた。
 ……なんか子どもの頃みたいだ。

「よし、食器はワシと琥珀さんが洗っておくからお前らは風呂に入りな」
「やったぁ! ラピラピ、ノンノン、ルリルリ! 早く行こ!」

 ……また一緒に風呂か、まぁいいけど。
 ……立ち上がった瞬間、隣に座っていたキセノンが、私の服を引っ張ってきた。

「……瑠璃ちゃん」
「どうしたの? キセノン」
「ちょっと……気になる……こと……ある」
「……気になること?」

 キセノンは好奇心旺盛だ、何かわからないことがあるとこうやって何でも聞いてくる。
 別に教えない理由はないので答えられることならなんでも答えているけど。

「気になる……部屋……ある……お風呂……出たら……教えて……」
「気になる部屋?」

 そんな部屋この家に合ったかなぁ? ……もしかして、「あの部屋」かな?

「キセノンはんに瑠璃はん! はようお風呂に入らな!」
「あ、今行く! キセノン、行こうか」
「うん……」

 キセノンと手をつないで、私たちは2人の待つお風呂へと向かった。



「あ、ちょっと……キセノン、引っ張らないでよ……」

 風呂を出て髪を乾かすと、キセノンは早速、私の腕を掴んで連行した
 ……私はまるで現行犯逮捕された人のようになった。

「なになに? ノンノンとルリルリどこ行くの?」
「なんや、ウチも気になるやんけ」

 そんなキセノンの行動に興味を示したのか、リンとラピスも付いてきてしまった。
 キセノンが気になる部屋って……思いつくのが一つあるけど……。
 まさか……。

「……この……部屋」

 キセノンが立ち止まって指差した部屋……そこは。

「……やっぱりこの部屋か」
「……瑠璃ちゃん……やっぱりって……何?」

 まぁでも、興味を引くのは当たり前か、なんかこの扉だけ異質だもんね。
 他の部屋は木製のドアなのに、何故かここだけシェルターのような鉄製の扉だもん。

「あれ? なんかこの扉……文字が書いてあるね、ルリルリ、この部屋何?」
「ここは、まぁ……地下室というか……物置だよ」

 リンが指差した部屋の名前を記す板……そこには「地下室」と書かれているが、事実上物置だ。

「この部屋には私が昔使ってた服とか、学校で使ってたものとか入っているんだよ、ほら……リンやキセノンが着てる服、私の幼少期のやつでしょ? 私、実家があんまり好きじゃなくてさ……頻繁にこの家……叔母さんの駄菓子屋に泊まってたんだよ」
「へぇー、じゃあ、この服みたいにルリルリの昔の思い出が詰まってるんだね!」
「まぁ、そう言えば聞こえはいいんだけどね……」

 幼少期か……あんまり思い出したくないな。
 私の趣味趣向は同年代の同性から合わなかったし、親も……あんまりいい印象が無い。
 あぁ……なんか嫌なこと思い出しそう……。

「リンちゃん……開けて……いい?」
「あ、ちょっと待って、そこ多分鍵かかってるよ、叔母さんなら鍵の場所知ってるかも……ちょっと待ってて!」

 私は足早に叔母さんのところへと向かった。
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