現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた

立風館幻夢/夜野一海

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第5章 異世界人、ショッピングモール、ベストマッチ!

第107話 男はケダモノ

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「サキュバスなのに……何?」
「なんでもないで! ほな、そんなことより、瑠璃はん、ウチらにしてる隠し事はよ吐けや!」
「いやいや、ラピス、私に何か隠してるでしょ」
「隠してへん! 神に誓って!」
「……」

 全く……ラピスだってしてるじゃないか。
 リンは知っているようだし、みんな知っている事なのだろうか?
 そんなことを考えていると、リンは無理やりラピスの手のひらを剝いだ。

「ラピスはね! サキュバスなのに、『男の人がバリ苦手なの』!」
「こ、こら! 言わんでええねん!」

 ……え?

「ラピス、男性が苦手なの?」
「……せ、せやねん! よう周りから言われたわ! 『サキュバスのくせに男一人も抱けない女』やとか『むしろ男の方が遠ざけてる野蛮な女』やとか……もう恥ずかしいからこの話終わり!」
「いや……それだけ?」
「……え?」

 何が恥ずかしいんだろう? というのが最初の感想だった。
 確かにサキュバスって異世界小説でも男性の……アレを食料にしているのはよく見るけど、サキュバスの価値観だと男性が苦手なのは、それだけで恥なのだろうか?

「別に隠すようなほど?」
「だよね! ルリルリもそう思うよね! 全く、ラピラピったら変なところ恥ずかしがるんだから」

 リンもやっぱり同じことを思うのか。
 そりゃそうだよ、別に恥ずかしいことはない、中にはそういうサキュバスもいるとは思うけど。

「る、瑠璃はんもそう思うんか? な、なら……恥ずかしがる必要はない……んやな?」
「うん、少なくとも私はそう思うよ……ってちょっと待って、なんでゴルドは大丈夫なの?」

 ゴルドは男性だけど……ラピスは別に躊躇しているような感じはしてない、むしろ普通に話しているし、戦っている。
 それはなぜだろう?

「ゴルドはんは人間の熟女以外興味あらへんし、ウチについても『お前みたいな女にはこれっぽっちも興味ないし、仲間以上の感情はない』って言うとるからや」
「なるほど……」

 ゴルドなりの仲間思いなのだろうか? ラピスの言葉を聞くに、お互いに信頼しあっているようだ。

「もぉー、別にゴル爺と話せるなら恥ずかしがることないじゃん!」
「あ、アホ! 男はケダモノや! 実家に戻ると男だらけで……ほんまに嫌や」

 ……そこまで男性が苦手なのだろうか? 何か辛い過去でもあったのかな?
 ……恥ずかしい、か。
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