113 / 424
第5章 異世界人、ショッピングモール、ベストマッチ!
第104話 避難と椅子
しおりを挟む
安全地帯の入り口、私たちは一度変身を解除し、中に入った。
安全地帯に到着すると、すでに複数人がそこにいた。
……ラピスたちが誘導したのだろうか? ……にしては人数が多い気がする。
「……大丈夫? お婆ちゃん」
「ごめんなさいねぇ……親切なワンちゃん」
「いいですよ」
ふと近くを見ると、武装した犬獣人の人が、女性に話しかけていた。
周りを見ると、サンルートの人と思われる人たちが沢山いた。
……なるほど、彼らが運んだのか。
ダンジョンが出現して、ここに駆け付けたのだろうか?
「……みんな、困っている時はお互い様なんだね」
リンはその光景を見て、そう呟いた。
「……だね」
私もそれには同意だった。
こういう時は日本人とかサンルート人とかは関係ない、お互いに支えあっていかないと……。
私たちは助けた夫婦を座らせ、その場を後にしようとした……。
すると、入り口に、変身を解除したラピスとゴルドが見えてきた。
「ラピラピ! ゴル爺!」
リンは2人を見るや否や、走り出した。
……よく見ると、2人は人を抱えていた。
「ほな、着きましたよ、お嬢さん」
「あ、ありがとうございます……」
ラピスは……妊婦さんと思われる人を抱えていた。
「と、椅子が欲しいな……誰か椅子持ってへんか!? 赤ん坊抱えてる人がおんねん!」
ラピスが全員に向かって大声を張った。
……すると、一人の女性が手を上げた。
「あの! 私、椅子持ってます!」
「おおきに! ちょおこっち持ってきてくれや!」
手を上げた女性は、紙袋を抱えてこちらに向かって来た。
あの紙袋……ショッピングセンターの中にあるアウトドア用品店の物か。
女性は紙袋の中から……キャンプなどに使う簡易的な椅子を出してきた。
「少し小さいですけど……これで大丈夫ですか?」
「地面に座りよりかはマシや、おおきに」
ラピスは女性を抱えつつ、ゆっくりと妊婦さんを座らせた。
「ここまでありがとうございました……」
「ええねんええねん、それよりお腹の子の心配やな……何ともないとええけど……」
ラピスは妊婦さんのお腹を撫で、中の子の安否を心配する。
一方ゴルドは……。
「こら! 髭を引っ張るんじゃねぇ!」
「あはは! おじさんちっちゃくなった上に、ひげが凄い!」
ゴルドは同じ背丈の男の子に髭を引っ張られていた。
「こらこら、おじさんが困ってるからやめなさい」
「はーい……」
妊婦さんが男の子に向かって注意をする……どうやら息子さんらしい。
安全地帯に到着すると、すでに複数人がそこにいた。
……ラピスたちが誘導したのだろうか? ……にしては人数が多い気がする。
「……大丈夫? お婆ちゃん」
「ごめんなさいねぇ……親切なワンちゃん」
「いいですよ」
ふと近くを見ると、武装した犬獣人の人が、女性に話しかけていた。
周りを見ると、サンルートの人と思われる人たちが沢山いた。
……なるほど、彼らが運んだのか。
ダンジョンが出現して、ここに駆け付けたのだろうか?
「……みんな、困っている時はお互い様なんだね」
リンはその光景を見て、そう呟いた。
「……だね」
私もそれには同意だった。
こういう時は日本人とかサンルート人とかは関係ない、お互いに支えあっていかないと……。
私たちは助けた夫婦を座らせ、その場を後にしようとした……。
すると、入り口に、変身を解除したラピスとゴルドが見えてきた。
「ラピラピ! ゴル爺!」
リンは2人を見るや否や、走り出した。
……よく見ると、2人は人を抱えていた。
「ほな、着きましたよ、お嬢さん」
「あ、ありがとうございます……」
ラピスは……妊婦さんと思われる人を抱えていた。
「と、椅子が欲しいな……誰か椅子持ってへんか!? 赤ん坊抱えてる人がおんねん!」
ラピスが全員に向かって大声を張った。
……すると、一人の女性が手を上げた。
「あの! 私、椅子持ってます!」
「おおきに! ちょおこっち持ってきてくれや!」
手を上げた女性は、紙袋を抱えてこちらに向かって来た。
あの紙袋……ショッピングセンターの中にあるアウトドア用品店の物か。
女性は紙袋の中から……キャンプなどに使う簡易的な椅子を出してきた。
「少し小さいですけど……これで大丈夫ですか?」
「地面に座りよりかはマシや、おおきに」
ラピスは女性を抱えつつ、ゆっくりと妊婦さんを座らせた。
「ここまでありがとうございました……」
「ええねんええねん、それよりお腹の子の心配やな……何ともないとええけど……」
ラピスは妊婦さんのお腹を撫で、中の子の安否を心配する。
一方ゴルドは……。
「こら! 髭を引っ張るんじゃねぇ!」
「あはは! おじさんちっちゃくなった上に、ひげが凄い!」
ゴルドは同じ背丈の男の子に髭を引っ張られていた。
「こらこら、おじさんが困ってるからやめなさい」
「はーい……」
妊婦さんが男の子に向かって注意をする……どうやら息子さんらしい。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI


とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる