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第5章 異世界人、ショッピングモール、ベストマッチ!

第101話 「キスしたいの?」

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「リン、私のこと好きなの!?」
「うん! バリ好きだよ!」
「ば、バリ好き……」

 リンは元気一杯に答える……ほ、本当に、私のことが……。

「ルリルリも、ラピラピも、ゴル爺も、ノンノンも、ハクハクもみんな大好き!」
「え、えーっと……」

 ……みんな大好き、それが意味すること。
 すなわち……「そういう意味」ではない……という事だよね?

「あのさ、リン」
「なに?」
「さっき、キスは唇と唇を繋げるだけって言ったけどさ……もしかして、私意外と……その……したの?」
「うん!」
「うん!?」

 リンはまたも元気一杯に答えた。

「え、ということは、ラピスとも?」
「ラピラピと? したよ?」
「キセノンとも?」
「したよ」

 ……となると流れ的に。

「……ゴルドにも?」
「あぁ、ゴル爺にはやってないよ、『小娘とやるわけないだろ』って言われた」

 ゴルドとはやってないのか……ちょっとだけ安心した。

「その……なんでキスするの?」
「え? バリ好きだからだけど? 愛情表現だよ愛情表現」
「いや、好きならもっと他の愛情表現もあるでしょ……」
「例えば?」
「た、例えば……そうだね……」

 ……キス以外の愛情表現、改めて聞かれるとよくわからない。
 というかなんでそんなに愛情表現をしたがるのこの子!?
 そこまで愛情表現にこだわる理由なんて……。

『時折、エルフである自分が嫌になるの。なんであんな連中と一緒の種族なのか……』
『世界が融合しても、いまだに争いを続けて……私……エルフなんて……エルフなんて……大っ嫌い』

 ……リンは同族嫌悪に陥っていた。
 そこまで同族嫌悪になるってことは……愛されたことが無いのだろうか?
 つまり……愛が欲しいってこと? いやいやいや、だからってそんなすぐにキスまで……

「ルリルリ、もしかしてアタシとキスしたいの?」
「はぁ!?」

 いやいや、なんでそうなる!? キスしたいって、まぁ……したくないって言うのは違うかもしれないけど、でも……。

「いいよ、別に! ルリルリがしたいなら……」
「いいの!? いやちょっと待って! 心の準備が……って」

 私が心の準備をしようとしたその時、リンは顔を近づけ……自分の唇を私の唇に繋げた!?

「んんんんん!?」

 私は口を抑えられ、小さく叫んだ。
 リンの柔らかい唇……そして唇に感じるリンの体温、顔にかかる息……。
 ただお互いの唇を繋げただけなのに、リンのすべてを感じるような……そんな気がした。
 しばらく繋がり……気が付くと、リンは私から離れ、笑顔を見せてきた。

「……さ、疲れもバリとれたみたいだし、行こっか!」
「あ、うん……」

 熱が顔のところまで上ってきているような気がしたが、今はそんなことを考えている暇はない。
 早いところ避難誘導しなきゃ……。
 私たちは立ち上がり、変身した。
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