103 / 424
第5章 異世界人、ショッピングモール、ベストマッチ!
第94話 信号機とショッピングモール
しおりを挟む
「……ん? なんやあの赤い光?」
しばらく歩いていると、ラピスが向こうを指さしてそんなことを言う。
指を差した先にあったもの、それは……。
「あれは信号機、自動車と歩行者の移動を円滑にするためのものだよ」
「なるほど……今は車が優先ってことやな」
「そうだね、あっちの丸い光が車の信号、こっちの四角いのが歩行者用、赤が止まれで青が進んでもいいってことだよ……って、ゴルド! 渡らない!」
信号の説明をしている中、ゴルドが赤信号で渡ろうとしていた。
「別に自動車は全部通っただろ?」
「絶対ダメ! 渡ってる途中に来たらどうするの!」
「その時はその時だ、轢かれたワシが悪いで済む」
そういう問題じゃないってのに……。
もしも轢かれたら車の方が悪いことになっちゃうし、轢かれた方も大怪我を負っちゃうのに……。
「……ここはアタシに任せて、ルリルリ」
「……り、リン!?」
リンが私に向かって耳打ちをしてきた。
い、いきなりそういうことするのやめてよ!
そんなこと言おうと思ったが、リンは私から離れ、ゴルドに向かって口を開いた。
「ねぇねぇゴル爺……ハクハクに嫌われるよ?」
「守る! ワシ信号、守る!」
えぇ……叔母さんの名前を出したら素直に言う事聞いた……。
まぁ、守ってくれるならそれでいいけどさ。
「さぁほらみんな、渡るよ!」
私は信号が青になったことを確認し、皆で横断歩道を渡った。
☆
「ねぇねぇルリルリ、アレ何!?」
「瑠璃はん、アレはなんや?」
「おい瑠璃、ありゃなんだ?」
「瑠璃ちゃん……これ……なに?」
4人は歩くたびに、そんな質問を投げかける。
私は1人ずつ質問に答えていった。
うーん、歩くたびに教えるのもいいけど、なにかいいところはないだろうか?
「わぁー! バリ大きい建物! ルリルリ、アレ何!?」
「ほんまや、なんやあれは?」
「学校みたいな大きさだな……」
「なんか……ありそう……」
4人が向こうに向かって驚愕の声を上げる。
……そうか、あそこなら。
「アレはショッピングモールだよ、いろんなお店が入居しているの」
「……いろんなお店?」
リンはよくわかっていない様子だった。
「つまり……露店みたいなもんか?」
「大きい市場……みたいな……もの?」
ラピスとキセノンが、なんとなく理解したような素振りを見せている。
確かに、簡単に言えばそうかもしれない。
「うん、そんな感じだよ」
「はえー……あんなデカい建物に露店が……想像できんな」
ゴルドはイメージがわかないようだった。
ショッピングモール……小さいころ、そこに行けるってなったら飛び上がるほどうれしかったな……。
「……大きい市場……っていうことは、ルリルリの服もそこで買えるかな?」
「え!? あ、そうだね……」
「じゃあさ! 早く行こうよ!」
「え、ちょっと! 走らないでよ!」
リンは待ちきれないのか、私の腕を掴んで、ショッピングモールへと足を動かした。
「ほな、ウチらも行きましょか」
「あぁ、早く行こうぜ」
「うん……楽しみ……」
しばらく歩いていると、ラピスが向こうを指さしてそんなことを言う。
指を差した先にあったもの、それは……。
「あれは信号機、自動車と歩行者の移動を円滑にするためのものだよ」
「なるほど……今は車が優先ってことやな」
「そうだね、あっちの丸い光が車の信号、こっちの四角いのが歩行者用、赤が止まれで青が進んでもいいってことだよ……って、ゴルド! 渡らない!」
信号の説明をしている中、ゴルドが赤信号で渡ろうとしていた。
「別に自動車は全部通っただろ?」
「絶対ダメ! 渡ってる途中に来たらどうするの!」
「その時はその時だ、轢かれたワシが悪いで済む」
そういう問題じゃないってのに……。
もしも轢かれたら車の方が悪いことになっちゃうし、轢かれた方も大怪我を負っちゃうのに……。
「……ここはアタシに任せて、ルリルリ」
「……り、リン!?」
リンが私に向かって耳打ちをしてきた。
い、いきなりそういうことするのやめてよ!
そんなこと言おうと思ったが、リンは私から離れ、ゴルドに向かって口を開いた。
「ねぇねぇゴル爺……ハクハクに嫌われるよ?」
「守る! ワシ信号、守る!」
えぇ……叔母さんの名前を出したら素直に言う事聞いた……。
まぁ、守ってくれるならそれでいいけどさ。
「さぁほらみんな、渡るよ!」
私は信号が青になったことを確認し、皆で横断歩道を渡った。
☆
「ねぇねぇルリルリ、アレ何!?」
「瑠璃はん、アレはなんや?」
「おい瑠璃、ありゃなんだ?」
「瑠璃ちゃん……これ……なに?」
4人は歩くたびに、そんな質問を投げかける。
私は1人ずつ質問に答えていった。
うーん、歩くたびに教えるのもいいけど、なにかいいところはないだろうか?
「わぁー! バリ大きい建物! ルリルリ、アレ何!?」
「ほんまや、なんやあれは?」
「学校みたいな大きさだな……」
「なんか……ありそう……」
4人が向こうに向かって驚愕の声を上げる。
……そうか、あそこなら。
「アレはショッピングモールだよ、いろんなお店が入居しているの」
「……いろんなお店?」
リンはよくわかっていない様子だった。
「つまり……露店みたいなもんか?」
「大きい市場……みたいな……もの?」
ラピスとキセノンが、なんとなく理解したような素振りを見せている。
確かに、簡単に言えばそうかもしれない。
「うん、そんな感じだよ」
「はえー……あんなデカい建物に露店が……想像できんな」
ゴルドはイメージがわかないようだった。
ショッピングモール……小さいころ、そこに行けるってなったら飛び上がるほどうれしかったな……。
「……大きい市場……っていうことは、ルリルリの服もそこで買えるかな?」
「え!? あ、そうだね……」
「じゃあさ! 早く行こうよ!」
「え、ちょっと! 走らないでよ!」
リンは待ちきれないのか、私の腕を掴んで、ショッピングモールへと足を動かした。
「ほな、ウチらも行きましょか」
「あぁ、早く行こうぜ」
「うん……楽しみ……」
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI


とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる