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第4章 Open Your Eyes For The Elf's Past
閑話 エルフの過去 その2 ~赤毛のエルフ~
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……そんなある時の事、その子は突然現れた。
同じエルフ……氏族は分からなかったけど、悪い人だとは思わなかった。
その子と出会ったのは無になっている中の時。
「だ、誰!?」
庭に植えられている木々の中から、その子は現れた。
赤毛のショートヘアに青い瞳、そして軽やかな服装で、背中にボウガンを抱えていた……見た目から女の子のようだった。
その子は私の驚愕の声に対し、まるで何事もなかったかのように答えた。
「あ、ごめん、ここ貴方の家?」
「え、その……はい」
「そっかーごめんね、なんか雰囲気良かったからさ、入りたくなっちゃって」
……雰囲気が良い、それに対しては、私は同意だった。
だが、だからと言って、勝手に入るのはどうかと思った。
確かにこの庭は広いから警備は薄い、警備兵もほとんど敵の氏族を殺しに行ってるから手薄だし……入るのは容易かもしれないけど。
「貴方、名前は?」
「……え?」
女の子はまるで何事も無かったかのように名前を聞いてきたが……ここで違和感を覚えた。
おかしい、ラサル氏族であれば、私の顔を見ればすぐに誰だかわかるはず。
だが、その子はそんな私に対して名前を聞いてきた……ということは、彼女は違う氏族の子のようだ。
「あ、ここはアタシが名乗らないとね……アタシは『リン』! 貴方は?」
赤毛の少女は……リンと名乗った。
向こうが名乗ったのなら……ここは私も名乗らなきゃな。
「私は……ニオブ」
「ニオブ……良い名前だね! じゃあ『オブオブ』で!」
「……はい?」
「だって、そっちの方がバリ可愛いでしょ?」
「か、かわいい? バ、バリ?」
何言ってるんだ、この子。
彼女の言う奇怪な言葉に私は流された。
「ねぇねぇ、オブオブ! この森について詳しく教えて!」
「え、ちょっと……」
私は……リンに引っ張られ、森の奥へと入っていった。
☆
その後、庭に行くと高確率でリンの姿があった。
最初は警戒していた私だったけど、段々と、リンとお話しするのが楽しみになってきた。
リンは定期的に外に出ているらしく、そこで起きた出来事とかを話してくれた。
ダンジョンの事、そこで起きたモンスターたちとの戦い、この辺りで美しい場所……。
私は聞いた、「なんで定期的に武力衝突が起きているのに外に出て行けるのか、怖くないのか」と。
すると、リンはこう答えた。
「バリ怖いに決まってるよ、でもさ、外はそんな悲しい事ばかりじゃない、バリ楽しいことだってたくさんあるんだよ!」
「……」
悲しい事ばかりじゃない、本当にそうなのだろうか?
私は疑いを隠せなかった。
「じゃあさ、出ようよ!」
「え?」
「この近くに綺麗なお花畑があるんだ! オブオブにも美しい世界を見せてあげる!」
「ちょ、ちょっと……」
私はリンに引っ張られ、外へと飛び出した。
同じエルフ……氏族は分からなかったけど、悪い人だとは思わなかった。
その子と出会ったのは無になっている中の時。
「だ、誰!?」
庭に植えられている木々の中から、その子は現れた。
赤毛のショートヘアに青い瞳、そして軽やかな服装で、背中にボウガンを抱えていた……見た目から女の子のようだった。
その子は私の驚愕の声に対し、まるで何事もなかったかのように答えた。
「あ、ごめん、ここ貴方の家?」
「え、その……はい」
「そっかーごめんね、なんか雰囲気良かったからさ、入りたくなっちゃって」
……雰囲気が良い、それに対しては、私は同意だった。
だが、だからと言って、勝手に入るのはどうかと思った。
確かにこの庭は広いから警備は薄い、警備兵もほとんど敵の氏族を殺しに行ってるから手薄だし……入るのは容易かもしれないけど。
「貴方、名前は?」
「……え?」
女の子はまるで何事も無かったかのように名前を聞いてきたが……ここで違和感を覚えた。
おかしい、ラサル氏族であれば、私の顔を見ればすぐに誰だかわかるはず。
だが、その子はそんな私に対して名前を聞いてきた……ということは、彼女は違う氏族の子のようだ。
「あ、ここはアタシが名乗らないとね……アタシは『リン』! 貴方は?」
赤毛の少女は……リンと名乗った。
向こうが名乗ったのなら……ここは私も名乗らなきゃな。
「私は……ニオブ」
「ニオブ……良い名前だね! じゃあ『オブオブ』で!」
「……はい?」
「だって、そっちの方がバリ可愛いでしょ?」
「か、かわいい? バ、バリ?」
何言ってるんだ、この子。
彼女の言う奇怪な言葉に私は流された。
「ねぇねぇ、オブオブ! この森について詳しく教えて!」
「え、ちょっと……」
私は……リンに引っ張られ、森の奥へと入っていった。
☆
その後、庭に行くと高確率でリンの姿があった。
最初は警戒していた私だったけど、段々と、リンとお話しするのが楽しみになってきた。
リンは定期的に外に出ているらしく、そこで起きた出来事とかを話してくれた。
ダンジョンの事、そこで起きたモンスターたちとの戦い、この辺りで美しい場所……。
私は聞いた、「なんで定期的に武力衝突が起きているのに外に出て行けるのか、怖くないのか」と。
すると、リンはこう答えた。
「バリ怖いに決まってるよ、でもさ、外はそんな悲しい事ばかりじゃない、バリ楽しいことだってたくさんあるんだよ!」
「……」
悲しい事ばかりじゃない、本当にそうなのだろうか?
私は疑いを隠せなかった。
「じゃあさ、出ようよ!」
「え?」
「この近くに綺麗なお花畑があるんだ! オブオブにも美しい世界を見せてあげる!」
「ちょ、ちょっと……」
私はリンに引っ張られ、外へと飛び出した。
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