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第3章 この猫、魔法使いで探索者!
第59話 ニュースを観る異世界人 4
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『警察及び防衛省は近づかないよう呼びかけていますが……なんと、先ほど紹介したサンルート人が、この未確認生命体と戦っているとのことです、しかも、そのまま未知の建物に入り込んでいるとか』
『勇敢な人に見えますが……彼らは未知の建物について何か知っているのでしょうかね? 政府は彼らに話を聞いてみるのも一つの手だと思いますけど……』
『警察関係者は、彼らが武器を用いて未知の建物の中に入っていくことから、銃刀法違反に該当するのではないか、と言っているようです』
『そんなこと言っている場合なんですかね?』
『まぁでも、彼らが暴徒化して、その武器で犯罪行為をするという可能性もありますからねぇ』
ラピスは画面の中の会話を聞き、すかさず立ち上がった。
「なんやねん! まるでウチらが野蛮人みたいやんけ!」
「ラピスちゃん……怒る……気持ち……分かる……けど……落ち着いて」
「あ、すまん……つい感情的になってもうた」
キセノンは立ち上がったラピスの服の裾を引っ張り、落ち着くよう促した。
ラピスは冷静になり、再び座り込んだ。
「……ラピラピ、なんでバリ怒ってるの?」
「日本の法律じゃ、街ん中で武器使うのは違法なんやと、そう言ってるわ」
「うーん……なんで禁止なんだろ? バリわからないなぁ、武器って自分を守るためには必要なものでしょ?」
サンルート王国では、武器の所持は合法だった。
そのような法律が存在しない……という方が正しいのだろうか?
「リンちゃん……禁止な……理由は……日本の……歴史……関係……あるかも」
「歴史?」
「うん……修行……してた時……とある国……魚を捕ること……禁止……だった……」
「……? なんで? 魚って貴重な食糧なのに?」
「……理由……調べたら……魚が……神聖な……もの……だから……神様に……与える……ために……禁止……してた」
「へぇー、そんな国もあるんだね」
「うん……だから……日本で……武器が……禁止……なのも……理由が……ある」
リンはキセノンの話を大方理解したようだった。
そして4人は、画面の中で展開されている話を真剣な表情で観ていた。
……しかし、どれも自分たちにあまりいい印象がない内容で、4人は黙ってそれを受け入れつつ、聞いていた。
そんな気まずい空気の中、リンが仕切り直しと言わんばかりに手を叩いた。
「ほらみんな! 表情バリ暗くなってるよ! ねぇねぇ、ルリルリの部屋からDVD取ってこよ!」
「……せやな! ウチも暗いこと考えすぎて朝から疲れてもうたわ、ほな、行こか」
リンとラピスは立ち上がり、瑠璃の部屋へと向かった。
「でぃーぶいでぃー? ってなんなんだ?」
「ゴルドちゃん……DVD……っていうのは……映像が……記録されてる……物体……のこと」
「なるほど、気分転換にはいいかもな、ワシらも行こう」
ゴルドとキセノンも立ち上がり、瑠璃の部屋へと向かった。
『勇敢な人に見えますが……彼らは未知の建物について何か知っているのでしょうかね? 政府は彼らに話を聞いてみるのも一つの手だと思いますけど……』
『警察関係者は、彼らが武器を用いて未知の建物の中に入っていくことから、銃刀法違反に該当するのではないか、と言っているようです』
『そんなこと言っている場合なんですかね?』
『まぁでも、彼らが暴徒化して、その武器で犯罪行為をするという可能性もありますからねぇ』
ラピスは画面の中の会話を聞き、すかさず立ち上がった。
「なんやねん! まるでウチらが野蛮人みたいやんけ!」
「ラピスちゃん……怒る……気持ち……分かる……けど……落ち着いて」
「あ、すまん……つい感情的になってもうた」
キセノンは立ち上がったラピスの服の裾を引っ張り、落ち着くよう促した。
ラピスは冷静になり、再び座り込んだ。
「……ラピラピ、なんでバリ怒ってるの?」
「日本の法律じゃ、街ん中で武器使うのは違法なんやと、そう言ってるわ」
「うーん……なんで禁止なんだろ? バリわからないなぁ、武器って自分を守るためには必要なものでしょ?」
サンルート王国では、武器の所持は合法だった。
そのような法律が存在しない……という方が正しいのだろうか?
「リンちゃん……禁止な……理由は……日本の……歴史……関係……あるかも」
「歴史?」
「うん……修行……してた時……とある国……魚を捕ること……禁止……だった……」
「……? なんで? 魚って貴重な食糧なのに?」
「……理由……調べたら……魚が……神聖な……もの……だから……神様に……与える……ために……禁止……してた」
「へぇー、そんな国もあるんだね」
「うん……だから……日本で……武器が……禁止……なのも……理由が……ある」
リンはキセノンの話を大方理解したようだった。
そして4人は、画面の中で展開されている話を真剣な表情で観ていた。
……しかし、どれも自分たちにあまりいい印象がない内容で、4人は黙ってそれを受け入れつつ、聞いていた。
そんな気まずい空気の中、リンが仕切り直しと言わんばかりに手を叩いた。
「ほらみんな! 表情バリ暗くなってるよ! ねぇねぇ、ルリルリの部屋からDVD取ってこよ!」
「……せやな! ウチも暗いこと考えすぎて朝から疲れてもうたわ、ほな、行こか」
リンとラピスは立ち上がり、瑠璃の部屋へと向かった。
「でぃーぶいでぃー? ってなんなんだ?」
「ゴルドちゃん……DVD……っていうのは……映像が……記録されてる……物体……のこと」
「なるほど、気分転換にはいいかもな、ワシらも行こう」
ゴルドとキセノンも立ち上がり、瑠璃の部屋へと向かった。
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