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第2章 A New Resident ,A New life.

第44話 料理が下手な2人

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「それじゃ、お昼ご飯の用意するね」
「え、もうそんな時間!?」
「もうって、瑠璃ちゃん、今11時だよ?」
「あっ……」

 私たちがここに来た時10時ぐらいだったっけ? だったら……そうか。

「あ、琥珀さん! 私も手伝います!」
「そ、そうかい? じゃあ……任せようかな、ゴルド」
「はい!」

 ゴルドは叔母さんの手伝いをするようだ。
 いや、失礼かもしれないけど、ゴルドの身長で手伝いできるの?

「ゴル爺、くれぐれもハクハクにうるさく言わないでね!」
「い、言わねぇよ! つーかうるさく言うのはお前らが……」
「ゴルド! 手伝ってくれるんでしょ?」
「は、はい! 今行きますよ! 琥珀さん!」

 ゴルドは足早に台所へと向かった。
 ……うるさく言う? どういうこと?

「あぁ、瑠璃はん、そういえば言うとらんかったな。ゴルドはん……飯に関してはかなりうるさいんや」
「あぁ……そうなのね」

 なるほど、美食家なのか。
 ……にしては、言い方がそれとはちょっと違うような。

「ほんま喧しいんや……野営してても、絶対に自分以外には料理を作らせない程や……」
「アタシやラピラピが作ったものに対して、何が足りない、何が強すぎる……まぁ、事実だし、ゴル爺が作る料理はバリ美味しいから反論できないんだけど……」

 アタシとラピラピ? キセノンは言われたことないのかな?

「キセノンは?」
「……私は……言われたこと……ない……単純に……ラピスちゃんとリンちゃんが……下手……前なんか……アレンジとか言って……」
「ノンノン! アレはアタシが悪かったから!!」
「せ、せや! ウチももう二度とあんなことせぇへんから!」

 ……キセノンが何かを話そうとしたその時、リンとラピスが口を挟んだ。
 ……すごく気になる。

「え? アレンジ?」
「なんでもない! バリなんでもないよ! ルリルリ!」

 リンは必死に手を振って、話を遮る……。
 相当必死でますます気になる。
 すると、キセノンが顔を顰めて……静かに口を開いた。

「イチゴと魚の……塩スープんん!?」
「あーキセノンはん、なんか言うたか?」
「んん……んん……」

 ラピスがキセノンの口を抑える。
 ……うん、なんとなく察したかも、イチゴに魚、それらを加えたしょっぱいスープ……絶対美味しくない。
 2人は……ステレオタイプの料理下手な人だ。

「瑠璃はん! そんなことより、琥珀はんはなに作ってくれるんやろなぁ!」
「だね! ルリルリ、ハクハクは何を作ってくれると思う?」
「……」

 ……明らかに話をぶった切ったぞこの2人。
 キセノンが顔を顰めてるあたり、相当この2人の料理のスキルは低いらしい。
 まぁいい、これ以上触れない方がよさそう。
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