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第1章 世界の研究者、猪飼瑠璃
第31話 当たり前のこと
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「皆なんでそんな当たり前のことを聞いてるの?」
翡翠ちゃんが色んなことに疑問を抱いているリンたちにそう問いかけた。
当たり前の事か……まぁ、言いたいことはわかるけど……。
「……あのね、翡翠ちゃん。自分が分かっていても、相手が分からないことなんて世の中にはたくさんあるの、だから、『当たり前のこと』なんて言っちゃダメ、そういう人がいたら、ちゃんと教えてあげるの」
「教えてあげる?」
「そう、翡翠ちゃんだって、分からないこと教えてもらったら、嬉しいでしょ?」
「……うん! 私、るり姉の異世界の話教えてもらえるの、すごく嬉しい!」
翡翠ちゃんは私の言ったことを理解してくれたのか、笑顔で答えた。
「異世界? ルリルリ、他の世界に行ったことあるの?」
リンが異世界という単語に食いついてきた。
どうしよう……翡翠ちゃんもいるし、夢を壊したくない……。
「うん! るり姉はね、大学院で異世界の研究をしてるんだ!」
「だいがくいん? ……って何? ルリルリ」
「あ、えーっとね……」
よし、上手いこと話が逸れた。
「大学院って言うのは……頭のいい学校のことだよ!」
「頭のいい学校かぁ……っていうことは、やっぱりルリルリってバリお金持ちじゃん!」
「あ、いや……」
実は奨学金借りて行ってるんだけど……そりゃ大学までは親に出してもらったから世間的にはそうかもしれないけどさ……。
「それでそれで? 他の異世界にも行ったことあるの?」
しまった、リンが話を戻してしまった……何とかごまかさないと……。
「……ったく、ここは一体どこだよ? やけに地面が平らだし、空気が全然ちげぇ、おまけに平たい顔の人間がめちゃくちゃいるし……」
「知るかよ! 俺も気が付いたら人の家にいたわ……悲鳴を上げられるわ、出て行けと言われるわ、散々だぜ」
……ふと道端からそんな会話が聞こえる。
注目してみると、ゴルドのようなドワーフっぽい男性と、犬をそのまま人型にしたような何かが道に座り込んで話をしていた。
「る、るり姉……犬が喋ってる……」
翡翠ちゃんが、喋る犬っぽい人を指さして、震え声でそう言った。
うん、私はもう慣れた、数時間しかたってないけど、ダンジョンやらリンたち見てたらもうなんでもいいやってなる。
翡翠ちゃんが色んなことに疑問を抱いているリンたちにそう問いかけた。
当たり前の事か……まぁ、言いたいことはわかるけど……。
「……あのね、翡翠ちゃん。自分が分かっていても、相手が分からないことなんて世の中にはたくさんあるの、だから、『当たり前のこと』なんて言っちゃダメ、そういう人がいたら、ちゃんと教えてあげるの」
「教えてあげる?」
「そう、翡翠ちゃんだって、分からないこと教えてもらったら、嬉しいでしょ?」
「……うん! 私、るり姉の異世界の話教えてもらえるの、すごく嬉しい!」
翡翠ちゃんは私の言ったことを理解してくれたのか、笑顔で答えた。
「異世界? ルリルリ、他の世界に行ったことあるの?」
リンが異世界という単語に食いついてきた。
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「うん! るり姉はね、大学院で異世界の研究をしてるんだ!」
「だいがくいん? ……って何? ルリルリ」
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よし、上手いこと話が逸れた。
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「頭のいい学校かぁ……っていうことは、やっぱりルリルリってバリお金持ちじゃん!」
「あ、いや……」
実は奨学金借りて行ってるんだけど……そりゃ大学までは親に出してもらったから世間的にはそうかもしれないけどさ……。
「それでそれで? 他の異世界にも行ったことあるの?」
しまった、リンが話を戻してしまった……何とかごまかさないと……。
「……ったく、ここは一体どこだよ? やけに地面が平らだし、空気が全然ちげぇ、おまけに平たい顔の人間がめちゃくちゃいるし……」
「知るかよ! 俺も気が付いたら人の家にいたわ……悲鳴を上げられるわ、出て行けと言われるわ、散々だぜ」
……ふと道端からそんな会話が聞こえる。
注目してみると、ゴルドのようなドワーフっぽい男性と、犬をそのまま人型にしたような何かが道に座り込んで話をしていた。
「る、るり姉……犬が喋ってる……」
翡翠ちゃんが、喋る犬っぽい人を指さして、震え声でそう言った。
うん、私はもう慣れた、数時間しかたってないけど、ダンジョンやらリンたち見てたらもうなんでもいいやってなる。
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