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第1章 世界の研究者、猪飼瑠璃

第24話 年齢とダンジョンボス

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「バリあっという間に終わったね!」

 リンがまっさらとなった空間に向かってそう言った。
 ふぅ……なんかあっという間に殲滅できたな。
 なんか実感がない。

「ねぇねぇルリルリ! やっぱり貴方やっぱり凄いよ!」
「いやぁ、これはこの力のおかげじゃ……」
「だとしても! その力を扱えるなんて、本当にバリ凄いよ!」
「そ、そうかな……」

 恐らくベテランであろうリンに言われるとなんか嬉しいな。
 ベテランって言っても、どのくらいダンジョンにいるんだろう? 私よりかは年下に見えるけど……。

「凄いのはリンだよ、私よりも年下に見えるのにこんな怖い所……」
「まぁ、100年近くも入ってたらバリ慣れるものだよ!」
「……ん?」

 今……なんて言った?

「私の聞き間違いかな? 今100年がどうとかって……」
「うん? そうだけど?」
「……失礼だけど、今いくつ?」
「今年で312歳!」
「さ、さんびゃ……」

 ……そういえば、この子エルフって言ってたっけ? 小説でよく見るけど、マジで長生きなんだ……。

「ちなみにウチは930歳や」
「私……421歳……」
「ワシは1045歳、まぁこん中じゃ一番年上だな」

 皆長生きでいらっしゃる!?
 まぁサキュバスも吸血鬼もドワーフも、ファンタジー小説じゃ長生きだよな……。

「まぁまぁ! 年齢なんてバリ関係ないよ! ダンジョン探索なんて回数だよ回数! どれだけ探索したかで変わるもんだよ!」
「そ、そうなんだ……」

 回数って言ってもリンたちがダンジョンに入った回数って一年が365日としても軽く1万は越えてない?
 そりゃこんな肝が据わるわけだよ

「……ッ!? ルリルリ! 近くにダンジョンボスがいる!」
「だ、ダンジョンボス?」

 ボスってことは……ここの親玉ってこと?
 そうこうしているうちに、4人が走り出したため、私もそれに合わせて足を動かした。

「瑠璃はん! ダンジョンボスはアホみたいに巨大や!」
「連携が……大事……」
「ま、ワシらはいつも通り戦うだけだ!」

 えぇっと……皆はその巨大なモンスターと当たり前のように戦ってるってこと?
 凄いな……。

「あそこや!」

 ラピスが指を差した先……そこは遠目で見ても、広い空洞のように見えた。
 その空洞の中に……巨大な緑色の何かがいるように見えた。
 その緑色の何かが……かすかに動いているようにも見える。
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