現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた

立風館幻夢/夜野一海

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第1章 世界の研究者、猪飼瑠璃

第22話 鎧の力

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「か、かかってこい!! 私が相手だ!」

 そう叫ぶと、怪物の一体が咆哮を上げ、こちらに襲い掛かってくる。
 私はそいつに向かって、刀を斜めに振るった。

「はぁ……はぁ……どうだ?」

 ……攻撃が命中し、奴は煙となって消えた。
 怪物どもはそれに恐れをなしたのか、お互いに顔を合わせていた。
 す、すごい……私は自分の力に驚くと同時に、恐怖感も芽生えて来た。
 これ……誤って人とかに当たったら……。

「おおおおおお!! ルリルリ! バリすごい! バリすごいよ!!」

 私が恐怖心に捕らわれる中、リンが私に駆け寄り、まるで自分の事のように喜び始める。
 なんだろう……リンの笑顔を見ると、こちらも同じように嬉しいし、安心する。

「ねぇルリルリ! どうやってその姿になったの? 教えて!!」
「ウチにも! ウチにも教えてーな! それ、カードに描かれてたやつやろ?」
「その力、ワシも気になるな」
「私も……」

 他の3人も私に駆け寄り、この鎧の装着の仕方が気になっているようだった。
 私はスマートウォッチを見せ、アプリのアイコンを指差す。

「このアイコンにタッチして、カードをかざして!」
「あ、アイコン……? これのこと?」

 リンは困惑しつつ、私の指示通りにアイコンをタップする。

「え!? 何!? 何これ!?」

 リンは初めて猫人間に会った私みたいな反応を見せる。

「その画面になったら、カードをかざしてみて!」
「かざす? ……こう?」

 リンは困惑しつつ、カードをウォッチにかざす。
 すると、先ほどの私同様、リンの身体が光に包まれた。

「えぇ!? なにこれ!? どうなっちゃうの!?」

 ……しばらくしないうちに、光が収まり、リンは……カードに描かれていたピンクの戦士になっていた。

「な、なんやこれ!?」
「す、すげぇ……」
「……どういうこと?」

 3人は鎧に身を包んだリンに驚愕する。
 一方本人は……。

「おおおおおおおおお!! アタシ、バリかっこよくない!? バリテンション上がるんですけど!?」

 興奮がピークに達していた。
 そして、彼女の身体以外にも、変化があった……それは……。

「……あれ? アタシのボウガンに光が……」

 リンの持っていたボウガンが光に包まれ……ピンク色に染まり、弓の部分がハート形になった!? え!?

「えぇ!? アタシの武器も変わった!? ルリルリ! これどういうこと!?」
「いや、私に言われても……」

 私もどういう仕組みなのか聞きたい……。
 ……と、そうこうしているうちに、これまで沈黙していた怪物たちが、咆哮を再び上げ、集団で襲い掛かってくる。

「危ない!」

 リンは咄嗟にボウガンの引き金を引く……すると、命中した矢が一体に命中し……消滅する。

「えぇ!? ノリで引き金引いたんだけど……矢が飛んだ!?」
「え? 矢……装填してないんか!? ほんまか!?」

 嘘でしょ……矢を装填せずに矢を放った!? どういうこと?
 それってボウガンじゃなくてただの銃じゃない!? でも銃も弾丸を装填するよな……って、そうじゃなくて!

「……ま、なんでもいいか! このままバリっと決めちゃうよ!」

 リンは特に気にしていないようだった。
 まぁ確かに……怪物を倒せるならいいか!
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