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第1章 世界の研究者、猪飼瑠璃
第21話 研究者、変身する
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<転生 ヒューマン>
「……え?」
カードをかざすと、画面にそんな表示が現れる。
思わず困惑するも、その気持ちはすぐに消えた。
なぜなら……。
「え? 何? 私……どうなってるの!?」
私の身体が赤く光り始めたからだ。
困惑よりも、驚愕が勝ってしまった。
「ルリルリ!? どうしたの!?」
リンが戦いながら、そう声を掛ける。
私はその言葉に答えようとしたが……赤い光がダンジョンを照らし、私は思わず目を閉じてしまった。
……しばらくして、光が収まった。
「何? 私……生きてる?」
ふと、下に目をやった。
すると……。
「えぇ!? 何これ!? いつの間に着替えた!?」
私の全身が、赤い鎧に包まれていたのだ。
その鎧には見覚えがあった。
「これ……カードに描かれていたやつ!? じゃあ私……」
咄嗟に、腕輪のカメラ機能を起動させた。
そこに映っていたのは……紛れもない、カードに描かれていた戦士だった。
思わず写真を撮り、自分を観てみる。
これは……幻覚か? 現実なのか?
そうだよね、得体のしれないファンタジーな人達と出会って、スマートウォッチを手に入れて、それ使って謎の人物に変身するなんて……。
「ルリルリ!? その格好ルリルリなの!?」
リンがボウガンで怪物を射抜きながらそんな事を叫ぶ。
えっと……やっぱり現実?
でも、こんな武装したところで武器がカッターナイフじゃ……。
……と、そんなことを考えているのも束の間。
「瑠璃はん! 危ない!」
「え!?」
ふと目の前を見ると、牛頭の怪物がこちらに攻撃を仕掛けようとしていた。
赤い見た目に反応したのだろうか? ……いや、闘牛のアレは赤いものじゃなくてヒラヒラしている物に反応しているんだっけ?
てかそんな場合じゃない! 早く何とかしないと……でも今持ってるのカッターナイフなんだけど!?
「あぁもう!!」
私はカッターナイフを盾に牽制しようとした。
……だが牽制はできなかった、なぜなら。
「……え?」
カッターナイフが光を放ち、3倍くらいの大きさになった上に、怪物がその長くなったナイフに接触し、消滅したからだ。
もはやこれはカッターナイフではない……これは……。
「……刀?」
そうだ、カッターナイフは、刀……日本刀の形に変貌していたのだ。
しばらくすると、光が弱まっていき、その刀の全貌が明らかになった。
真っ赤な日本刀、それがぱっと見た感想だった。
しかし、どこか機械的にも見えた、なんだろうか……洋画に出てくる日本のイメージのようだ。
「これは……行ける?」
私は剣道の構えのポーズを取り、敵に刃先を向ける。
怪物どもは、私のそのポーズに困惑しているのか、全員が注目している。
「ルリルリ?」
「なんや……そのポーズ」
「小娘……本気か?」
「……行けそう?」
4人も私に注目している……なんか恥ずかしいな。
注目されているからには……それに応えないとね!
「か、かかってこい!! 私が相手だ!」
「……え?」
カードをかざすと、画面にそんな表示が現れる。
思わず困惑するも、その気持ちはすぐに消えた。
なぜなら……。
「え? 何? 私……どうなってるの!?」
私の身体が赤く光り始めたからだ。
困惑よりも、驚愕が勝ってしまった。
「ルリルリ!? どうしたの!?」
リンが戦いながら、そう声を掛ける。
私はその言葉に答えようとしたが……赤い光がダンジョンを照らし、私は思わず目を閉じてしまった。
……しばらくして、光が収まった。
「何? 私……生きてる?」
ふと、下に目をやった。
すると……。
「えぇ!? 何これ!? いつの間に着替えた!?」
私の全身が、赤い鎧に包まれていたのだ。
その鎧には見覚えがあった。
「これ……カードに描かれていたやつ!? じゃあ私……」
咄嗟に、腕輪のカメラ機能を起動させた。
そこに映っていたのは……紛れもない、カードに描かれていた戦士だった。
思わず写真を撮り、自分を観てみる。
これは……幻覚か? 現実なのか?
そうだよね、得体のしれないファンタジーな人達と出会って、スマートウォッチを手に入れて、それ使って謎の人物に変身するなんて……。
「ルリルリ!? その格好ルリルリなの!?」
リンがボウガンで怪物を射抜きながらそんな事を叫ぶ。
えっと……やっぱり現実?
でも、こんな武装したところで武器がカッターナイフじゃ……。
……と、そんなことを考えているのも束の間。
「瑠璃はん! 危ない!」
「え!?」
ふと目の前を見ると、牛頭の怪物がこちらに攻撃を仕掛けようとしていた。
赤い見た目に反応したのだろうか? ……いや、闘牛のアレは赤いものじゃなくてヒラヒラしている物に反応しているんだっけ?
てかそんな場合じゃない! 早く何とかしないと……でも今持ってるのカッターナイフなんだけど!?
「あぁもう!!」
私はカッターナイフを盾に牽制しようとした。
……だが牽制はできなかった、なぜなら。
「……え?」
カッターナイフが光を放ち、3倍くらいの大きさになった上に、怪物がその長くなったナイフに接触し、消滅したからだ。
もはやこれはカッターナイフではない……これは……。
「……刀?」
そうだ、カッターナイフは、刀……日本刀の形に変貌していたのだ。
しばらくすると、光が弱まっていき、その刀の全貌が明らかになった。
真っ赤な日本刀、それがぱっと見た感想だった。
しかし、どこか機械的にも見えた、なんだろうか……洋画に出てくる日本のイメージのようだ。
「これは……行ける?」
私は剣道の構えのポーズを取り、敵に刃先を向ける。
怪物どもは、私のそのポーズに困惑しているのか、全員が注目している。
「ルリルリ?」
「なんや……そのポーズ」
「小娘……本気か?」
「……行けそう?」
4人も私に注目している……なんか恥ずかしいな。
注目されているからには……それに応えないとね!
「か、かかってこい!! 私が相手だ!」
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