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第1章 世界の研究者、猪飼瑠璃
第9話 安全地帯
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「えぇ~と、すなわち整理すると……貴方は『日本人』という種族の人間……という事?」
「いや、種族というか……民族ですね」
「で、突然地震が起きて、モンスターがアンタの所に現れたというわけやな?」
「はい……そうしたら、しゃべる猫に助けられて……」
「そんで、そのガキと合流して、魔法陣に覆われた」
「はい……右も左も分からず、カッターナイフ片手に応戦しようとして……」
「私たちに……助けられた……で……合ってる……?」
「はい、合ってます」
私たちは安全地帯と呼ばれる、だだっ広い空間へと誘導された。
翡翠ちゃんは疲れたのか、私の膝で寝ている。
そして私は……4人にここまであったことの説明した。
「バリありえない……なにそれ?」
「いや、私も……よく分かりません」
ピンク髪の女性が上を向いて呆れていた。
私だって呆れたい。
「ところで、貴方……名前は?」
「瑠璃……猪飼瑠璃って言います」
「イカイルリ? バリ長い名前だね」
「……長い?」
ピンク髪の女性が私の名前に驚いている……。
別に特段長い名前だとは思うけど……というか下の名前が二文字って、短くない?
「なんて呼べばええんや? イカ? カイ? カイル?」
「あー……」
露出度の高い女性が言った言葉で、私は全てを察した。
どうやらこの人たちの中では苗字の概念が無いようだ……なんて説明しよう……。
「私、『猪飼』が家の名前で、『瑠璃』が私自身の名前です」
「家の名前があるとは、随分と裕福な小娘なようだな」
「あ、別にそういうわけじゃ……」
あーなるほどね、つまり、苗字のある人は裕福な人……いわば、貴族のみが持っているようだ。
そういえば、異世界小説でもよくあるな、そういうの。
主人公が貧乏な貴族に転生して、家を追い出されて冒険者になって、平民と結婚して、その平民が主人公の苗字貰って……。
……まぁいいや。
「じゃあ、ルリルリだね!」
「る、ルリルリ?」
「うん! 瑠璃だからルリルリ! よろしくね!」
「あ、はい……」
どういうわけか、渾名が決まってしまったようだ。
小中高とそんな渾名は貰ったことが無かったので、なんか新鮮だ。
「いや、種族というか……民族ですね」
「で、突然地震が起きて、モンスターがアンタの所に現れたというわけやな?」
「はい……そうしたら、しゃべる猫に助けられて……」
「そんで、そのガキと合流して、魔法陣に覆われた」
「はい……右も左も分からず、カッターナイフ片手に応戦しようとして……」
「私たちに……助けられた……で……合ってる……?」
「はい、合ってます」
私たちは安全地帯と呼ばれる、だだっ広い空間へと誘導された。
翡翠ちゃんは疲れたのか、私の膝で寝ている。
そして私は……4人にここまであったことの説明した。
「バリありえない……なにそれ?」
「いや、私も……よく分かりません」
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私だって呆れたい。
「ところで、貴方……名前は?」
「瑠璃……猪飼瑠璃って言います」
「イカイルリ? バリ長い名前だね」
「……長い?」
ピンク髪の女性が私の名前に驚いている……。
別に特段長い名前だとは思うけど……というか下の名前が二文字って、短くない?
「なんて呼べばええんや? イカ? カイ? カイル?」
「あー……」
露出度の高い女性が言った言葉で、私は全てを察した。
どうやらこの人たちの中では苗字の概念が無いようだ……なんて説明しよう……。
「私、『猪飼』が家の名前で、『瑠璃』が私自身の名前です」
「家の名前があるとは、随分と裕福な小娘なようだな」
「あ、別にそういうわけじゃ……」
あーなるほどね、つまり、苗字のある人は裕福な人……いわば、貴族のみが持っているようだ。
そういえば、異世界小説でもよくあるな、そういうの。
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……まぁいいや。
「じゃあ、ルリルリだね!」
「る、ルリルリ?」
「うん! 瑠璃だからルリルリ! よろしくね!」
「あ、はい……」
どういうわけか、渾名が決まってしまったようだ。
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