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山走万奈の場合

山走万奈の無体(10) X-rated

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 本能のままに、ごく自然であるかのように、男性器から放たれた白濁液を飲み干した。
 口内に残ったそれも舌で拭き取り咀嚼する。

「へんなあじ……」

 そう感想をこぼしたのちに舌なめずりする。

「ふう……はあ……」

 先生は胸の拘束を解かれると床に背中を落とす。
 息をつく暇を与えられない連続の絶頂は大人の身でも負担が大きい。運動不足の身体を鞭打ってランニングをしたあとのように全身が泥のように垂れている。額の汗を拭くのにも時間をかけるほどに消耗していた。
 若者の、それもバリバリの体育会系の体力に圧倒されていた。

「ねえ、せんせい……お願いがあるんだけど」

 まだ、足りない。山走万奈は貪欲だった。

「今度はこっちの、面倒見てくれる」

 スカートをつまみ上げ、嬉々うれうれの性器を露出した。今度は小便ではない。きれいに拭き取ったはずの太ももに汗よりももっとどろどろの液体を垂らしていた。

「……それがあなたの望みなら僕は答えるまでです」
「それじゃあ早速」
「その代わり条件があります」

 はやる若者を制止する。

「……教室にある僕のカバンを持ってきてくれますか? 中にゴムが入っていますので」
「へえ、やけに準備良いじゃん」
「偶然ですよ」

 山走万奈はカバンを取り、早速中を漁る。
 するとゴムの箱以外にも怪しい物を見つけた。

「せんせー、なにこれー」
「滋養強壮効果のあるドリンクですね」
「これも偶然?」
「はい、偶然です」
「先生がこういうの買うとは思えないな……誰かに貰ったの?」
「それは秘密です」
「彼女?」
「秘密です」

 足立康太郎に彼女がいるという噂は聞いたことがない。多くの生徒と同じ生活圏内に暮らしている以上、住所だけでなく家族構成や人付き合いも筒抜け同然。それに足立康太郎は女子人気が高い。常に注目の的。そんな彼がまちなかで女性と歩いていようものならあっという間に全女子生徒に目撃情報うわさが広まるに決まっている。
 なのにまるで聞かないということはつまりそういうことなのだろう。

「秘密、ですか」

 抜け駆け、競争で誰よりも先を走っているようで胸が踊る。

「そういうことにしておいてあげます」
「一体どういうことにしておいてくれるのでしょうか」

 先生は自らゴムを付ける。

「む、なんだか慣れた手付きですね」
「慣れてるとわかるんですか?」
「いや別の誰かのを見たことがあるわけじゃないですけど、先生のは手際が良いですね。童貞ではないようですね」

 そこは少しカチンとくる。特別付き合っているわけでもないが。

(私、体力があるだけのこういうこと得意みたいだし、これを機に先生のこと落としちゃおうかな)

 山走万奈は先生の身体に跨る。

「せんせいはお疲れなようだし、私が動いてあげる」

 積極性があり、懐が深く、気の利く女を演じる。
 いつの間にか直立した性器を割れ目にあてがう。
 挿れる寸前に腰を止める。

「そういえばせんせ、わたし処女だよ」
「へえ、そうなんですか」
「……もっと嬉しそうにしたら?」
「生徒が平等であるように処女非処女で優劣はつけませんので」
「へんなところで真面目なんだから……」

 絶対に自分の処女をゲットできてよかったと思わせる。まるでトロフィーのような扱いでも、先生の記憶に残りたかった。

「それじゃまた、きもちよくさせてあげるからねっ…………っっっ!?」

 勢いよく腰をおろしたはいいものの、

(おっっきいぃ!?)

 性器の大きさに腰が引けてしまう。
 身体に釣り合うように膣も大きいが、彼女は人一倍感覚が鋭く、痛みに敏感だった。

「つらいんですか? 僕のことは気にせずにゆっくりでいいんですよ?」

 急に大人の風を吹かせる。つい数分前はひいひい言わされていたのに。

「つらい? こんなのアキレス腱が切れるのに比べればぜんぜん痛くないんですけど」

 強がって無理くり腰を落としていく。自分の長く伸びた指すら届かない奥まで、男の肉棒を招き入れる。

「ふ、あ……! な、なに、これ……きもちぃい」

 飲み込みが早かったようにのめり込みも早い。身体が早熟だったために初めてでも痛みはない。
 ではすぐに身体を動かせるかというとそうでもなく、

「うごき、たい、けど」

 腰の動きがぴたりと止まる。身体は大きくとも心は小さい。異物が入っていることには恐怖を感じずにはいられない。
 そんな彼女を先生は愛撫する。
 胸でも尻でもない。
 優しく、頭を撫でた。

「ゆっくりで。ゆっくりでいいんですよ」

 その彼女の機敏をしっかりと汲み取っていた。

「い、いまさら、かっこつけたって遅いんだからな」

 頭を撫でる手を掴むとさらけ出した胸に押し付ける。

「んっ」

 自らのタイミングで招き寄せたにもかかわらず、大きく温かな手がくすぐったく小さく喘いでしまう。

「先生、私の胸大きいでしょう? クラスで、いや学校で一番大きいと思うんだけど」
「そうかもしれませんね」
「先生は大きい方が好き?」
「生徒に優劣はつけません」
「嘘だ。本当は好き嫌いあるんでしょう? いや好き嫌いとは違うか。本人の意思とは関係なしにどうしても反応しちゃうんじゃない?」
「……どうしてそう思われるんですか?」
「私がそうだから。先生もそうなんじゃないかって」
「……」

 先生は何も言わずに指を動かし揉み始める。揉みたくて揉むよりも痛みを感じないように濡らすための愛撫。しかし触ると肉棒が膨張し、より固さが増す。

「先生、もっと! つよく!」

 乙女は腰を強く振りながらより強い刺激を所望する。余計な気遣いは不要。
 覚えたての快楽がすでにやみつきになっていた。

「こうですか」
「もっと」
「これくらいですか」
「もっと!」
「では、これくらい」
「っ~~」

 聞き取れないほど高音の悲鳴をこぼす。
 同時に腰の動きをぴたりと止まり、身体を小刻みに震わす。呼吸すら忘れるほどの快感が全身を支配した。
 
「すみません、強すぎましたか」
「ち、ちがうの、ちょうど腰を上げたときに引っ張られたから……いたいけど……いや、むしろ」

 腰の動きを再開する。今度はただの上下でなくひねりを咥える。

「……うく」

 肉棒が再び搾り取られる。

「先生が気持ちよくなきゃ意味ないじゃん……」

 ほどなくし射精に導かれる。今夜だけで三度目。常人なら感覚がなくなる頃だが、極上の身体を前にしてるからか快感は健在だった。
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