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座間涼音の場合

芸術家座間涼音の依頼(11) X-rated

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 時間をかけたことにより、穴はほぐれ、腰の動きを引きずらなくなった。

(よし、これで先生を責められるぞ……)

 座間涼音は痛みからか、性器にばかり気が向いていた。
 そのため先生の大きな熱い舌が、彼女の首がねぶられると悲鳴を漏らしてしまった。

「きゃ!? せんせ!?」
「白く細い首ですね、アイスみたいに舐めれば溶けてしまいそうですね」
「なんだいその発想は……先生もホラー映画がお好きのようだね……んっ」

 またも舐められて身じろぎしてしまう。愚痴をこぼすが不快感はない。

(あぁ、もしも先生が吸血鬼だったらどうしよう……油断したところをがぶっとされたら……僕は拒むどころか、受け入れ……)

 あまりの快感に身を寄せてしまっていた。
 今一度背筋を伸ばし、

「先生。舌を見せたまえ」
「したれすか? いいれすよ?」
「舐めながら声を出すんじゃない。くすぐったじゃなくて上品じゃないぞ」

 先生は舌をだらりと垂らして見せる。
 真っ赤な筋肉の塊。舌苔はきれいに取り除かれ、たばこや加齢臭といった悪臭もしない。きちんとケアを施しているようだった。数秒前まで首を舐めていたから全体的に湿りを帯び、垂らしているうちにも舌の先に水滴が生まれる。

「やはり……大きいな」
「そうれすは?」
「まるで牛タンだな」
「ありはろおおはいあす」
「褒めたつもりはなかったんだがな……まあ、いいや」

 座間涼音は垂らされた舌に口付けをする。

「先生、おめでとう。きっと君が関係する過去から未来にかけ全生徒の中でも最も飛躍する、この僕のファーストキスは君のものだ」
「あはは、これまた大きく出ましたね。でもわかりませんよ?」
「おやおや? まさか僕の未来の活躍を信用していないのか?」
「すみません、でしたね。生徒の皆さんには必ず可能性があると言いたかったのです」
「むむ、女を抱いておきながら他の女を褒めるとは。女心を心得ない舌はこれか」

 今までの彼女であれば無防備な舌に噛みついていただろう。しかし今の彼女は違う。

「はあ、んむ」

 自らの口内に先生の舌を迎え入れ、舌を絡ませた。
 自らの舌、また内頬で先生を悦ばせる。
 されてばかりの先生ではない。舌の動きが意志を取り戻す。

「んんんむ」

 舌の先を突きあったかと思えば滑り込んで舌と口の付け根を責める。

「あああっ」

 先生の責めは口だけで留まらない。
 抱えていた尻を揉みしだき始めた。熟れた果物を運ぶような手つきからパンをこねるような容赦のない力の込め方に変貌した。

「んんんっ」

 力は強いものの、加減はあった。本気で痛がらないような、跡が残らないような、それでいて自分も感触を存分に楽しむような愛撫。

(ぼ、僕の身体で好き勝手にしやがって~!)

 振り払おうにも振り払えない。不快のラインを決めてないからだ。

(これが大人……経験豊富な男の人か……)

 元来の大人のイメージは事あるごとに力で他人を押さえつける姿しか浮かばなかった。
 しかし先生、足立康太郎は違う。どんな仕打ちをされても余裕を崩さず、何より他人のために献身を厭わない、教師の鑑と言っても過言ではない。

(まあ、生徒には手を出すんだけど)

 座間涼音は自嘲気味に笑う。
 呼吸のために一旦顔を引く。
 舌と舌の間に一本の線が伸びる。

「おや、何か面白いことでもありましたか?」

 先生はそう尋ねながらも、次は腰の動きを加速させた。

「せ、んせっ、きみって、ぼくよりもえすだよな!?」

 休み暇すら与えてくれないらしい。

「はてさて、なんのことでしょうか」
「やはり舌は噛み切っておくべきだったよ!」

 物騒な物言いはするが、決して怒っているわけではない。むしろ逆。
 腰の動きも座間涼音の様子を観察しながら配慮しながら、ギリギリのラインを図る。
 多方面からの責めが実を結び、穴も十分に濡れ、先生の巨根の受け入れも整っていた。
 痛みは消え去り、喜びが増していた。
 独善的な邁進では決して得られなかった快感だった。

「先生……僕、そろそろ……」

 教科書は読んでいなくても知っている知識。教科書では決して得られない快感が迫っていた。

「もう一回、キス……!」
「……わかりました」

 腰を激しく動かす先生は息を乱していたが、可愛い生徒の頼みであれば断れない。
 座間涼音は刹那の寵愛に陶酔した。
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