なんでも言うことを聞いてくれるデリヘル先生♂ 〜どんなプレイでも先生はお答えします〜

田村ケンタッキー

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座間涼音の場合

芸術家座間涼音の依頼(10) X-rated

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「はい、はいらなっ……!」

 想定外の規格外。
 座間鈴音の陰裂は小柄な身体に伴っていた。なお先生の性器は細身にしては不相応の巨根。

「無理はなさらないでください」
「無理、だと?」

 気遣いのはずの言葉が彼女にとっては気に障る。

「つまらないこと言ってくれるなよ……!」

 何度無理という言葉を投げかけられたことか。成功を果たしてもマグレだと軽んじ、失敗に終われば当然の結果と嘲る。

「これぐら、なんてこと……」

 急ぎ、焦る。
 まさしく身を削る思いで腰を落とし、狭まった膣を切り拓いていく。
 そこに快感や喜びはない。痛みと血が残る。

(入り口は小さいのに! 長さはあるんだな、僕の身体は!)

 なかなか奥に辿り着かない。根本にも達さない。
 奥はより窮屈で苦痛が増す。元々強くない身体、感じたことのない痛みに視界がチカチカと光る。

「くぅっ」

 動きが止まる。

「……どうだい、先生……」

 感触でわかった。

「奥に達した。無理ではなかっただろう?」

 強気を見せるが徹底的に削ぎ落としたジェンガのように震え、不安定で、脆い。

「……ええ、よく頑張りました」

 先生は生徒の頑張りを認めて微笑んだ。

「え、へへ」

 はにかんだ笑顔。
 気が緩み、繋がったまま、背中から倒れていく。

「あぶない!」

 先生は

「せ、先生……!? 手を縛ってたはずでは?!」
「あはは、バレちゃいましたね……実はこっそりと解いていました。万が一怪我をされては困りますからね。それに怪我をしたらあなたは自分を許せなくなるでしょう?」
「それだったら別に……隠す必要はなかったんじゃないか?」
「あくまで縛っているのがお望みだったようなので……本当は徹底的に生徒の希望に沿うべきですが……力不足ですみません」
「いや、謝らないでくれ。先生が気を利かせてくれたおかげで怪我をしなくて済んだ……だから……ありがとぅ」

 小声で早口に礼を言い、こくりと頭を下げる。すると自分の下腹部から血が垂れているのが見えた。

「先生は血が好きかい?」
「血……ですか。自分の体内を巡っている、かけがえのない、必要不可欠な存在ですが、あまり見たくはありませんね。どうしても怪我のイメージに繋がってしまうんです。怪我をした生徒は見たくありませんし、出さないことに越したことはありません……つまらない答えでしょうか?」
「あぁ、つまらないね。ありきたりすぎる」
「あはは、ばっさりと切られましたね」
「でも先生がそう思うんならそれが正しいんだ。そう、間違っていないと思うよ」

 座間鈴音は顔を上げた。すっかり毒が抜けたように、熱が冷めたように、丸くなっていた。

「でもね、先生、僕は血が好きだよ。昔の海外のゴア表現のあるホラー映画を好んで観る。そうだね、エログロが好きだ。自分の尊厳がないがしろにされるのは嫌なくせして、他人の尊厳がないがしろにされる描写がたまらなく好きなんだ。でもこれってそんなおかしいことじゃあないと思うんだ。コンプライアンスが厳格化する一方の現代、社会現象となる作品ほどエロとグロに溢れている。思ったより人間ってのは寛容なのかも知れないな」

 座間鈴音は語った後に、先生のニコニコ顔に気づく。

「むう、いけない……ついオタクみたいに論説を説いてしまった……しかも繋がったままで……」

 ムードのかけらもない。

「いえ、僕は一向に構いませんよ。むしろ嬉しいくらいです」
「はあ? どこが?」
「やっと、お話できた気がしました。さっきまではなんというか台本を読んでいたようで、どこかよそよそしさを感じていましたので」
「台本って君ね……」

 座間鈴音は脱力してしまう。するとまた体勢が崩れる。

「おっと」

 先生は尻を掴む手に力を込め、座間鈴音の身体を膝で持ち直す。

「ひゃっ!?」

 痛みしか感じられなかった下腹部に、覚えのない快感が走った。

「おや、どうやら馴染んだようですね」
「馴染んだ……?」
「そうですね、いわば私の身体とあなたの身体が一つになったということでしょうか」
「なるほどね……それでどっちなんだい?」
「どっちと言いますと?」
「僕のが先生の形になったとか、先生のが僕の形になったのか」
「……えっとすみません、仰ってることがよくわからないのですが」

 座間鈴音の一生治らない負けず嫌いが悪さする。

「他にも白黒させないといけないよな? どっちが先に達するかとか」
「とりあえず続行ということでよろしいですか?」
「愚問だ! 僕の名器の虜にしてやる!」
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