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座間涼音の場合

芸術家座間涼音の依頼(4) X-rated

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 だらしなくよだれを垂らす開いた口がにわかに形を取り戻す。

「……ん……私は……」

 座間鈴音はため息をつく。

「おや、先生、もう目を覚ましちゃったのかい? もっとゆっくりしていればよかったのに」

 足立康太郎は目を開く。

「私は……眠っていたのですか……」

 椅子に座らされていたことに気づき、身体を起こそうとするも両腕に止められる。

「おや、これは……縛られてしまっているようですね」

 後ろ手に縛られていることに気づく。

「どうして僕はこんなことになっているのでしょう?」

 落ち着きを保ったまま、のほほんと尋ねる。

「先生は働きすぎなんだよ。僕としては先生の健康に気遣って縛らせてもらった」
「なるほど? お気持ち感謝です」

 多少は困惑を見せるもあっさりと納得する先生に、

「……これはこれでつまらないな。もっと慌てふためく姿が見たかったのに」

 身も蓋もない理由で不服を訴える。

「あともう一つお尋ねしたいことがあるのですが」
「どうぞ、先生くん」
「なんで僕は丸出しになっているなのでしょう」

 チャックは下ろされ、パンツはずらされ、性器がむき出しになっていた。

「いい質問だ。なんでだと思う?」
「すぐには答えてくれないのですね……そうですね、デッサンでしょうか? ですがそれならば僕にそのまま頼めば良いことですからね」
「そ、それについてはもういいだろう! 忘れろ!」

 先生の予想は的中している。性器のデッサンはちゃっかり行っている。しかしその作業中は耳まで真っ赤にしており、その姿を見られたくなかったからだ。その他にも寝ていることをいいことににいろいろとイタズラをけっこうしている。

「……わかりません、答えはなんでしょうか?」
「それはずばり、僕の趣味だ!」
「……なるほど。なかなか難しい問題でした」
「先生、それで今日してほしいことなんだが」

 座間鈴音は先生の肩に手を乗せ、息がかかるほどに顔を近づける。

「僕のストレス発散に付き合って欲しい。この通り僕はスランプだ。なのに文化祭の出し物に駆り出され、ただでさえ貴重な時間を浪費している。ストレスが溜まりすぎて今にも肌が荒れそうなんだ」
「なるほど、それは大変ですね」

 身勝手極まるお願いでも先生は笑って見せる。

「そう、大変なんだ」

 座間鈴音は両手を突き出して距離を取る。

「でもこれは先生にとっても悪くない話だろう? 若くてピチピチの女の子とあんなことやこんなことができるんだからね」

 そう言ってスカートをへそまでたくし上げた。二本のか細い太ももが合わさる先に純白のショーツを見せびらかして欲情を煽る。

「ふふん」

 得意げに煽るもしかし残念ながら先生の股間に異変は起きない。

「どんな形であれ、生徒と関わる時間は素晴らしいものです。ぜひ協力させてください」

 そして精一杯のアピールも興味を示さない。
 これには座間鈴音も立腹。

「ちがーーう! そこは悔しそうに勃たせるところだろう!」
「え、そうなんですか? すみません、気が回らなくて」
「なんだいなんだい、僕は女の魅力が足りないとでも言うのか! それとも先生のここはインポなのか!」

 先走り汁すら滲まず、硬さを持たないだらんと垂れた性器をぺしぺしと叩く。
 すると意外な反応が、

「く、あ……」

 先生が呻くと同時に硬さと形を帯びていく。

「……ほほう、これは、これは」

 座間涼音はにわかに浮いた穂先を見逃さない。

「へえ、ふうん、先生はこういうのがいいんだ」

 性器の先端、皮の上から軽くつつく。
 むくり。

「きゃはは! 軽くつついただけで反応してる! こんなのがきもちいいんですかー?」

 裏筋を根から先に、指先でフェザータッチ。

「はあぁ……」

 指を離した後も穂先は天井を向いたままだった。

「きゃははは! きゃはははは!」

 愉快痛快。高笑いする小柄な彼女は大の大人を束縛することにこの上ない快感を覚えていた。
 身の丈以上の攻撃性を持つ狂暴な性格をしていたが日常生活では図体の大きい男性たちに囲まれ抑圧を感じていた。目に入るすべてのものがコンプレックスを刺激する。その鬱憤を晴らす、最高の手段が芸術だった。しかしそれは誤魔化し、フィクションに過ぎない。
 しかし今は違う。教師という教室では絶対的な支配者の立場にある存在を屈服させている。これをカタルシスと呼ばず何と呼ぶ。

「身体は正直なんですねえ。先生、どうです? 生徒に下半身好き放題される感想は?」

 先生の答えは、

「……楽しそうで何よりです。希望通りストレス発散になっているのであれば教師冥利に尽きます」
「へえ、まだ余裕だって言いたいのかい?」

 座間涼音は力強く性器を握る。快感ではなく痛みを与える強さで。

「うっ」
「先生、起つとすごく大きくなるんだねぇ。予想以上だ。僕の手でも覆いきれないなんてね」

 今度はふにりふにりと全体をマッサージのように撫でまわす。彼女の手は冷たく、手のひらにはマメもなく、まんべんなく柔らかい肉に包まれるようだった。

「う、はあぁ……!」

 先生は座りながらも爪先立ちになり、腰を引いた。

「あぁ? 今、射精しそうになったのに我慢しましたね?」

 美術で培われた監察官がすかさず見透かす。

「いいですよ~? 我慢をたっぷりしたほうが気持ちよくなりますもんね? 僕はとても優しいんだ、たっぷり付き合ってあげますよ」

 そう言って手を止める。

「でもだからって手は抜いたりしませんよ?」

 性器の先を握る。狙いは快感や刺激を与えるためではない。

「知っていますよ? 男の人ってこうするともっと気持ちいいんだろ?」

 力を込めて、ずるりと皮を剝いた。
 真っ赤になった亀頭が姿を現す。強烈なオスの匂いと湯気を放つ。

「おやおや、このまま触ったら火傷しそうだね?」

 ふぅ、と吐息をかける。薄紙も揺れないような弱さなのに、

「ふあ」

 容易く性器はろうそくの火のように揺れた。

「きゃはは! 息を吹きかけられただけで反応するなんてどれだけ敏感なんですか~?」

 揺れた性器の先端から漏れた汁が座間涼音の頬にかかる。

「おや、これは……」

 座間涼音は不快感を示さずにそれに触れた。

「汗じゃない……そうか、これが我慢汁カウパーか、ふふふ」

 左手で根元を抑え、尿道を右手のひらで覆う。

「う、く!」

 男性の性器、それも最も敏感な場所に触れられ、我慢できずに大きな声が出る。

「声を我慢していられるのも今のうちかもしれませんよ?」

 右手のひらで水平にスライドし、何度も尿道をしつこく刺激する。

「あ、は、ああ、ん、ああ」
「先生? この気持ちよさからは逃げられませんよー?」

 太ももをがくんがくんとゆするも快感は緩まない。
 次第に我慢汁が染み出し、亀頭全体に広がっていく。
 にちゃ、にちゅ。
 粘着を帯びた音が鳴り始めた。
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