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森の民はのんびり屋の少女と出会う
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朝になると耳の奥を煩わしく刺していた雨は止んでいた。そのことを確認すると早々に身支度を整えて出発する準備を始めた。
この洞窟は広い。一本道で迷うこともない。身を隠すにはうってつけだが野生動物や魔物と鉢合わせするリスクがあった。そのうえ壁や天井がやけに黒く、触れると手まで黒く染め上げられる。
「こんなところにいたら目まで真っ黒になっちゃうわ」
そして何よりマナが濃すぎた。エルフであるビクトリアですら身の危険を感じるほどの異常な濃度だった。浅く息を吸ったつもりが肺の中がいっぱいになるような感覚。直ちに命への影響はないが一刻も早く立ち去りたい気持ちにさせた。
闇の中に横たわる大きな白骨が、もうとうに目玉は腐り落ちたはずなのにビクトリアを恨めしく見つめる……ような気がした。
そそくさと見て見ぬふりして逃げるのではなく、
「バイバイ、除け者さん。死んだ先でお友達ができたらいいわね」
雨宿りを共にした亡骸に別れの挨拶を簡単に済ませ、洞窟の外に出る。
「まぶし……」
眩い太陽光に耳がしおれそうになる。天気は快晴だったが地面はまだ昨晩の雨でぬかるんでいた。立っているだけでも足元がおぼつかなくなる。
「さっそく、こいつの出番ね」
ビクトリアは珍しい石でも拾ったかのように、恐れ多くも巨大蜥蜴の骨を歩行の補助に使った。大きさの割には軽く、そして丈夫だった。
「せっかくだし……ファイア」
軽い気持ちで火の魔法を唱える。
火花程度のつもりが一気にひまわりの花のように大輪に広がる。
「ってえぇ!?」
コントロールを忘れ、膨れ上がる前に切り離す。
巨大な火球は遠い彼方に飛んでいき、爆発した。
「な、なんだったの……」
放った自分すら驚いてしまう。木の棒とは比べならないほどに大きな威力を誇っていた。
幸運にもマナに適合していた個体の骨だったため、魔力ブースターとして最高品質の杖になったのだった。
「あはは、不気味ぃ……」
高性能すぎて引いてしまうが捨てることはしなかった。使うものは使う。そうでもしなければ一人では生き残れない。
新たな友を道ずれに黒い洞窟を後にした。
ぬかるんだ足元に四苦八苦しながらぼやく。
「私の住んでた森って山の上にあったんだ……」
洞窟を出た後はほとんどが下り坂だった。歩きながらでも山を下りていることがわかる。
下っていると耳の奥が詰まったような知らない感覚に襲われる。寝ている時に泥や水でも詰まったのかと思い、頭を振るもいくらやっても回復しない。音は聞こえるし痛いというほどではないがストレスの他なかった。しかし対処法がまるっきりわからないので諦めてそのままにしているといつの間に治っていた。
名前を知っている木々に囲まれているのにまるで別の森を歩いているようだった。どんどんと故郷を離れていることが分かった。それでもビクトリアは引き返すことはしなかった。
目指す目的地はなく、兎にも角にも下り続ける彼女を止められるものは──
ぐう~~~。
──空腹だった。
空腹だけでない。喉も乾いていた。
行方をくらますために川を離れたのがここにきて大きく返ってきた。
「どこかに林檎の木とか生えてないかしら……」
なんとなしに耳を澄ませる。彼女の耳であれば林檎が落ちた音も聞き取れる。
「なーんてそんな好都合な話はないか~」
しかし与太話のつもりが本当に林檎が落ちる音を聞き取る。
それも一個や二個ではない。
さらに聞き取れたのは林檎の音だけでない。足音だ。
「二足歩行と……四足歩行……」
聴覚だけで他にも大事な情報を得る。
「しかも近い……というか近づいてる!?」
おそらくどこかの間抜けが野犬に追いかけられているのだろう。
「巻き込まれたら面倒だわ! 逃げなくちゃ!」
魔法に心得はあるがすばしっこい獣に当てられる自信はない。
逃げようと下ってきた道を戻ろうするが、
「ふんにゃあ!?」
ぐちゃりと地面が歪む。
「かーっ!? こんなときに足を滑られる間抜けは誰よ!? 私よ!!」
足音の主が聴覚だけでなく視覚でも捉える。
「おたすけ~!」
泣きべそをかきながら少女が逃げ惑っている。
「バウバウ! バウ!」
半分は白く、半分は黒くなった犬が吠えながら追いかけている。
「なにあの犬……山の下ってあんな毛の色してるの? へんなの」
杖を杖にして立ち上がっていると、
「あー! そこの人ー! たすけてー!」
逃げ惑っていた少女と目が合ってしまう。そして助けを求められてしまう。
「はああ!? この馬鹿女!! こっちに来ないで!」
助かりたい一心、火の魔法を展開する。今度は手加減を間違えず、脅し程度に留める。
「あだっ!?」
脅しに関わらず少女は勝手にぬかるんだ地面に足を奪われて転倒する。
「た、たすかった……これで私には向かってこな──」
「グルルルアア!!!」
火を見た野犬はさらに興奮し、もともと追いかけ回していた少女を踏み台にしてビクトリアに飛び掛かってきた。
「なんでよおお!!? ファイア!!」
無我夢中で目を瞑ったまま火の魔法を放った。
「キャウッ」
直線の動きをしていた野犬は運悪くも高火力の魔法をもろに受けて焼け焦げになってしまう。
泥に頭から突っ込み、しばらく滑った後にぴくりとも動かなくなった。
「な、なんだったのよ、こいつ……」
ビクトリアは生死の確認をするために骨の杖で死骸を突く。
「あれ、半分黒かったの毛だと思ったらこれは焦げ跡……? それともう半分白い毛も今ので焦げて黒く……」
とある事実にたどり着いた時だった。
「だづげでいだだだぎありがどうございまづ!!」
「ひええ!? のっぺらぼう!?」
泥をかぶって目と口の消えた少女が目の前に現れる。
「あだだはいのじのおんぢんでづ!!」
「あ、あんた、さっきの間抜けの!?」
顔ではわからないので声で判別する。
「あの野犬、普段は大人しいんですがなぜか今日だけは狂暴で……! それもなんかどこかで山火事でもあったのか身体半分が黒くなってましたし……! 本当に助かりました!」
「あ、あはは、それはよかったわね……」
ビクトリアはすでに真実にたどり着いている。
(その野犬が狂暴化してた原因、たぶん私……)
洞窟を出たばっかりに放った、マナをたっぷり吸った火の魔法が運悪くも当たってしまったのだろう。
「お礼をさせてください! それとお名前もよろしければ!」
「い、いいのよ、お礼なんて……あんなの助けの内にも入らないわ……」
「はああ!! なんて奥ゆかしいお方! 泥をかぶってなければしっかりとお顔も見たかったのですが!」
「……」
ビクトリアはお礼を受け取らず、少女に悟られずにその場を離れようとしていた。
お礼がもらえるのであれば林檎が欲しい。
(今回の働きで言えば林檎二個……いや三個で手を打ちたいところね)
飢えと喉の渇きを満たしたいがそうできない理由があった。
(初めて見た……耳が短い……短命種……)
少女は二足歩行で会話もできるが……異種族。
異種族とはこれが初めての接触だった。短命種の話は両親や長老からいろいろ聞かされているが……どれもろくな情報はない。聞かされた話は星の数ほどあれど要約すると猫のように短期間に繁殖し、犬のように獰猛で手を付けられない。この要約がマトモな部類に入る。
(この少女は何歳くらいかしら……20? 30? 私にとっちゃまだまだ赤ん坊だけど……今日のところは見逃してやるわ)
丹念に植え付けられた先入観により、自分よりも小さい少女に怯えてしまう。
幸いにも今は顔と耳を見られていない。逃げるなら今のうち。
「あ、まだ自分の名前言ってませんでしたね。エミリって言います。えっと年は8……じゃなかった、9歳です」
「9歳!?」
あまりの若さに驚いて声を上げてしまう。
「あれー、命の恩人さんの声がどうして後ろからー? もしかしてわたしぃ知らず知らずのうちに回ってましたー?」
「……」
ビクトリアは慌てて口を塞ぐもエミリと名乗った少女は的確にビクトリアのいる方角を向く。
(ちょっと!? 短命種って耳が遠いんじゃなかったの!?)
エミリはのそりのそりと動く。
「待ってください、ちゃんと受けた恩は返せとー、おっかさんに言われてますんでー」
ビクトリアは音をたてないように五歩下がる。
「あっれー? このへんだと思ったんですけどー? おーい、命の恩人さーん! 返事してくださーい」
エミリの聴覚は人並み。それで見失ってしまう。
(林檎は惜しいけど短命種に見つかるのは厄介……ここいらでトンズラさせてもらうわよ)
しかしここでもビクトリアは不運を発揮してしまう。
ぐううううう。
盛大な腹の虫が鳴った。
「誰よ! 大きな腹の虫を鳴らしてるの! 私よ!」
自分に対して切れている場合ではない。
「命の恩人さん、そこだー!!」
エミリは命の恩人に対して泥んこのまま飛びつき、そして転ばせる。
「ぎゃああああ!!」
ビクトリアは泥まみれになった。耳の穴に泥が入るほどに。
「いた~! 命の恩人さん~。あれー、私と同じくらいの子だー?」
転んだ衝撃で少女の顔に張り付いてた泥が剥がれ落ちる。
「わぁ、すごい美人さんですね。髪はきれいでサラサラだし、耳は尖ってるし……耳が尖っている……」
エミリは命の恩人の正体を知る。
「えええ、命の恩人さん、エルフですかーー!!?」
正体を知られたビクトリアは、
「あんた……お礼よりも先に言うことあるでしょうに……」
お礼以外にもお詫びを要求した。
林檎六個を手に入れた。
この洞窟は広い。一本道で迷うこともない。身を隠すにはうってつけだが野生動物や魔物と鉢合わせするリスクがあった。そのうえ壁や天井がやけに黒く、触れると手まで黒く染め上げられる。
「こんなところにいたら目まで真っ黒になっちゃうわ」
そして何よりマナが濃すぎた。エルフであるビクトリアですら身の危険を感じるほどの異常な濃度だった。浅く息を吸ったつもりが肺の中がいっぱいになるような感覚。直ちに命への影響はないが一刻も早く立ち去りたい気持ちにさせた。
闇の中に横たわる大きな白骨が、もうとうに目玉は腐り落ちたはずなのにビクトリアを恨めしく見つめる……ような気がした。
そそくさと見て見ぬふりして逃げるのではなく、
「バイバイ、除け者さん。死んだ先でお友達ができたらいいわね」
雨宿りを共にした亡骸に別れの挨拶を簡単に済ませ、洞窟の外に出る。
「まぶし……」
眩い太陽光に耳がしおれそうになる。天気は快晴だったが地面はまだ昨晩の雨でぬかるんでいた。立っているだけでも足元がおぼつかなくなる。
「さっそく、こいつの出番ね」
ビクトリアは珍しい石でも拾ったかのように、恐れ多くも巨大蜥蜴の骨を歩行の補助に使った。大きさの割には軽く、そして丈夫だった。
「せっかくだし……ファイア」
軽い気持ちで火の魔法を唱える。
火花程度のつもりが一気にひまわりの花のように大輪に広がる。
「ってえぇ!?」
コントロールを忘れ、膨れ上がる前に切り離す。
巨大な火球は遠い彼方に飛んでいき、爆発した。
「な、なんだったの……」
放った自分すら驚いてしまう。木の棒とは比べならないほどに大きな威力を誇っていた。
幸運にもマナに適合していた個体の骨だったため、魔力ブースターとして最高品質の杖になったのだった。
「あはは、不気味ぃ……」
高性能すぎて引いてしまうが捨てることはしなかった。使うものは使う。そうでもしなければ一人では生き残れない。
新たな友を道ずれに黒い洞窟を後にした。
ぬかるんだ足元に四苦八苦しながらぼやく。
「私の住んでた森って山の上にあったんだ……」
洞窟を出た後はほとんどが下り坂だった。歩きながらでも山を下りていることがわかる。
下っていると耳の奥が詰まったような知らない感覚に襲われる。寝ている時に泥や水でも詰まったのかと思い、頭を振るもいくらやっても回復しない。音は聞こえるし痛いというほどではないがストレスの他なかった。しかし対処法がまるっきりわからないので諦めてそのままにしているといつの間に治っていた。
名前を知っている木々に囲まれているのにまるで別の森を歩いているようだった。どんどんと故郷を離れていることが分かった。それでもビクトリアは引き返すことはしなかった。
目指す目的地はなく、兎にも角にも下り続ける彼女を止められるものは──
ぐう~~~。
──空腹だった。
空腹だけでない。喉も乾いていた。
行方をくらますために川を離れたのがここにきて大きく返ってきた。
「どこかに林檎の木とか生えてないかしら……」
なんとなしに耳を澄ませる。彼女の耳であれば林檎が落ちた音も聞き取れる。
「なーんてそんな好都合な話はないか~」
しかし与太話のつもりが本当に林檎が落ちる音を聞き取る。
それも一個や二個ではない。
さらに聞き取れたのは林檎の音だけでない。足音だ。
「二足歩行と……四足歩行……」
聴覚だけで他にも大事な情報を得る。
「しかも近い……というか近づいてる!?」
おそらくどこかの間抜けが野犬に追いかけられているのだろう。
「巻き込まれたら面倒だわ! 逃げなくちゃ!」
魔法に心得はあるがすばしっこい獣に当てられる自信はない。
逃げようと下ってきた道を戻ろうするが、
「ふんにゃあ!?」
ぐちゃりと地面が歪む。
「かーっ!? こんなときに足を滑られる間抜けは誰よ!? 私よ!!」
足音の主が聴覚だけでなく視覚でも捉える。
「おたすけ~!」
泣きべそをかきながら少女が逃げ惑っている。
「バウバウ! バウ!」
半分は白く、半分は黒くなった犬が吠えながら追いかけている。
「なにあの犬……山の下ってあんな毛の色してるの? へんなの」
杖を杖にして立ち上がっていると、
「あー! そこの人ー! たすけてー!」
逃げ惑っていた少女と目が合ってしまう。そして助けを求められてしまう。
「はああ!? この馬鹿女!! こっちに来ないで!」
助かりたい一心、火の魔法を展開する。今度は手加減を間違えず、脅し程度に留める。
「あだっ!?」
脅しに関わらず少女は勝手にぬかるんだ地面に足を奪われて転倒する。
「た、たすかった……これで私には向かってこな──」
「グルルルアア!!!」
火を見た野犬はさらに興奮し、もともと追いかけ回していた少女を踏み台にしてビクトリアに飛び掛かってきた。
「なんでよおお!!? ファイア!!」
無我夢中で目を瞑ったまま火の魔法を放った。
「キャウッ」
直線の動きをしていた野犬は運悪くも高火力の魔法をもろに受けて焼け焦げになってしまう。
泥に頭から突っ込み、しばらく滑った後にぴくりとも動かなくなった。
「な、なんだったのよ、こいつ……」
ビクトリアは生死の確認をするために骨の杖で死骸を突く。
「あれ、半分黒かったの毛だと思ったらこれは焦げ跡……? それともう半分白い毛も今ので焦げて黒く……」
とある事実にたどり着いた時だった。
「だづげでいだだだぎありがどうございまづ!!」
「ひええ!? のっぺらぼう!?」
泥をかぶって目と口の消えた少女が目の前に現れる。
「あだだはいのじのおんぢんでづ!!」
「あ、あんた、さっきの間抜けの!?」
顔ではわからないので声で判別する。
「あの野犬、普段は大人しいんですがなぜか今日だけは狂暴で……! それもなんかどこかで山火事でもあったのか身体半分が黒くなってましたし……! 本当に助かりました!」
「あ、あはは、それはよかったわね……」
ビクトリアはすでに真実にたどり着いている。
(その野犬が狂暴化してた原因、たぶん私……)
洞窟を出たばっかりに放った、マナをたっぷり吸った火の魔法が運悪くも当たってしまったのだろう。
「お礼をさせてください! それとお名前もよろしければ!」
「い、いいのよ、お礼なんて……あんなの助けの内にも入らないわ……」
「はああ!! なんて奥ゆかしいお方! 泥をかぶってなければしっかりとお顔も見たかったのですが!」
「……」
ビクトリアはお礼を受け取らず、少女に悟られずにその場を離れようとしていた。
お礼がもらえるのであれば林檎が欲しい。
(今回の働きで言えば林檎二個……いや三個で手を打ちたいところね)
飢えと喉の渇きを満たしたいがそうできない理由があった。
(初めて見た……耳が短い……短命種……)
少女は二足歩行で会話もできるが……異種族。
異種族とはこれが初めての接触だった。短命種の話は両親や長老からいろいろ聞かされているが……どれもろくな情報はない。聞かされた話は星の数ほどあれど要約すると猫のように短期間に繁殖し、犬のように獰猛で手を付けられない。この要約がマトモな部類に入る。
(この少女は何歳くらいかしら……20? 30? 私にとっちゃまだまだ赤ん坊だけど……今日のところは見逃してやるわ)
丹念に植え付けられた先入観により、自分よりも小さい少女に怯えてしまう。
幸いにも今は顔と耳を見られていない。逃げるなら今のうち。
「あ、まだ自分の名前言ってませんでしたね。エミリって言います。えっと年は8……じゃなかった、9歳です」
「9歳!?」
あまりの若さに驚いて声を上げてしまう。
「あれー、命の恩人さんの声がどうして後ろからー? もしかしてわたしぃ知らず知らずのうちに回ってましたー?」
「……」
ビクトリアは慌てて口を塞ぐもエミリと名乗った少女は的確にビクトリアのいる方角を向く。
(ちょっと!? 短命種って耳が遠いんじゃなかったの!?)
エミリはのそりのそりと動く。
「待ってください、ちゃんと受けた恩は返せとー、おっかさんに言われてますんでー」
ビクトリアは音をたてないように五歩下がる。
「あっれー? このへんだと思ったんですけどー? おーい、命の恩人さーん! 返事してくださーい」
エミリの聴覚は人並み。それで見失ってしまう。
(林檎は惜しいけど短命種に見つかるのは厄介……ここいらでトンズラさせてもらうわよ)
しかしここでもビクトリアは不運を発揮してしまう。
ぐううううう。
盛大な腹の虫が鳴った。
「誰よ! 大きな腹の虫を鳴らしてるの! 私よ!」
自分に対して切れている場合ではない。
「命の恩人さん、そこだー!!」
エミリは命の恩人に対して泥んこのまま飛びつき、そして転ばせる。
「ぎゃああああ!!」
ビクトリアは泥まみれになった。耳の穴に泥が入るほどに。
「いた~! 命の恩人さん~。あれー、私と同じくらいの子だー?」
転んだ衝撃で少女の顔に張り付いてた泥が剥がれ落ちる。
「わぁ、すごい美人さんですね。髪はきれいでサラサラだし、耳は尖ってるし……耳が尖っている……」
エミリは命の恩人の正体を知る。
「えええ、命の恩人さん、エルフですかーー!!?」
正体を知られたビクトリアは、
「あんた……お礼よりも先に言うことあるでしょうに……」
お礼以外にもお詫びを要求した。
林檎六個を手に入れた。
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